行政法 第309問
教材: 行政法②
司法試験 H25 第38問
論点: 損失補償請求権と損害賠償
問題
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公式解答
1 / 4
正誤・解説
1 /
民間の事業者が村の工場誘致施策に応じて投資した後、村長が交代し、村が事業者に対し代償的措置を執ることなく施策を変更した場合に、村が事業者の受けた積極的損害を賠償する不法行為責任を負う例。
判例は、施策変更が社会情勢の変化に応じてやむを得ない場合まで不法行為とみるものではなく、損害賠償ではなく損失補償で解決する方向を示している。本肢は不法行為責任としている点が不適切。
2 /
国の行政機関が民間の事業者による汚染物質の排出を規制する権限を適切に行使しなかった場合に、国が公害の被害者に対し国家賠償法第1条第1項による賠償責任を負う例。
規制権限の不行使が直ちに違法行為になるのではなく、法律の趣旨・目的や具体的事情から著しく合理性を欠く場合に限られる。本肢はその点の限定がなく、損失補償の事案としても不適切。
3 /
民間の指定確認検査機関が違法に建築確認を行ったために当該建築物の近隣住民が被害を受けた場合に、当該建築物に係る建築確認事務の帰属する市が国家賠償法第1条第1項による賠償責任を負う例。
違法な建築確認を行ったのが民間の指定確認検査機関であれば、国賠法1条1項の公務員による違法行為とはいえない。したがって、市の国家賠償責任を認める例としては適切でない。
4 /
市の保健所で受けた予防接種により個人に後遺障害が生じた場合に、接種した医師の過失が一部推定され、市が損害賠償責任を負う例。
予防接種による被害について、判例は憲法29条3項の類推適用などを通じて救済を認めている。本肢のように接種行為に伴う被害が問題となる場合は、損害賠償で解決される例として適切。
5 /
国家公務員が勤務場所での事故により死亡した場合に、国が国家公務員に対して負う安全配慮義務の懈怠を理由に損害賠償責任を負う例。
安全配慮義務は私法上の信義則等から導かれるもので、国と公務員の間でも一般的に認められるとした判例はあるが、ここではその懈怠を違法行為とみることはできず、損失補償請求権としても構成できない。
全体要旨
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