行政法 第274問
教材: 行政法②
司法試験 H25 第35問
論点: 住民訴訟
問題
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普通地方公共団体であるA市の住民であるXが地方自治法(以下「法」という。)第242条の2第1項の規定に基づいて提起する住民訴訟に係る各事例に関する次のアからエまでの各記述(いずれにあっても、各記述に係るもの以外の訴訟要件については問題はないものとする。)について、それぞれ正しい場合には1を、誤っている場合には2を選びなさい。
公式解答
1 / 2 / 1 / 1
正誤・解説
p1 /
Xが違法であると主張する公金の支出がされるであろうことが確実となった事例において、Xは、対象とする行為が処分に当たる場合に限り、法第242条の2第1項第1号の規定に基づき、その差止めを求める住民訴訟を、適法に提起することができる。
法242条の2第1項1号は、住民監査請求後に、当該執行機関又は職員に対する当該行為の全部又は一部の差止めを求める訴えを認めており、対象行為が処分に当たる場合に限られない。
p2 /
Xが違法であると主張する公金の支出を内容とする処分がされたが実際の金銭の支払は未了である事例において、Xは、法第242条の2第1項第2号の規定に基づき当該処分の取消しを求める住民訴訟を適法に提起した場合には、当該処分に係る金銭の支払について、行政事件訴訟法第25条の規定により、それが当該処分の相手方にされることによりXの経営する事業が受ける重大な損害を避けるため、執行停止の申立てを、適法にすることができる。
住民訴訟は行政事件訴訟法43条の適用があり、同25条2項の「重大な損害」は公共の利益に係る損害に限られる。Xの事業上の損害を避けるための執行停止申立ては認められない。
根拠条文:地方自治法第242条の2第1項・e-Govを開く同項第2号・e-Govを開く行政事件訴訟法242条の2第2項・e-Govで法令を開く行政事件訴訟法43条・e-Govで法令を開く行政事件訴訟法25条第2項・e-Govで法令を開く
行政事件訴訟法43条―現行条文本文
第四十三条 (抗告訴訟又は当事者訴訟に関する規定の準用)
民衆訴訟又は機関訴訟で、処分又は裁決の取消しを求めるものについては、第九条及び第十条第一項の規定を除き、取消訴訟に関する規定を準用する。
民衆訴訟又は機関訴訟で、処分又は裁決の無効の確認を求めるものについては、第三十六条の規定を除き、無効等確認の訴えに関する規定を準用する。
民衆訴訟又は機関訴訟で、前二項に規定する訴訟以外のものについては、第三十九条及び第四十条第一項の規定を除き、当事者訴訟に関する規定を準用する。
行政事件訴訟法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:15:02)
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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行政事件訴訟法25条第2項―現行条文本文
処分の取消しの訴えの提起があつた場合において、処分、処分の執行又は手続の続行により生ずる重大な損害を避けるため緊急の必要があるときは、裁判所は、申立てにより、決定をもつて、処分の効力、処分の執行又は手続の続行の全部又は一部の停止(以下「執行停止」という。)をすることができる。
ただし、処分の効力の停止は、処分の執行又は手続の続行の停止によつて目的を達することができる場合には、することができない。
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p3 /
A市の住民であるBがその企画する事業についてした法令に基づく許可の申請に対するA市の応答が遅いことをXが違法であると主張している事例において、上記の不作為がA市の財務会計上の行為に関するものではない場合には、Xは、法第242条の2第1項第3号の規定に基づき、それが違法であるとの確認を求める住民訴訟を、適法に提起することはできない。
法242条の2第1項3号の対象は当該執行機関又は職員の「怠る事実」であり、また住民訴訟は財務会計上の行為・怠る事実に限られる。財務会計上のものに当たらない不作為は対象外。
根拠条文:地方自治法第242条の2第1項第3号・e-Govを開く
p4 /
Xが法第242条の2第1項第4号本文の規定に基づきA市の市長においてCに対して損害賠償の請求をすることを求める住民訴訟を適法に提起した事例において、損害賠償の請求を命ずる判決が確定した場合には、A市の市長は、Cに対して損害賠償金の支払を請求することを義務付けられる。
法242条の2第3項により、第1項4号本文の訴えで損害賠償等を命ずる判決が確定したときは、普通地方公共団体は期限内に請求しなければならない。したがって市長は請求義務を負う。
全体要旨
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