行政法 第38問
教材: 行政法①
司法試験 H21 第23問
論点: 行政裁量
問題
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A市では、職員の非違行為の類型とそれに対して課されるべき懲戒処分の種別及び程度を規定した内部基準(地方公務員法29条1項第1号にいう条例、規則又は規程のいずれにも該当しないもの。以下「本件基準」という。)を定めているが、A市市長は、職員Xに対し、本件基準よりも厳しい懲戒処分(以下「本件処分」という。)を行った。そこで、Xは、本件処分の取消訴訟を提起した。この事例に関する次のアからエまでの各記述について、それぞれ正しい場合には1を、誤っている場合には2を選びなさい。
(参照条文)地方公務員法
第29条 職員が次の各号の一に該当する場合においては、これに対し懲戒処分として戒告、減給、停職又は免職の処分をすることができる。
一 この法律若しくは第57条に規定する特例を定めた法律又はこれに基く条例、地方公共団体の規則若しくは地方公共団体の機関の定める規程に違反した場合
二 職務上の義務に違反し、又は職務を怠った場合
三 全体の奉仕者たるにふさわしくない非行のあった場合
2~4 (略)
公式解答
1122
正誤・解説
ア /
最高裁判所の判例によれば、公務員に対する懲戒処分は、当該処分が社会観念上著しく妥当を欠き、裁量権の範囲を超え、又は濫用したと認められる場合に違法となる。
懲戒処分の裁量判断については、社会観念上著しく妥当を欠くなど、裁量権の逸脱・濫用がある場合に違法となる、という枠組みを前提にしている。
根拠条文:行政手続法12条第1項・e-Govで法令を開く
行政手続法12条第1項―現行条文本文
行政庁は、処分基準を定め、かつ、これを公にしておくよう努めなければならない。
行政手続法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:15:09)
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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イ /
行政規則の中には、いかなる場合にいかなる処分を行うかを行政法規が行政庁の判断にゆだねている場合において当該裁量権の行使の仕方を定めるもの(裁量基準)が存在するとされるが、本件基準はこれに該当する。
本件基準は、非違行為の類型ごとに科すべき懲戒処分の種別・程度を定めるもので、裁量権の行使の仕方を定める裁量基準に当たる。
根拠条文:行政手続法12条第1項・e-Govで法令を開く
行政手続法12条第1項―現行条文本文
行政庁は、処分基準を定め、かつ、これを公にしておくよう努めなければならない。
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ウ /
最高裁判所の判例によれば、行政機関が裁量基準を定めたにもかかわらず、その基準に違背する処分をした場合、当該処分は、裁量権の範囲を超え、又は濫用したものとして、原則として違法となるものと解されている。
裁量基準に反するだけで直ちに違法となるのではなく、原則として違法といえるのは、処分がその基準を逸脱・濫用したと評価できる場合である。
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行政手続法12条第1項―現行条文本文
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エ /
裁判所は行政規則には拘束されないとの見解を採ると、本件処分が本件基準よりも厳しいものであるという事情は、本件処分の違法性に関する受訴裁判所の判断に影響することはない。
裁判所は行政規則に法的に拘束されないとしても、裁量基準の定めやそれと異なる取扱いは、裁量権の逸脱・濫用の判断事情として考慮され得る。
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全体要旨
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