民法 第595問
教材: 民法④
司法試験 H26 第27問
論点: 事務管理
問題
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Aが首輪の付いている飼い主不明の犬を発見し、その不明の飼い主のために犬の世話をした場合に関する次のアからオまでの各記述
公式解答
2. ア オ
正誤・解説
p1 /
Aが自分の家に犬を連れて帰り、世話をしている場合、犬の飼い主に対して報酬を請求することはできない。
701条により事務管理には645条から647条までが準用されるが、648条(受任者の報酬)は準用されない。したがって、管理者は本人に報酬請求できない。
根拠条文:民法701条・e-Govで法令を開く民法648条・e-Govで法令を開く
民法701条―現行条文本文
第七百一条 (委任の規定の準用)
第六百四十五条から第六百四十七条までの規定は、事務管理について準用する。
民法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:46)
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民法648条―現行条文本文
第六百四十八条 (受任者の報酬)
受任者は、特約がなければ、委任者に対して報酬を請求することができない。
受任者は、報酬を受けるべき場合には、委任事務を履行した後でなければ、これを請求することができない。
ただし、期間によって報酬を定めたときは、第六百二十四条第二項の規定を準用する。
受任者は、次に掲げる場合には、既にした履行の割合に応じて報酬を請求することができる。
一 委任者の責めに帰することができない事由によって委任事務の履行をすることができなくなったとき。
二 委任が履行の中途で終了したとき。
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p2 /
Aが自分の家に犬を連れて帰り、世話をしている場合、犬の世話について要求される注意義務の程度は自己の財産に対するのと同一の注意で足りる。
698条の反対解釈では、通常の事務管理の管理者は善良な管理者の注意義務を負う。自己の財産と同一の注意で足りるのは無報酬の受寄者の場合であり、本件とは異なる。
根拠条文:民法698条・e-Govで法令を開く民法659条・e-Govで法令を開く
民法698条―現行条文本文
第六百九十八条 (緊急事務管理)
管理者は、本人の身体、名誉又は財産に対する急迫の危害を免れさせるために事務管理をしたときは、悪意又は重大な過失があるのでなければ、これによって生じた損害を賠償する責任を負わない。
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民法659条―現行条文本文
第六百五十九条 (無報酬の受寄者の注意義務)
無報酬の受寄者は、自己の財産に対するのと同一の注意をもって、寄託物を保管する義務を負う。
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p3 /
Aが自分の家に犬を連れて帰り、世話をしていたところ、犬が下駄箱の上に置かれていた花瓶を倒し、壊してしまった。この場合、Aに過失がなかったとすると、Aは犬の飼い主に対して損害賠償を請求することができる。
701条は650条3項を準用しないので、委任事務処理費用の償還のような条文はそのまま使えない。本文の記述は、誤って損害賠償請求ができるとしており不適切である。
根拠条文:民法701条・e-Govで法令を開く民法650条第3項・e-Govで法令を開く
民法701条―現行条文本文
第七百一条 (委任の規定の準用)
第六百四十五条から第六百四十七条までの規定は、事務管理について準用する。
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民法650条第3項―現行条文本文
受任者は、委任事務を処理するため自己に過失なく損害を受けたときは、委任者に対し、その賠償を請求することができる。
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p4 /
Aが自分の家に犬を連れて帰り、世話をしていたところ、犬が家の塀を乗り越え、通行人Bに怪我をさせた。この場合のAは、所有の意思を持たないため、動物の占有者としての責任を負わず、BがAに対して損害賠償を請求するには、Aの過失を立証しなければならない。
718条1項により、動物の占有者は原則として損害賠償責任を負う。Aが所有の意思を持たないことは直ちに免責理由にならず、BがAの過失を立証する必要もない。
根拠条文:民法718条第1項・e-Govで法令を開く民法718条第2項・e-Govで法令を開く
民法718条第1項―現行条文本文
動物の占有者は、その動物が他人に加えた損害を賠償する責任を負う。
ただし、動物の種類及び性質に従い相当の注意をもってその管理をしたときは、この限りでない。
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民法718条第2項―現行条文本文
占有者に代わって動物を管理する者も、前項の責任を負う。
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p5 /
Aは、犬を発見した時、犬が怪我をしていたので、獣医に治療を受けさせ、治療費を支払った。その後、飼い主が犬の返還を求めてきた場合、Aは、支払った治療費の償還を受けるまで、犬の引渡しを拒むことができる。
295条1項により留置権が成立しうるほか、702条1項で管理者は本人のために有益な費用を支出したとき本人に償還請求できる。治療費は有益費に当たり、償還を受けるまで引渡しを拒める。
根拠条文:民法295条第1項・e-Govで法令を開く民法702条第1項・e-Govで法令を開く
民法295条第1項―現行条文本文
他人の物の占有者は、その物に関して生じた債権を有するときは、その債権の弁済を受けるまで、その物を留置することができる。
ただし、その債権が弁済期にないときは、この限りでない。
民法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:46)
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民法702条第1項―現行条文本文
管理者は、本人のために有益な費用を支出したときは、本人に対し、その償還を請求することができる。
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全体要旨
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