行政法 第32問
教材: 行政法①
予備試験 R06 第14問
論点: 行政処分
問題
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ア 母がした子の住民票作成の申出に対し、市町村長が住民票を作成しない旨の応答をすることは、母又は子の権利義務ないし法律上の地位に直接影響を及ぼすものであるから、行政事件訴訟法第3条第2項にいう「行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為」に当たる。
イ 国土交通大臣が一級建築士免許取消処分をする場合、建築士に対する懲戒に係る処分基準が公表されているのであれば、当該処分の通知書において、同処分基準の適用関係を全く示さなかったとしても、行政手続法上の理由の提示として不足することはない。
ウ 母体保護法に基づき人工妊娠中絶手術を行うことができる医師に指定する処分を受けた開業医が、当該処分後に虚偽の出生証明書を作成して罰金刑を受けたとしても、処分の撤回について法令に直接明文の規定がない限り、当該処分が撤回されることはない。
公式解答
8. ア× イ× ウ×
正誤・解説
ア /
母がした子の住民票作成の申出に対し、市町村長が住民票を作成しない旨の応答をすることは、母又は子の権利義務ないし法律上の地位に直接影響を及ぼすものであるから、行政事件訴訟法第3条第2項にいう「行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為」に当たる。
最判21.4.17は、住民票記載の申出に対する「しない旨の応答」は、申出に対する応答義務が法令上予定されていないことなどから、抗告訴訟の対象となる処分に当たらないとした。
根拠条文:行政事件訴訟法3条第2項・e-Govで法令を開く行政事件訴訟法14条第2項・e-Govで法令を開く
行政事件訴訟法3条第2項―現行条文本文
この法律において「処分の取消しの訴え」とは、行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為(次項に規定する裁決、決定その他の行為を除く。以下単に「処分」という。)の取消しを求める訴訟をいう。
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行政事件訴訟法14条第2項―現行条文本文
取消訴訟は、処分又は裁決の日から一年を経過したときは、提起することができない。
ただし、正当な理由があるときは、この限りでない。
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イ /
国土交通大臣が一級建築士免許取消処分をする場合、建築士に対する懲戒に係る処分基準が公表されているのであれば、当該処分の通知書において、同処分基準の適用関係を全く示さなかったとしても、行政手続法上の理由の提示として不足することはない。
最判23.6.7は、処分基準が公表されていても、その適用関係を全く示さないままでは、処分理由の提示として不十分とした。重大な不利益処分では、具体的な理由の提示が必要とされる。
根拠条文:行政手続法14条第1項・e-Govで法令を開く行政手続法10条の2・e-Govで法令を開く
行政手続法14条第1項―現行条文本文
行政庁は、不利益処分をする場合には、その名あて人に対し、同時に、当該不利益処分の理由を示さなければならない。
ただし、当該理由を示さないで処分をすべき差し迫った必要がある場合は、この限りでない。
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ウ /
母体保護法に基づき人工妊娠中絶手術を行うことができる医師に指定する処分を受けた開業医が、当該処分後に虚偽の出生証明書を作成して罰金刑を受けたとしても、処分の撤回について法令に直接明文の規定がない限り、当該処分が撤回されることはない。
最判昭63.6.17は、法令上の撤回規定がなくても、指定の権限を与えられた行政庁は、その権限の範囲内で指定を撤回できるとした。
全体要旨
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