行政法 第162問
教材: 行政法②
司法試験 H24 第23問(改)
論点: 不服申立ての審理
問題
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甲「私は、調理師法に基づく調理師の免許(以下「免許」という。)を知事から受けて、レストランのシェフをしていますが、そのレストランで生じた食中毒事故を理由に、知事によって免許を取り消されそうになって、困っています。数日前に、知事からこの件についての書類が来ていますので、見てください。」
乙「これは、行政手続法(以下「法」という。)による聴聞の通知ですね。免許の取消しを阻止するため、聴聞でどのような主張をすべきか検討しましょう。その前提として情報収集が必要ですが、いい方法があります。甲さんの免許の取消しについて、法による聴聞の通知があったわけですから、(ア)甲さんには、法に基づく文書等の閲覧の権利が生じており、知事に対し、本件に関する調査結果などの資料の閲覧を求めることができます。」
甲「そのようなことができるとは知りませんでした。ところで、聴聞に出ていくことができるのは私だけでしょうか。」
乙「(イ)法によれば、不利益処分の名宛人となるべき者やその代理人は、聴聞の期日に出頭して意見を述べたりすることができますが、それ以外の利害関係者が聴聞手続に参加することは認められていません。」
甲「分かりました。それから、少し先の話になりますが、聴聞でいろいろ意見を述べても、結局免許取消処分がされてしまった場合、どうしたらいいでしょうか。」
乙「調理師法は、審査請求前置主義を採っていませんので、免許取消処分に対して直ちに訴訟を起こすことができます。そのほか、行政不服審査法により知事への審査請求をすることも考えられるのですが、(ウ)法は、聴聞を経てされた処分については、事前手続の保障が手厚いことから、審査請求を制限していますので、甲さんが審査請求をすることはできません。」
公式解答
4. ア○ イ× ウ×
正誤・解説
ア /
甲さんには、法に基づく文書等の閲覧の権利が生じており、知事に対し、本件に関する調査結果などの資料の閲覧を求めることができる。
行政手続法18条1項前段は、当事者等に対し、聴聞の通知があった時から聴聞終結時までの間、調査書その他の資料の閲覧請求を認める。免許取消しの聴聞通知後であれば閲覧請求できる。
根拠条文:行政手続法18条第1項・e-Govで法令を開く
行政手続法18条第1項―現行条文本文
当事者及び当該不利益処分がされた場合に自己の利益を害されることとなる参加人(以下この条及び第二十四条第三項において「当事者等」という。)は、聴聞の通知があった時から聴聞が終結する時までの間、行政庁に対し、当該事案についてした調査の結果に係る調書その他の当該不利益処分の原因となる事実を証する資料の閲覧を求めることができる。
この場合において、行政庁は、第三者の利益を害するおそれがあるときその他正当な理由があるときでなければ、その閲覧を拒むことができない。
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イ /
不利益処分の名宛人となるべき者やその代理人は、聴聞の期日に出頭して意見を述べたりすることができるが、それ以外の利害関係者が聴聞手続に参加することは認められていない。
行政手続法20条2項、16条2項、17条1項・2項により、名宛人や代理人だけでなく、一定の利害関係者も参加申出等を通じて聴聞手続に参加できる。したがって、これ以外は参加できないとするのは誤り。
根拠条文:行政手続法20条第2項・e-Govで法令を開く行政手続法16条第2項・e-Govで法令を開く行政手続法17条第1項・e-Govで法令を開く行政手続法17条第2項・e-Govで法令を開く
行政手続法20条第2項―現行条文本文
当事者又は参加人は、聴聞の期日に出頭して、意見を述べ、及び証拠書類等を提出し、並びに主宰者の許可を得て行政庁の職員に対し質問を発することができる。
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行政手続法16条第2項―現行条文本文
代理人は、各自、当事者のために、聴聞に関する一切の行為をすることができる。
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行政手続法17条第1項―現行条文本文
第十九条の規定により聴聞を主宰する者(以下「主宰者」という。)は、必要があると認めるときは、当事者以外の者であって当該不利益処分の根拠となる法令に照らし当該不利益処分につき利害関係を有するものと認められる者(同条第二項第六号において「関係人」という。)に対し、当該聴聞に関する手続に参加することを求め、又は当該聴聞に関する手続に参加することを許可することができる。
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行政手続法17条第2項―現行条文本文
前項の規定により当該聴聞に関する手続に参加する者(以下「参加人」という。)は、代理人を選任することができる。
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ウ /
法は、聴聞を経てされた処分については、事前手続の保障が手厚いことから、審査請求を制限しているので、甲さんが審査請求をすることはできない。
行政不服審査法にも行政手続法にも、聴聞を経た処分について審査請求を制限する規定はない。したがって、聴聞後の処分でも審査請求は可能である。
根拠条文:行政不服審査法・e-Govを開く
全体要旨
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