行政法 第191問
教材: 行政法②
司法試験 H18 第34問
論点: 原告適格(伊達火力発電所訴訟)
問題
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「行政処分の取消訴訟は、その取消判決の効力によって処分の法的効果を遡及的に失わせ、処分の法的効果として個人に生じている権利利益の侵害状態を解消させ、右権利利益の回復を図ることをその目的とするものであり、行政事件訴訟法9条が処分の取消しを求めるについての法律上の利益といっているのも、このような権利利益の回復を指すものである。したがって、処分の法的効果として自己の権利利益を侵害され又は必然的に侵害されるおそれのある者に限って、行政処分の取消訴訟の原告適格を有するものというべきであるが、処分の法律上の影響を受ける権利利益は、処分がその本来的効果として制限を加える権利利益に限られるものではなく、行政法規が個人の権利利益を保護することを目的として行政権の行使に制約を課していることにより保障されている権利利益もこれに当たり、右の制約に違反して処分が行われ行政法規による権利利益の保護を無視されたとする者も、当該処分の取消しを請求することができると解すべきである。
公式解答
正解 / 2221
正誤・解説
a /
この判示は、行政処分の取消訴訟に関し、処分の本来的効果として権利利益を制限される者にのみ原告適格を認め、それ以外の者には原告適格を認めないという立場をとるものである。
判例は、原告適格を処分の本来的効果で直接制限される者に限っていない。行政法規が個人の権利利益保護を目的として行政権行使に制約を課している場合、その保護された利益を侵害された者にも原告適格を認める。
根拠条文:行政事件訴訟法9条・e-Govで法令を開く
行政事件訴訟法9条―現行条文本文
第九条 (原告適格)
処分の取消しの訴え及び裁決の取消しの訴え(以下「取消訴訟」という。)は、当該処分又は裁決の取消しを求めるにつき法律上の利益を有する者(処分又は裁決の効果が期間の経過その他の理由によりなくなつた後においてもなお処分又は裁決の取消しによつて回復すべき法律上の利益を有する者を含む。)に限り、提起することができる。
裁判所は、処分又は裁決の相手方以外の者について前項に規定する法律上の利益の有無を判断するに当たつては、当該処分又は裁決の根拠となる法令の規定の文言のみによることなく、当該法令の趣旨及び目的並びに当該処分において考慮されるべき利益の内容及び性質を考慮するものとする。
この場合において、当該法令の趣旨及び目的を考慮するに当たつては、当該法令と目的を共通にする関係法令があるときはその趣旨及び目的をも参酌するものとし、当該利益の内容及び性質を考慮するに当たつては、当該処分又は裁決がその根拠となる法令に違反してされた場合に害されることとなる利益の内容及び性質並びにこれが害される態様及び程度をも勘案するものとする。
行政事件訴訟法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:15:02)
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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b /
この判示によれば、行政庁がある事業者の一定の行為について許可処分をした場合において、当該行為がされることにより不利益を受ける第三者が存在するとしても、事業者が当該行為を必ず行うとは限らないから、その第三者は、許可処分により自己の権利利益を侵害され又は必然的に侵害されるおそれのある者には当たらず、許可処分の取消訴訟の原告適格は認められない。
判例の結論と無関係な事情を持ち出している。第三者が許可処分により保護された権利利益を侵害される関係にあれば、原告適格が問題となり得る。
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行政事件訴訟法9条―現行条文本文
第九条 (原告適格)
処分の取消しの訴え及び裁決の取消しの訴え(以下「取消訴訟」という。)は、当該処分又は裁決の取消しを求めるにつき法律上の利益を有する者(処分又は裁決の効果が期間の経過その他の理由によりなくなつた後においてもなお処分又は裁決の取消しによつて回復すべき法律上の利益を有する者を含む。)に限り、提起することができる。
裁判所は、処分又は裁決の相手方以外の者について前項に規定する法律上の利益の有無を判断するに当たつては、当該処分又は裁決の根拠となる法令の規定の文言のみによることなく、当該法令の趣旨及び目的並びに当該処分において考慮されるべき利益の内容及び性質を考慮するものとする。
