行政法 第302問
教材: 行政法②
司法試験 H21 第38問
論点: 損失補償
問題
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(参照条文)土地収用法
第71条 収用する土地又はその土地に関する所有権以外の権利に対する補償金の額は、近傍類地の取引価格等を考慮して算定した事業の認定の告示の時における相当な価格に、権利取得裁決の時までの物価の変動に応ずる修正率を乗じて得た額とする。
(参照条文)都市計画法
第53条 都市計画施設の区域又は市街地開発事業の施行区域内において建築物の建築をしようとする者は、国土交通省令で定めるところにより、都道府県知事の許可を受けなければならない。ただし、次に掲げる行為については、この限りでない。
公式解答
6. ア× イ○ ウ×
正誤・解説
A /
土地収用法(以下「法」という。)第71条に基づく補償金の額の決定に際しては、事業認定の告示の時から権利取得裁決の時までに近傍類地の取引価格に変動が生ずることがあり、その変動率は必ずしも法第71条による修正率と一致するとはいえないから、被収用者は、収用の前後を通じて被収用者の有する財産価値を等しくさせるような補償を常に受けられるものとはいえないが、憲法第29条第3項にいう「正当な補償」とは、その時の経済状態において成立すると考えられる価格に基づき合理的に算出された相当な額をいうのであって、必ずしも常に上記の価格と完全に一致することを要するものではないから、法第71条の規定は憲法第29条第3項に違反するものではない。
判例は、法71条の補償額が常に取得時点の価格と完全一致することまで要しないとしつつ、経済状態に応じ合理的に算出された相当額であれば「正当な補償」に当たるとした。したがって、同条は憲法29条3項に違反しない。
根拠条文:土地収用法第71条・e-Govを開く日本国憲法29条第3項・e-Govで法令を開く
日本国憲法29条第3項―現行条文本文
私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる。
日本国憲法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:52)
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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I /
土地収用法88条は、「第71条、第72条、第74条、第75条、第77条、第80条及び第80条の2に規定する損失の補償の外、離作料、営業上の損失、建物の移転による賃貸料の損失その他土地を収用し、又は使用することに因って土地所有者又は関係人が通常受ける損失は、補償しなければならない」と規定するところ、営業の休止がなければ得られていたはずの収益は、「営業上の損失」にあたると考えられるから、土地収用法上損失補償の対象になる。
説明では、営業休止がなければ得られたはずの収益は土地収用法88条の「営業上の損失」に当たり、損失補償の対象になるとしている。
U /
都市計画決定に基づく都市計画道路の区域内に土地及び建物を所有している者が、当該都市計画に係る事業が決定から60年以上にわたって着手されないことにより、その間、当該土地への建築物の建築につき都市計画法53条の建築制限を受けてきた場合には、そのような長期間の建築制限による損失は、通常、一般的に当然に受忍すべきものとされる制限の範囲を超えた特別の犠牲に当たるから、憲法29条3項の損失補償を必要とする。
判例は、長期間の建築制限があるだけで直ちに特別の犠牲とはいえず、都市計画法53条の規制内容や土地の利用状況等を踏まえて判断するとした。本肢は、当然に損失補償を要するとする点で誤り。
根拠条文:日本国憲法29条第3項・e-Govで法令を開く都市計画法53条・e-Govを開く
日本国憲法29条第3項―現行条文本文
私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる。
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都市計画法53条―現行条文本文
第五十三条 (建築の許可)
都市計画施設の区域又は市街地開発事業の施行区域内において建築物の建築をしようとする者は、国土交通省令で定めるところにより、都道府県知事等の許可を受けなければならない。
ただし、次に掲げる行為については、この限りでない。
一 政令で定める軽易な行為
二 非常災害のため必要な応急措置として行う行為
三 都市計画事業の施行として行う行為又はこれに準ずる行為として政令で定める行為
四 第十一条第三項後段の規定により離隔距離の最小限度及び載荷重の最大限度が定められている都市計画施設の区域内において行う行為であつて、当該離隔距離の最小限度及び載荷重の最大限度に適合するもの
五 第十二条の十一に規定する道路(都市計画施設であるものに限る。)の区域のうち建築物等の敷地として併せて利用すべき区域内において行う行為であつて、当該道路を整備する上で著しい支障を及ぼすおそれがないものとして政令で定めるもの
第五十二条の二第二項の規定は、前項の規定による許可について準用する。
第一項の規定は、第六十五条第一項に規定する告示があつた後は、当該告示に係る土地の区域内においては、適用しない。
都市計画法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:15:03)
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