行政法 第200問
教材: 行政法②
司法試験 H18 第36問
論点: 土地改良事業と訴えの利益
問題
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土地改良事業の施行認可処分の取消訴訟において、当該事業計画に係る工事及び換地処分がすべて完了したため、社会的、経済的損失の観点からみて、社会通念上、原因回復が不可能である場合であっても、訴えの利益を消滅させるものではないとした最高裁判所平成4年1月24日第二小法廷判決(民集46巻1号54頁)に関する次のアからウまでの各記述について、それぞれ正しいものには○,誤っているものには×を付した場合の組合せを、後記1から8までの中から選びなさい。
公式解答
2. ア○ イ○ ウ×
正誤・解説
p1 /
本判決は、社会的、経済的損失の観点からみて、社会通念上、原因回復が不可能であるとの事情は、行政事件訴訟法31条の事情判決の適用に関し考慮されるべき事柄であって、土地改良事業の施行認可処分の取消訴訟の訴えの利益を消滅させるものではないとしている。
判例は、工事・換地処分が完了していても、社会的・経済的損失や原状回復不能は事情判決の場面で考慮されるにとどまり、取消訴訟の訴えの利益を直ちに消滅させないとした。
根拠条文:行政事件訴訟法31条・e-Govで法令を開く
行政事件訴訟法31条―現行条文本文
第三十一条 (特別の事情による請求の棄却)
取消訴訟については、処分又は裁決が違法ではあるが、これを取り消すことにより公の利益に著しい障害を生ずる場合において、原告の受ける損害の程度、その損害の賠償又は防止の程度及び方法その他一切の事情を考慮したうえ、処分又は裁決を取り消すことが公共の福祉に適合しないと認めるときは、裁判所は、請求を棄却することができる。
この場合には、当該判決の主文において、処分又は裁決が違法であることを宣言しなければならない。
裁判所は、相当と認めるときは、終局判決前に、判決をもつて、処分又は裁決が違法であることを宣言することができる。
終局判決に事実及び理由を記載するには、前項の判決を引用することができる。
行政事件訴訟法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:15:02)
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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p2 /
本判決は、土地改良事業の施行認可処分が取り消されれば、同処分後に行われる換地処分等の一連の手続及び処分の法的効力が影響を受けることを、訴えの利益を根拠付ける理由としている。
判例は、施行認可処分が有効に存在することを前提に後続の換地処分等が行われるため、取消されれば後続手続や処分の法的効力に影響が及ぶとして、訴えの利益を肯定した。
根拠条文:行政事件訴訟法31条・e-Govで法令を開く
行政事件訴訟法31条―現行条文本文
第三十一条 (特別の事情による請求の棄却)
取消訴訟については、処分又は裁決が違法ではあるが、これを取り消すことにより公の利益に著しい障害を生ずる場合において、原告の受ける損害の程度、その損害の賠償又は防止の程度及び方法その他一切の事情を考慮したうえ、処分又は裁決を取り消すことが公共の福祉に適合しないと認めるときは、裁判所は、請求を棄却することができる。
この場合には、当該判決の主文において、処分又は裁決が違法であることを宣言しなければならない。
裁判所は、相当と認めるときは、終局判決前に、判決をもつて、処分又は裁決が違法であることを宣言することができる。
終局判決に事実及び理由を記載するには、前項の判決を引用することができる。
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p3 /
本判決は、社会通念上、原因回復が法的に不可能となった場合において、原告が採り得る手段は損害賠償請求のみであり、同請求の前提として、土地改良事業の施行認可処分の取消訴訟を提起しておかなければならないとするものではない。
判例は、損害賠償請求をする場合に、あらかじめ取消訴訟や無効確認訴訟の判決を得る必要があるかという点までは述べていない。訴えの利益を否定する根拠にもしていない。
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行政事件訴訟法31条―現行条文本文
第三十一条 (特別の事情による請求の棄却)
取消訴訟については、処分又は裁決が違法ではあるが、これを取り消すことにより公の利益に著しい障害を生ずる場合において、原告の受ける損害の程度、その損害の賠償又は防止の程度及び方法その他一切の事情を考慮したうえ、処分又は裁決を取り消すことが公共の福祉に適合しないと認めるときは、裁判所は、請求を棄却することができる。
この場合には、当該判決の主文において、処分又は裁決が違法であることを宣言しなければならない。
裁判所は、相当と認めるときは、終局判決前に、判決をもつて、処分又は裁決が違法であることを宣言することができる。
終局判決に事実及び理由を記載するには、前項の判決を引用することができる。
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全体要旨
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