行政法 第273問
教材: 行政法②
司法試験 H24 第35問
論点: 住民訴訟
問題
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普通地方公共団体であるA市においては、観光の振興のために、宗教法人Bの主宰により長年にわたり行われている行事と提携する事業が企画されたが、A市の住民であるXは、この事業の内容については政教分離の原則等との関係で慎重に検討すべき問題があると考えている。このような場合において、Xが地方自治法(以下「法」という。)第242条の2第1項の規定に基づいて提起する住民訴訟に係る各事例に関する次のアからエまでの各記述(いずれにあっても、各記述に係るもの以外の訴訟要件については問題なく、権限の委任についての定めもないものとする。)について、それぞれ正しい場合には1を、誤っている場合には2を選びなさい。
公式解答
ア1 / イ1 / ウ1 / エ2
正誤・解説
ア /
A市の市長Cが宗教法人Bの主宰する行事に特定の日時に出席することが予定されている事例において、Xは、当該出席行為に伴う公金の支出その他の法の定める財務会計上の行為について、法第242条の2第1項第1号の規定に基づき、その差止めを求める住民訴訟を、適法に提起することができる。
出席行為が憲法20条3項に違反するなら、そのための公金支出等も違法な財務会計上の行為となる。住民訴訟で差止めを求めることができるとされる。
根拠条文:地方自治法242条の2第1項・e-Govを開く同項1号・e-Govを開く日本国憲法20条第3項・e-Govで法令を開く地方自治法242条1項・e-Govを開く
日本国憲法20条第3項―現行条文本文
国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。
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イ /
問題とされる事業に関して公金の支出を内容とする処分がされた事例において、Xは、当該処分の取消しを求めるにつき法律上の利益を有する者に当たるか否かにかかわらず、法第242条の2第1項第2号の規定に基づき、その取消しを求める住民訴訟を、適法に提起することができる。
同号は、当該行為の取消し又は無効確認の訴えを定めており、条例上の個別的利益の有無を問わず住民訴訟を提起できる趣旨である。さらに2項11項で行訴法43条が準用される。
根拠条文:地方自治法242条の2第1項・e-Govを開く同項2号・e-Govを開く行政事件訴訟法43条第2項・e-Govで法令を開く行政事件訴訟法43条第1項・e-Govで法令を開く行政事件訴訟法9条第1項・e-Govで法令を開く地方自治法242条1項・e-Govを開く
行政事件訴訟法43条第2項―現行条文本文
民衆訴訟又は機関訴訟で、処分又は裁決の無効の確認を求めるものについては、第三十六条の規定を除き、無効等確認の訴えに関する規定を準用する。
行政事件訴訟法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:15:02)
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行政事件訴訟法43条第1項―現行条文本文
民衆訴訟又は機関訴訟で、処分又は裁決の取消しを求めるものについては、第九条及び第十条第一項の規定を除き、取消訴訟に関する規定を準用する。
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行政事件訴訟法9条第1項―現行条文本文
処分の取消しの訴え及び裁決の取消しの訴え(以下「取消訴訟」という。)は、当該処分又は裁決の取消しを求めるにつき法律上の利益を有する者(処分又は裁決の効果が期間の経過その他の理由によりなくなつた後においてもなお処分又は裁決の取消しによつて回復すべき法律上の利益を有する者を含む。)に限り、提起することができる。
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ウ /
A市から町内会Dが賃借を受けていた土地の上に宗教法人Bの礼拝の施設が存在する事例において、Xは、法第242条の2第1項第3号の規定に基づき、市長Cが町内会Dに上記の施設が存在する状態の解消を求めること等の当該土地の管理を怠る事実の違法確認を求める住民訴訟を、適法に提起することができる。
「怠る事実」には公金の賦課徴収や財産管理が含まれる。借地上の礼拝施設の存在状態の解消を求めることは土地の管理に関する怠る事実として違法確認の対象になり得る。
エ /
町内会DがA市から賃借を受けていた土地の賃料の支払を滞っていた事例において、Xは、法第242条の2第1項第4号本文の規定に基づき、市長Cが町内会Dに契約による債務の履行としての賃料の支払を請求することを求める住民訴訟を、適法に提起することができる。
第4号本文は、職員又は当該行為若しくは怠る事実に係る相手方に対する損害賠償又は不当利得返還請求を対象とする。賃料支払の請求はこれに当たらないので、適法提起はできない。
全体要旨
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