民法 第748問
教材: 民法⑤
司法試験 H29 第35問 / 予備試験 H29 第14問(改)
論点: 遺留分
問題
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公式解答
3
正誤・解説
p1 /
被相続人Aの子Bが相続放棄をした場合、Bの子Cが遺留分権利者となる。
被相続人の子が相続開始前に死亡した場合や相続欠格・廃除の場合は代襲がありますが、相続放棄はこれに含まれません。したがって、Bの子Cが当然に遺留分権利者となるわけではありません。
根拠条文:民法887条第2項・e-Govで法令を開く民法891条・e-Govで法令を開く
民法887条第2項―現行条文本文
被相続人の子が、相続の開始以前に死亡したとき、又は第八百九十一条の規定に該当し、若しくは廃除によって、その相続権を失ったときは、その者の子がこれを代襲して相続人となる。
ただし、被相続人の直系卑属でない者は、この限りでない。
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民法891条―現行条文本文
第八百九十一条 (相続人の欠格事由)
次に掲げる者は、相続人となることができない。
一 故意に被相続人又は相続について先順位若しくは同順位にある者を死亡するに至らせ、又は至らせようとしたために、刑に処せられた者
二 被相続人の殺害されたことを知って、これを告発せず、又は告訴しなかった者。
ただし、その者に是非の弁別がないとき、又は殺害者が自己の配偶者若しくは直系血族であったときは、この限りでない。
三 詐欺又は強迫によって、被相続人が相続に関する遺言をし、撤回し、取り消し、又は変更することを妨げた者
四 詐欺又は強迫によって、被相続人に相続に関する遺言をさせ、撤回させ、取り消させ、又は変更させた者
五 相続に関する被相続人の遺言書を偽造し、変造し、破棄し、又は隠匿した者
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p2 /
自己を被保険者とする生命保険契約の契約者が、死亡の半年前に死亡保険金の受取人を相続人の一人に変更した場合、その変更行為を遺贈又は贈与に準じるものとして、遺留分を算定する財産の価額に加えることができる。
判例は、受取人変更は民法1031条所定の遺贈・贈与に当たらず、これに準じるともいえないとして、遺留分算定の基礎財産に加えないとしています。
根拠条文:民法1013条・e-Govで法令を開く民法1031条・e-Govで法令を開く民法1044条・e-Govで法令を開く
民法1013条―現行条文本文
第千十三条 (遺言の執行の妨害行為の禁止)
遺言執行者がある場合には、相続人は、相続財産の処分その他遺言の執行を妨げるべき行為をすることができない。
前項の規定に違反してした行為は、無効とする。
ただし、これをもって善意の第三者に対抗することができない。
前二項の規定は、相続人の債権者(相続債権者を含む。)が相続財産についてその権利を行使することを妨げない。
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民法1031条―現行条文本文
第千三十一条 (配偶者居住権の登記等)
居住建物の所有者は、配偶者(配偶者居住権を取得した配偶者に限る。以下この節において同じ。)に対し、配偶者居住権の設定の登記を備えさせる義務を負う。
第六百五条の規定は配偶者居住権について、第六百五条の四の規定は配偶者居住権の設定の登記を備えた場合について準用する。
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民法1044条―現行条文本文
第千四十四条
贈与は、相続開始前の一年間にしたものに限り、前条の規定によりその価額を算入する。
当事者双方が遺留分権利者に損害を加えることを知って贈与をしたときは、一年前の日より前にしたものについても、同様とする。
第九百四条の規定は、前項に規定する贈与の価額について準用する。
相続人に対する贈与についての第一項の規定の適用については、同項中「一年」とあるのは「十年」と、「価額」とあるのは「価額(婚姻若しくは養子縁組のため又は生計の資本として受けた贈与の価額に限る。)」とする。
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p3 /
特別受益に当たる贈与について、贈与者である被相続人がその財産の価額を相続財産に算入することを要しない旨の意思表示(持戻し免除の意思表示)をした場合であっても、その贈与の価額は遺留分を算定するための財産の価額に算入される。
持戻し免除の意思表示があっても、遺留分算定ではその贈与価額を基礎財産に算入すると判例は示しています。特別受益の持戻しと遺留分算定は別問題です。
