民法 第727問
教材: 民法⑤
司法試験 H25 第35問(改)
論点: 相続の承認・放棄
問題
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公式解答
4. ウ・エ
正誤・解説
p1 /
相続の放棄をした者は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内であっても、これを撤回することはできない。
相続放棄は、熟慮期間内であっても撤回できない。民法915条1項と919条1項により、放棄の撤回禁止が示されている。
根拠条文:民法915条第1項・e-Govで法令を開く民法919条第1項・e-Govで法令を開く
民法915条第1項―現行条文本文
相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。
ただし、この期間は、利害関係人又は検察官の請求によって、家庭裁判所において伸長することができる。
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民法919条第1項―現行条文本文
相続の承認及び放棄は、第九百十五条第一項の期間内でも、撤回することができない。
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p2 /
唯一の相続人が単純承認をした場合、相続人が被相続人に対して有していた貸金債権は、その債権が第三者の権利の目的である場合を除き、混同により消滅する。
相続人が単純承認すると、被相続人に対する債権債務は原則として混同で消滅する。ただし第三者の権利の目的であるときは例外となる。
根拠条文:民法920条・e-Govで法令を開く民法520条・e-Govで法令を開く
民法920条―現行条文本文
第九百二十条 (単純承認の効力)
相続人は、単純承認をしたときは、無限に被相続人の権利義務を承継する。
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民法520条―現行条文本文
第五百二十条
債権及び債務が同一人に帰属したときは、その債権は、消滅する。
ただし、その債権が第三者の権利の目的であるときは、この限りでない。
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p3 /
相続人が、自己のために相続が開始した事実を知りながら、限定承認又は相続放棄をする前に相続財産の全部又は一部を処分した場合、当該処分が保存行為に該当するときであっても、単純承認をしたものとみなされる。
法定単純承認となるのは原則として処分行為だが、保存行為や一定の短期賃貸借などは例外として除かれる。保存行為まで一律に単純承認となるわけではない。
根拠条文:民法921条第1号・e-Govで法令を開く民法602条・e-Govで法令を開く
民法921条第1号―現行条文本文
第九百二十一条 (法定単純承認)
次に掲げる場合には、相続人は、単純承認をしたものとみなす。
一 相続人が相続財産の全部又は一部を処分したとき。
ただし、保存行為及び第六百二条に定める期間を超えない賃貸をすることは、この限りでない。
二 相続人が第九百十五条第一項の期間内に限定承認又は相続の放棄をしなかったとき。
三 相続人が、限定承認又は相続の放棄をした後であっても、相続財産の全部若しくは一部を隠匿し、私にこれを消費し、又は悪意でこれを相続財産の目録中に記載しなかったとき。
ただし、その相続人が相続の放棄をしたことによって相続人となった者が相続の承認をした後は、この限りでない。
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民法602条―現行条文本文
第六百二条 (短期賃貸借)
処分の権限を有しない者が賃貸借をする場合には、次の各号に掲げる賃貸借は、それぞれ当該各号に定める期間を超えることができない。
契約でこれより長い期間を定めたときであっても、その期間は、当該各号に定める期間とする。
一 樹木の栽植又は伐採を目的とする山林の賃貸借
十年
二 前号に掲げる賃貸借以外の土地の賃貸借
五年
三 建物の賃貸借
三年
四 動産の賃貸借
六箇月
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p4 /
相続の放棄をした者は、その放棄の時に相続財産に属する財産を現に占有しているときは、相続人に対して当該財産を引き渡すまでの間、善良な管理者の注意をもって、その財産を保存しなければならない。
相続放棄者が占有財産を保存する義務を負う相手は、相続人ではなく相続財産の清算人等である。条文の相手方の記載が異なる。
根拠条文:民法940条第1項・e-Govで法令を開く民法952条第1項・e-Govで法令を開く
民法940条第1項―現行条文本文
相続の放棄をした者は、その放棄の時に相続財産に属する財産を現に占有しているときは、相続人又は第九百五十二条第一項の相続財産の清算人に対して当該財産を引き渡すまでの間、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産を保存しなければならない。
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民法952条第1項―現行条文本文
前条の場合には、家庭裁判所は、利害関係人又は検察官の請求によって、相続財産の清算人を選任しなければならない。
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p5 /
限定承認者は、限定承認に関する民法の規定に従って各相続債権者に弁済をした後でなければ、受遺者に弁済をすることができない。
限定承認では、相続債権者への弁済を優先したうえで、受遺者への弁済を行う。民法931条がその順序を定める。
根拠条文:民法931条・e-Govで法令を開く
民法931条―現行条文本文
第九百三十一条 (受遺者に対する弁済)
限定承認者は、前二条の規定に従って各相続債権者に弁済をした後でなければ、受遺者に弁済をすることができない。
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全体要旨
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