民法 第728問
教材: 民法⑤
司法試験 H21 第36問
論点: 958条の2と255条の関係
問題
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共有者の一人が死亡し、相続人の不存在が確定し、清算手続が終了した場合、その共有持分は他の共有者に帰属するとする見解(甲説)と、特別縁故者に対する財産分与の対象となり、この分与がされない場合に初めて他の共有者に帰属するとする見解(乙説)がある。
公式解答
5
正誤・解説
p1 /
相続財産が共有持分である場合とそうでない場合とで、区別して扱う合理的な理由はない。
解説は、相続財産が共有持分か否かで扱いを区別する合理性を肯定している。したがって、この記述は乙説寄りでなく、甲説の説明・根拠にも親しみにくい。
p2 /
相続財産が共有持分である場合であっても、それを相続債権者の弁済のために換価して弁済した場合と、そのような事情がなく換価しなかった場合とで、区別して扱う合理的な理由はない。
解説は、相続債権者等への弁済のため換価した場合と換価しなかった場合とで、特別縁故者との関係で結論が異なりうることを前提にしている。よって、この記述は甲説の説明に親しむ。
根拠条文:民法952条第2項・e-Govで法令を開く民法958条の2第1項・e-Govで法令を開く民法959条第1項・e-Govで法令を開く民法255条・e-Govで法令を開く
民法952条第2項―現行条文本文
前項の規定により相続財産の清算人を選任したときは、家庭裁判所は、遅滞なく、その旨及び相続人があるならば一定の期間内にその権利を主張すべき旨を公告しなければならない。
この場合において、その期間は、六箇月を下ることができない。
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民法958条の2第1項―現行条文本文
前条の場合において、相当と認めるときは、家庭裁判所は、被相続人と生計を同じくしていた者、被相続人の療養看護に努めた者その他被相続人と特別の縁故があった者の請求によって、これらの者に、清算後残存すべき相続財産の全部又は一部を与えることができる。
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民法959条第1項―現行条文本文
前条の規定により処分されなかった相続財産は、国庫に帰属する。
この場合においては、第九百五十六条第二項の規定を準用する。
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民法255条―現行条文本文
第二百五十五条 (持分の放棄及び共有者の死亡)
共有者の一人が、その持分を放棄したとき、又は死亡して相続人がないときは、その持分は、他の共有者に帰属する。
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p3 /
個別の事案に応じて、他の共有者と特別縁故者とのいずれを保護すべきかについての家庭裁判所の判断を通じて、具体的妥当性を図ることができるようにすべきである。
解説は、家庭裁判所の相当性判断により特別縁故者か他の共有者かのいずれに共有持分を与えるかを考慮し、具体的妥当性を図るべきとしている。したがって乙説の説明に親しむ。
p4 /
特別縁故者に対する財産分与の制度は、遺贈又は死因贈与の制度の補完である。
解説は、特別縁故者への財産分与制度を遺贈や死因贈与の補完として位置づける趣旨ではなく、むしろ相続人不存在の場合の制度として論じている。
根拠条文:民法37条・e-Govで法令を開く民法958条の3・e-Govで法令を開く民法958条の2・e-Govで法令を開く
民法37条―現行条文本文
第三十七条 (外国法人の登記)
外国法人(第三十五条第一項ただし書に規定する外国法人に限る。以下この条において同じ。)が日本に事務所を設けたときは、三週間以内に、その事務所の所在地において、次に掲げる事項を登記しなければならない。
一 外国法人の設立の準拠法
二 目的
三 名称
四 事務所の所在場所
五 存続期間を定めたときは、その定め
六 代表者の氏名及び住所
前項各号に掲げる事項に変更を生じたときは、三週間以内に、変更の登記をしなければならない。
この場合において、登記前にあっては、その変更をもって第三者に対抗することができない。
代表者の職務の執行を停止し、若しくはその職務を代行する者を選任する仮処分命令又はその仮処分命令を変更し、若しくは取り消す決定がされたときは、その登記をしなければならない。
この場合においては、前項後段の規定を準用する。
前二項の規定により登記すべき事項が外国において生じたときは、登記の期間は、その通知が到達した日から起算する。
外国法人が初めて日本に事務所を設けたときは、その事務所の所在地において登記するまでは、第三者は、その法人の成立を否認することができる。
外国法人が事務所を移転したときは、旧所在地においては三週間以内に移転の登記をし、新所在地においては四週間以内に第一項各号に掲げる事項を登記しなければならない。
同一の登記所の管轄区域内において事務所を移転したときは、その移転を登記すれば足りる。
外国法人の代表者が、この条に規定する登記を怠ったときは、五十万円以下の過料に処する。
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民法958条の2―現行条文本文
第九百五十八条の二 (特別縁故者に対する相続財産の分与)
前条の場合において、相当と認めるときは、家庭裁判所は、被相続人と生計を同じくしていた者、被相続人の療養看護に努めた者その他被相続人と特別の縁故があった者の請求によって、これらの者に、清算後残存すべき相続財産の全部又は一部を与えることができる。
前項の請求は、第九百五十二条第二項の期間の満了後三箇月以内にしなければならない。
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p5 /
共有関係は、完全な財産権が他の共有持分によって制約されているにすぎず、共有者間には、当該共有財産に関し相互連帯的な特別関係があるといえる。
解説は、共有関係について、単なる持分の制約にとどまらず、共有者間に相互連帯的な特別関係があるとしている。これは乙説の根拠として示されている。
根拠条文:民法255条・e-Govで法令を開く
民法255条―現行条文本文
第二百五十五条 (持分の放棄及び共有者の死亡)
共有者の一人が、その持分を放棄したとき、又は死亡して相続人がないときは、その持分は、他の共有者に帰属する。
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全体要旨
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