根拠条文:民法903条第1項・e-Govで法令を開く民法1044条・e-Govで法令を開く
民法903条第1項―現行条文本文
共同相続人中に、被相続人から、遺贈を受け、又は婚姻若しくは養子縁組のため若しくは生計の資本として贈与を受けた者があるときは、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額にその贈与の価額を加えたものを相続財産とみなし、第九百条から第九百二条までの規定により算定した相続分の中からその遺贈又は贈与の価額を控除した残額をもってその者の相続分とする。
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民法1044条―現行条文本文
第千四十四条
贈与は、相続開始前の一年間にしたものに限り、前条の規定によりその価額を算入する。
当事者双方が遺留分権利者に損害を加えることを知って贈与をしたときは、一年前の日より前にしたものについても、同様とする。
第九百四条の規定は、前項に規定する贈与の価額について準用する。
相続人に対する贈与についての第一項の規定の適用については、同項中「一年」とあるのは「十年」と、「価額」とあるのは「価額(婚姻若しくは養子縁組のため又は生計の資本として受けた贈与の価額に限る。)」とする。
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p4 /
遺留分侵害額請求権は、遺留分権利者が、相続の開始を知った時から1年間行使しないときは、時効によって消滅する。
遺留分侵害額請求権は、相続開始と遺留分を侵害する贈与・遺贈があったことを知った時から1年で消滅します。設問は起算点の表現が不正確です。
根拠条文:民法1028条・e-Govで法令を開く民法1042条・e-Govで法令を開く民法1048条・e-Govで法令を開く
民法1028条―現行条文本文
第千二十八条 (配偶者居住権)
被相続人の配偶者(以下この章において単に「配偶者」という。)は、被相続人の財産に属した建物に相続開始の時に居住していた場合において、次の各号のいずれかに該当するときは、その居住していた建物(以下この節において「居住建物」という。)の全部について無償で使用及び収益をする権利(以下この章において「配偶者居住権」という。)を取得する。
ただし、被相続人が相続開始の時に居住建物を配偶者以外の者と共有していた場合にあっては、この限りでない。
一 遺産の分割によって配偶者居住権を取得するものとされたとき。
二 配偶者居住権が遺贈の目的とされたとき。
居住建物が配偶者の財産に属することとなった場合であっても、他の者がその共有持分を有するときは、配偶者居住権は、消滅しない。
第九百三条第四項の規定は、配偶者居住権の遺贈について準用する。
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民法1042条―現行条文本文
第千四十二条 (遺留分の帰属及びその割合)
兄弟姉妹以外の相続人は、遺留分として、次条第一項に規定する遺留分を算定するための財産の価額に、次の各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める割合を乗じた額を受ける。
一 直系尊属のみが相続人である場合
三分の一
二 前号に掲げる場合以外の場合
二分の一
相続人が数人ある場合には、前項各号に定める割合は、これらに第九百条及び第九百一条の規定により算定したその各自の相続分を乗じた割合とする。
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民法1048条―現行条文本文
第千四十八条 (遺留分侵害額請求権の期間の制限)
遺留分侵害額の請求権は、遺留分権利者が、相続の開始及び遺留分を侵害する贈与又は遺贈があったことを知った時から一年間行使しないときは、時効によって消滅する。
相続開始の時から十年を経過したときも、同様とする。
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p5 /
相続の開始前に遺留分を放棄することはできない。
相続開始前でも遺留分放棄は可能ですが、家庭裁判所の許可が必要です。したがって、全面的にできないというのは誤りです。
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民法1049条第1項―現行条文本文
相続の開始前における遺留分の放棄は、家庭裁判所の許可を受けたときに限り、その効力を生ずる。
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