行政法 第307問
教材: 行政法②
予備試験 R03 第23問
論点: 損失補償
問題
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ア 憲法第29条第3項は「正当な補償」と規定しているだけで補償の時期については規定していないから、損失補償が私有財産の供与と交換的に同時履行されなくても、憲法に違反するものではない。
イ 日本国が平和条約により連合国に対する賠償義務を承認し、日本国民の在外資産を賠償に充当することに対して国として異議を唱えず承認した結果、在外資産を喪失することになった国民は、憲法第29条第3項に基づき国に補償を求めることができる。
ウ 土地収用法における損失の補償は、特定の公益上必要な事業のために土地が収用される場合、その収用によって当該土地の所有者等が被る特別な犠牲の回復を図ることを目的とするものであるから、被収用者は、収用の前後を通じて被収用者の保持する財産価値を等しくさせるような補償を求めることができる。
公式解答
3. ア○ イ× ウ○
正誤・解説
ア /
憲法第29条第3項は「正当な補償」と規定しているだけで補償の時期については規定していないから、損失補償が私有財産の供与と交換的に同時履行されなくても、憲法に違反するものではない。
判例は、憲法29条3項は補償の内容を「正当な補償」と定めるにとどまり、補償と財産供与の同時履行まで憲法上当然に要求していないとしている。遅延による損害は別途問題となり得るが、直ちに違憲とはならない。
根拠条文:日本国憲法29条第3項・e-Govで法令を開く
日本国憲法29条第3項―現行条文本文
私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる。
日本国憲法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:52)
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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イ /
日本国が平和条約により連合国に対する賠償義務を承認し、日本国民の在外資産を賠償に充当することに対して国として異議を唱えず承認した結果、在外資産を喪失することになった国民は、憲法第29条第3項に基づき国に補償を求めることができる。
判例は、戦争損害や在外資産喪失について、国が政策的配慮をするかは別問題としても、憲法29条3項の損失補償請求を当然に認める余地はないとする。したがって、本肢のような補償請求はできない。
根拠条文:日本国憲法29条第3項・e-Govで法令を開く
日本国憲法29条第3項―現行条文本文
私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる。
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ウ /
土地収用法における損失の補償は、特定の公益上必要な事業のために土地が収用される場合、その収用によって当該土地の所有者等が被る特別な犠牲の回復を図ることを目的とするものであるから、被収用者は、収用の前後を通じて被収用者の保持する財産価値を等しくさせるような補償を求めることができる。
判例は、土地収用の損失補償は特別の犠牲の回復を目的とするが、完全補償だからといって収用の前後で常に財産価値を同等にする補償まで当然に要するわけではなく、近傍で代替地を取得するに足る金額まで求める趣旨でもないとしている。
全体要旨
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