行政法 第186問
教材: 行政法②
予備試験 R02 第18問
論点: 処分性
問題
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教員:まず、行政庁と相手方との基本的な関係が私法上の契約関係である場合に、行政庁が相手方に対してする行為に処分性が認められることがありますか。
学生:例えば、(ア)【弁済供託は、民法上の寄託契約の性質を有するものですが、供託官が弁済者から供託物の取戻しの請求を受けた場合において、これを理由がないと認めて却下する行為は、処分性が認められます。】
教員:行政庁が相手方に対して一定の事項を通知する行為につき、処分性が認められることがありますか。
学生:例えば、(イ)【道路交通法に基づく反則金の納付の通告は、これに従わない場合には刑事手続が開始され、実際上反則金の納付を余儀なくされることから、処分性が認められます。】
教員:行政計画の処分性についてはどのように考えますか。類型に分けて説明してください。
学生:まず、当該計画に基づき将来具体的な事業が施行されることが予定されている、いわゆる非完結型の計画につき、(ウ)【土地区画整理事業の事業計画の決定は、後続の仮換地指定や換地処分の取消訴訟によって権利救済の目的が十分達成でき、事件の成熟性が欠くことから、処分性は認められません。】次に、当該計画に基づき将来具体的な事業が施行されることが予定されていない、いわゆる完結型の計画につき、(エ)【都市計画法に基づく用途地域の指定は、当該地域内の土地所有者等に建築制限等の制約を課し、その法的地位に変動をもたらすものだから、処分性が認められます。】
公式解答
1222
正誤・解説
ア /
弁済供託は、民法上の寄託契約の性質を有するものですが、供託官が弁済者から供託物の取戻しの請求を受けた場合において、これを理由がないと認めて却下する行為は、処分性が認められます。
判例は、供託官による供託物取戻請求の却下を、供託関係における権利義務を直接左右する行政庁の行為として処分性ありとしました。私法的性質を含んでも、行政機関としての判断であれば処分になり得ます。
イ /
道路交通法に基づく反則金の納付の通告は、これに従わない場合には刑事手続が開始され、実際上反則金の納付を余儀なくされることから、処分性が認められます。
判例は、反則金通告制度の通告は、通告を受けた者に法的義務を課すものではなく、これに対する抗告訴訟の対象となる処分性を否定しました。刑事手続開始の可能性や事実上の圧力だけでは足りません。
ウ /
土地区画整理事業の事業計画の決定は、後続の仮換地指定や換地処分の取消訴訟によって権利救済の目的が十分達成でき、事件の成熟性が欠くことから、処分性は認められません。
判例は、事業計画決定で宅地所有者等の法的地位に直接影響が生じ、後続処分で争うだけでは十分な救済にならないとして、処分性を肯定しました。後続手続があることだけで否定はできません。
エ /
都市計画法に基づく用途地域の指定は、当該地域内の土地所有者等に建築制限等の制約を課し、その法的地位に変動をもたらすものだから、処分性が認められます。
判例は、用途地域指定が地域内の土地所有者等に建築制限を課し、その法的地位に直接影響を与えるとして、処分性を肯定しました。将来の具体的処分を待たずに争いうるとされます。
全体要旨
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