行政法 第190問
教材: 行政法②
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論点: 原告適格
問題
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次のAからDまでの文章は、いずれも最高裁判所の判決の一節(一部形式的な修正を施したもの)である。これについて論じたアからオまでの文章について、それぞれその内容が正しい場合には1を、内容が誤りである場合には2を選びなさい。
公式解答
22121
正誤・解説
A /
不当景品類及び不当表示防止法第10条第6項にいう「第1項……の規定による公正取引委員会の処分について不服があるもの」とは、一般の行政処分についての不服申立ての場合と同様に、当該処分について不服申立てをする法律上の利益がある者、すなわち、当該処分により自己の権利若しくは法律上保護された利益を侵害され又は必然的に侵害されるおそれがある者をいう、と解すべきである。右にいう法律上保護された利益とは、行政法規が私人等権利主体の個人の利益を保護することを目的として行政権の行使に制約を課していることにより保障されている利益であって、それは、行政法規が他の目的、特に公益の実現を目的として行政権の行使に制約を課している結果たまたま一定の者が受けることとなる反射的利益とは区別されるものである。
判決は、景表法上の不服申立ての「法律上の利益」を、一般論のように広く定義していない。一般消費者の利益は、同法の目的とする公益に吸収される反射的利益にとどまるとして、原告適格を否定している。
根拠条文:不当景品類及び不当表示防止法第10条第6項・e-Govを開く
B /
旧地方鉄道法第21条は、地方鉄道における運賃、料金の定め、変更につき監督官庁の認可を受けさせることとしていたが、同条に基づく認可処分そのものは、本来当該地方鉄道の利用者の契約上の地位に直接影響を及ぼすものではなく、このことは、その利用形態のいかんにより差異を生ずるものではない。また、同条の趣旨は、専ら公共の利益を確保することにあるのであって、当該地方鉄道利用者の個別的な権利利益を保護することを目的として認可権の行使に制限を課していると解すべき根拠はない。
判決は、定期券利用者について、運賃変更認可により契約上の地位へ影響が及び得ることを認め、例外的に原告適格を肯定した。したがって「利用形態により差異はない」「原告適格の根拠はない」とする部分が誤り。
根拠条文:旧地方鉄道法第21条・e-Govを開く
C /
取消訴訟の原告適格について規定する行政事件訴訟法第9条にいう当該処分の取消しを求めるにつき「法律上の利益を有する者」とは、当該処分により自己の権利若しくは法律上保護された利益を侵害され又は必然的に侵害されるおそれのある者をいうのであるが、当該処分を定める行政法規が不特定多数者の具体的利益を専ら一般的公益の中に吸収解消させることをめざすのではなく、それが帰属する個人の個別的利益としてもこれを保護すべきものとする趣旨を含むと解される場合には、その者の法的利益は法律上保護された利益に当たる。
行政事件訴訟法9条の原告適格についての一般的理解として正しい。行政法規が個々人の個別的利益をも保護する趣旨を含む場合、その利益は「法律上保護された利益」に当たる。
根拠条文:行政事件訴訟法9条・e-Govで法令を開く行政事件訴訟法9条第1項・e-Govで法令を開く行政事件訴訟法9条第2項・e-Govで法令を開く
行政事件訴訟法9条―現行条文本文
第九条 (原告適格)
処分の取消しの訴え及び裁決の取消しの訴え(以下「取消訴訟」という。)は、当該処分又は裁決の取消しを求めるにつき法律上の利益を有する者(処分又は裁決の効果が期間の経過その他の理由によりなくなつた後においてもなお処分又は裁決の取消しによつて回復すべき法律上の利益を有する者を含む。)に限り、提起することができる。
裁判所は、処分又は裁決の相手方以外の者について前項に規定する法律上の利益の有無を判断するに当たつては、当該処分又は裁決の根拠となる法令の規定の文言のみによることなく、当該法令の趣旨及び目的並びに当該処分において考慮されるべき利益の内容及び性質を考慮するものとする。
この場合において、当該法令の趣旨及び目的を考慮するに当たつては、当該法令と目的を共通にする関係法令があるときはその趣旨及び目的をも参酌するものとし、当該利益の内容及び性質を考慮するに当たつては、当該処分又は裁決がその根拠となる法令に違反してされた場合に害されることとなる利益の内容及び性質並びにこれが害される態様及び程度をも勘案するものとする。
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行政事件訴訟法9条第1項―現行条文本文
処分の取消しの訴え及び裁決の取消しの訴え(以下「取消訴訟」という。)は、当該処分又は裁決の取消しを求めるにつき法律上の利益を有する者(処分又は裁決の効果が期間の経過その他の理由によりなくなつた後においてもなお処分又は裁決の取消しによつて回復すべき法律上の利益を有する者を含む。)に限り、提起することができる。
