行政法 第87問
教材: 行政法①
司法試験 H22 第27問
論点: 行政代執行法
問題
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A市は、道路法所定の道路管理者として、国の所有する土地を借り受け、これを市道(以下「本件道路」という。)として管理している。Bは、その自宅前の本件道路上に屋台用の軽トラックを置き、周囲に杭を打つなどして交通妨害行為を繰り返している。この場合において、次のアからエまでの各記述について、それぞれ正しい場合には1を、誤っている場合には2を選びなさい。
(参照条文) 道路法
第71条 道路管理者は、次の各号のいずれかに該当する者に対して、この法律又はこの法律に基づく命令の規定によって与えた許可若しくは承認を取り消し、その効力を停止し、若しくはその条件を変更し、又は行為若しくは工事の中止、道路(中略)に存する工作物その他の物件の改築、移転、除却若しくは当該工作物その他の物件により生ずべき損害を予防するために必要な施設をすること若しくは道路を原状に回復することを命ずることができる。
一 この法律若しくはこの法律に基づく命令の規定又はこれらの規定に基づく処分に違反している者
二、三(略)
2~7(略)
公式解答
正解 / 2122
正誤・解説
ア /
国は、Bに対して、所有権に基づく物権的請求権を有するから、かかるBの妨害を除去する義務を対象として、行政代執行法に基づき、代執行をすることができる。
行政代執行法2条の対象は、法令に基づく命令等により直接命ぜられた作為・不作為義務などです。国の所有権に基づく妨害排除は民事上の請求の問題であり、代執行の対象にはなりません。
根拠条文:行政代執行法2条・e-Govを開く
イ /
A市が、道路法第71条に基づき、監督処分として本件道路上の軽トラック、杭の撤去及び道路の原状回復を命じた場合、その命令に係る義務は、行政代執行法に基づく代執行の対象となる。
道路法71条に基づく監督処分で命じられる原状回復等は、他人が代わって履行できる作為義務です。したがって、行政代執行法2条の要件に当たり、代執行の対象となります。
ウ /
Bの妨害行為について罰則の適用があるとすれば、これにより、行政代執行法第2条の「他の手段によってその履行を確保することが困難である」という要件を欠くことになる。
罰則は、義務履行を間接的に促す手段にとどまり、代執行を不要にする「他の手段」には通常含まれません。よって、罰則があることだけで行政代執行法2条の要件を欠くことにはなりません。
根拠条文:行政代執行法2条・e-Govを開く
エ /
Bの妨害行為に対し、行政代執行法に基づく代執行ができるとした場合、代執行に要した費用を回収するには、民事裁判手続による必要がある。
行政代執行法6条1項は、代執行に要した費用を国税滞納処分の例により徴収できると定めています。したがって、民事裁判手続による必要はありません。
根拠条文:行政代執行法6条1項・e-Govを開く
全体要旨
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