民法 第720問
教材: 民法⑤
司法試験 H24 第35問 / 予備試験 H24 第15問(改)
論点: 遺産分割
問題
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甲建物を所有していたAが死亡し、Aには子B、C及びDがいるが、遺産分割は未了である場合
公式解答
1
正誤・解説
1 /
BがC及びDに無断で甲建物についてBへの所有権移転登記をした上でこれを第三者Eに売り、Eへの所有権移転登記をした場合、C及びDは、Eに対し、それぞれの持分権を対抗することができない。
相続財産中の不動産につき、共同相続人の一人が自己持分の登記を欠く場合でも、第三者への単独移転登記に対しては自己の持分を対抗できるとする判例がある。したがって、本肢は誤り。
根拠条文:民法177条・e-Govで法令を開く
民法177条―現行条文本文
第百七十七条 (不動産に関する物権の変動の対抗要件)
不動産に関する物権の得喪及び変更は、不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)その他の登記に関する法律の定めるところに従いその登記をしなければ、第三者に対抗することができない。
民法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:46)
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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2 /
BがAの死亡後新たに甲建物で居住を開始し、C及びDに甲建物を使用させない場合、C及びDは、甲建物に現実に居住する意思がないときでも、Bに対し、持分の割合に応じた使用の対価の償還を請求することができる。
共有物を使用する共有者は、別段の合意がない限り、他の共有者に対し自己の持分を超える使用の対価を償還する義務を負う。現実に居住する意思の有無で左右されない。
根拠条文:民法249条第2項・e-Govで法令を開く
民法249条第2項―現行条文本文
共有物を使用する共有者は、別段の合意がある場合を除き、他の共有者に対し、自己の持分を超える使用の対価を償還する義務を負う。
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3 /
遺産分割がされる前であっても、甲建物について、B、C及びDの法定相続分に応じた持分の割合により、相続を原因とする所有権移転登記をすることができる。
相続財産は共同相続人に共有に属し、各共同相続人は法定相続分に応じた持分を有する。したがって、その持分に基づく相続登記は可能とされる。
根拠条文:民法898条・e-Govで法令を開く民法252条第5項・e-Govで法令を開く
民法898条―現行条文本文
第八百九十八条 (共同相続の効力)
相続人が数人あるときは、相続財産は、その共有に属する。
相続財産について共有に関する規定を適用するときは、第九百条から第九百二条までの規定により算定した相続分をもって各相続人の共有持分とする。
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民法252条第5項―現行条文本文
各共有者は、前各項の規定にかかわらず、保存行為をすることができる。
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4 /
第三者EがBから甲建物の共有持分権を譲り受けた場合、EがC及びDとの共有関係の解消のためにとるべき裁判手続は、共有物分割訴訟である。
第三者が共有持分を取得して共有関係の解消を求める場合、遺産分割審判ではなく共有物分割訴訟によるのが判例の立場。問題文の整理ではこれに従う。
根拠条文:民法258条第1項・e-Govで法令を開く民法907条第2項・e-Govで法令を開く
民法258条第1項―現行条文本文
共有物の分割について共有者間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、その分割を裁判所に請求することができる。
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民法907条第2項―現行条文本文
遺産の分割について、共同相続人間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、各共同相続人は、その全部又は一部の分割を家庭裁判所に請求することができる。
ただし、遺産の一部を分割することにより他の共同相続人の利益を害するおそれがある場合におけるその一部の分割については、この限りでない。
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5 /
Bが遺産分割協議書を偽造して甲建物についてBへの所有権移転登記をした場合は、C及びDがその事実を知った時から5年以上経過後に当該登記の是正を請求するときでも、Bは、相続回復請求権の5年の短期消滅時効が完成したことを主張することができない。
相続回復請求権の期間制限は、共同相続人が他の共同相続人の持分を知りつつ自己固有の持分を超えて取得したような事案とは異なる場合には及ばないとする判例がある。本肢もその趣旨に沿う。
根拠条文:民法884条・e-Govで法令を開く
民法884条―現行条文本文
第八百八十四条 (相続回復請求権)
相続回復の請求権は、相続人又はその法定代理人が相続権を侵害された事実を知った時から五年間行使しないときは、時効によって消滅する。
相続開始の時から二十年を経過したときも、同様とする。
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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全体要旨
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