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行政事件訴訟法9条第2項―現行条文本文
裁判所は、処分又は裁決の相手方以外の者について前項に規定する法律上の利益の有無を判断するに当たつては、当該処分又は裁決の根拠となる法令の規定の文言のみによることなく、当該法令の趣旨及び目的並びに当該処分において考慮されるべき利益の内容及び性質を考慮するものとする。
この場合において、当該法令の趣旨及び目的を考慮するに当たつては、当該法令と目的を共通にする関係法令があるときはその趣旨及び目的をも参酌するものとし、当該利益の内容及び性質を考慮するに当たつては、当該処分又は裁決がその根拠となる法令に違反してされた場合に害されることとなる利益の内容及び性質並びにこれが害される態様及び程度をも勘案するものとする。
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D /
本件史跡指定解除処分の根拠である県文化財保護条例は、文化財保護法に基づくものであるが、同法により指定された文化財以外の県内の重要な文化財について、保存及び活用のため必要な措置を講じ、もって県民の文化的向上に資するとともに、我が国文化の進歩に貢献することを目的としている。同条例において、県教育委員会は、県内の重要な記念物を県指定史跡等に指定することができ、県指定史跡等がその価値を失った場合その他特殊の理由があるときは、その指定を解除することができることとされている。これらの規定並びに同条例及び同法の他の規定中に、県民あるいは国民が史跡等の文化財の保存・活用から受ける利益をそれら個人の個別的利益として保護すべきものとする趣旨を明記しているものはないが、また、各規定の合理的解釈によっても、そのような趣旨を導くことはできないとし、同条例及び同法は、文化財の保存・活用から個々の県民あるいは国民が受ける利益については、本来同条例及び同法がその目的としている公益の中に吸収解消させ、その保護は、専ら右公益の実現を通じて図ることとしているものと解される。
文化財保護に関する利益は、条例・法の目的とする公益の中に吸収されるとした判例理解で正しい。個々人の個別的利益として保護する趣旨までは読めないため、原告適格は否定される。
根拠条文:行政事件訴訟法9条・e-Govで法令を開く行政事件訴訟法9条第1項・e-Govで法令を開く行政事件訴訟法9条第2項・e-Govで法令を開く
行政事件訴訟法9条―現行条文本文
第九条 (原告適格)
処分の取消しの訴え及び裁決の取消しの訴え(以下「取消訴訟」という。)は、当該処分又は裁決の取消しを求めるにつき法律上の利益を有する者(処分又は裁決の効果が期間の経過その他の理由によりなくなつた後においてもなお処分又は裁決の取消しによつて回復すべき法律上の利益を有する者を含む。)に限り、提起することができる。
裁判所は、処分又は裁決の相手方以外の者について前項に規定する法律上の利益の有無を判断するに当たつては、当該処分又は裁決の根拠となる法令の規定の文言のみによることなく、当該法令の趣旨及び目的並びに当該処分において考慮されるべき利益の内容及び性質を考慮するものとする。
この場合において、当該法令の趣旨及び目的を考慮するに当たつては、当該法令と目的を共通にする関係法令があるときはその趣旨及び目的をも参酌するものとし、当該利益の内容及び性質を考慮するに当たつては、当該処分又は裁決がその根拠となる法令に違反してされた場合に害されることとなる利益の内容及び性質並びにこれが害される態様及び程度をも勘案するものとする。
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行政事件訴訟法9条第1項―現行条文本文
処分の取消しの訴え及び裁決の取消しの訴え(以下「取消訴訟」という。)は、当該処分又は裁決の取消しを求めるにつき法律上の利益を有する者(処分又は裁決の効果が期間の経過その他の理由によりなくなつた後においてもなお処分又は裁決の取消しによつて回復すべき法律上の利益を有する者を含む。)に限り、提起することができる。
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行政事件訴訟法9条第2項―現行条文本文
裁判所は、処分又は裁決の相手方以外の者について前項に規定する法律上の利益の有無を判断するに当たつては、当該処分又は裁決の根拠となる法令の規定の文言のみによることなく、当該法令の趣旨及び目的並びに当該処分において考慮されるべき利益の内容及び性質を考慮するものとする。
この場合において、当該法令の趣旨及び目的を考慮するに当たつては、当該法令と目的を共通にする関係法令があるときはその趣旨及び目的をも参酌するものとし、当該利益の内容及び性質を考慮するに当たつては、当該処分又は裁決がその根拠となる法令に違反してされた場合に害されることとなる利益の内容及び性質並びにこれが害される態様及び程度をも勘案するものとする。
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