この場合において、当該法令の趣旨及び目的を考慮するに当たつては、当該法令と目的を共通にする関係法令があるときはその趣旨及び目的をも参酌するものとし、当該利益の内容及び性質を考慮するに当たつては、当該処分又は裁決がその根拠となる法令に違反してされた場合に害されることとなる利益の内容及び性質並びにこれが害される態様及び程度をも勘案するものとする。
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c /
この判示は、法律の規定に基づく処分の効果として権利利益を制限される者はもちろん、法律の規定に基づかない処分により、その効果として重大な権利利益を制限される者にも、当該処分の取消訴訟の原告適格を肯定するという立場をとるものである。
判例は、法律の規定に基づかない処分であっても一律に原告適格を認める趣旨ではない。原告適格は、処分の効果によって自己の権利利益が侵害されるか、必然的に侵害されるおそれがあるかで判断される。
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行政事件訴訟法9条―現行条文本文
第九条 (原告適格)
処分の取消しの訴え及び裁決の取消しの訴え(以下「取消訴訟」という。)は、当該処分又は裁決の取消しを求めるにつき法律上の利益を有する者(処分又は裁決の効果が期間の経過その他の理由によりなくなつた後においてもなお処分又は裁決の取消しによつて回復すべき法律上の利益を有する者を含む。)に限り、提起することができる。
裁判所は、処分又は裁決の相手方以外の者について前項に規定する法律上の利益の有無を判断するに当たつては、当該処分又は裁決の根拠となる法令の規定の文言のみによることなく、当該法令の趣旨及び目的並びに当該処分において考慮されるべき利益の内容及び性質を考慮するものとする。
この場合において、当該法令の趣旨及び目的を考慮するに当たつては、当該法令と目的を共通にする関係法令があるときはその趣旨及び目的をも参酌するものとし、当該利益の内容及び性質を考慮するに当たつては、当該処分又は裁決がその根拠となる法令に違反してされた場合に害されることとなる利益の内容及び性質並びにこれが害される態様及び程度をも勘案するものとする。
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d /
この判示からは、行政庁の許可に基づく事業者の行為によって第三者が不利益を受け、それが処分の法的効果としての権利利益の侵害に当たると解される場合に、その第三者は当該事業者に対してその行為の差止めを訴求することができることから許可処分の取消しを求める法律上の利益を有しないとの結論は導かれない。
判例は、処分取消訴訟の原告適格について述べたもので、第三者が事業者に対して差止めを求められるかどうかは別問題としている。そのため、差止め可能性だけで取消訴訟の法律上の利益を否定することはできない。
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行政事件訴訟法9条―現行条文本文
第九条 (原告適格)
処分の取消しの訴え及び裁決の取消しの訴え(以下「取消訴訟」という。)は、当該処分又は裁決の取消しを求めるにつき法律上の利益を有する者(処分又は裁決の効果が期間の経過その他の理由によりなくなつた後においてもなお処分又は裁決の取消しによつて回復すべき法律上の利益を有する者を含む。)に限り、提起することができる。
裁判所は、処分又は裁決の相手方以外の者について前項に規定する法律上の利益の有無を判断するに当たつては、当該処分又は裁決の根拠となる法令の規定の文言のみによることなく、当該法令の趣旨及び目的並びに当該処分において考慮されるべき利益の内容及び性質を考慮するものとする。
この場合において、当該法令の趣旨及び目的を考慮するに当たつては、当該法令と目的を共通にする関係法令があるときはその趣旨及び目的をも参酌するものとし、当該利益の内容及び性質を考慮するに当たつては、当該処分又は裁決がその根拠となる法令に違反してされた場合に害されることとなる利益の内容及び性質並びにこれが害される態様及び程度をも勘案するものとする。
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全体要旨
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