民法 第552問
教材: 民法④
司法試験 H25 第25問(改)
論点: 賃貸借
問題
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Aは、Bとの間で、期間を平成32年10月1日から起算して2年とし、賃料を毎月末日に当月分を支払うとの約定で、B所有の甲建物を賃借する旨の契約を締結し、敷金をBに交付して、甲建物の引渡しを受けた。その後、Bが、Aに断りなく、甲建物をCに売却し、その日のうちにCへの所有権移転登記もされた。この場合に関する次のアからオまでの各記述のうち、判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。
公式解答
4. ウ・オ
正誤・解説
p1 /
甲建物の売却が平成33年10月31日に行われた場合、Cは、Aに対し、平成33年11月1日以降の賃料を請求することができる。
賃借人たる地位が譲受人Cに移転し、Cは同日以降、賃料請求をBではなくAに対してできると整理されている。
根拠条文:民法605条の2第1項・e-Govで法令を開く民法31条・e-Govで法令を開く民法31条第3項・e-Govで法令を開く
民法605条の2第1項―現行条文本文
前条、借地借家法(平成三年法律第九十号)第十条又は第三十一条その他の法令の規定による賃貸借の対抗要件を備えた場合において、その不動産が譲渡されたときは、その不動産の賃貸人たる地位は、その譲受人に移転する。
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民法31条―現行条文本文
第三十一条 (失踪の宣告の効力)
前条第一項の規定により失踪の宣告を受けた者は同項の期間が満了した時に、同条第二項の規定により失踪の宣告を受けた者はその危難が去った時に、死亡したものとみなす。
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民法31条第3項―現行条文本文
第三十一条 (失踪の宣告の効力)
前条第一項の規定により失踪の宣告を受けた者は同項の期間が満了した時に、同条第二項の規定により失踪の宣告を受けた者はその危難が去った時に、死亡したものとみなす。
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p2 /
甲建物の売却が平成33年10月31日に行われたが、その時点でAの延滞賃料が発生していた場合、Cは、Aに対し、その延滞賃料を請求することができない。
売却時に既に発生していた延滞賃料の請求権は、賃借人たる地位の移転に伴って当然にCへ移るものではなく、Bに帰属すると説明されている。
根拠条文:民法605条の2第1項・e-Govで法令を開く民法31条・e-Govで法令を開く民法31条第3項・e-Govで法令を開く
民法605条の2第1項―現行条文本文
前条、借地借家法(平成三年法律第九十号)第十条又は第三十一条その他の法令の規定による賃貸借の対抗要件を備えた場合において、その不動産が譲渡されたときは、その不動産の賃貸人たる地位は、その譲受人に移転する。
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民法31条―現行条文本文
第三十一条 (失踪の宣告の効力)
前条第一項の規定により失踪の宣告を受けた者は同項の期間が満了した時に、同条第二項の規定により失踪の宣告を受けた者はその危難が去った時に、死亡したものとみなす。
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民法31条第3項―現行条文本文
第三十一条 (失踪の宣告の効力)
前条第一項の規定により失踪の宣告を受けた者は同項の期間が満了した時に、同条第二項の規定により失踪の宣告を受けた者はその危難が去った時に、死亡したものとみなす。
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p3 /
甲建物の売却が平成33年10月31日に行われたが、Aが甲建物について有益費を支出したのがそれ以前の平成33年9月30日であった場合には、平成34年9月30日に期間満了により賃貸借契約が終了した時点でその価格の増加が現存するときであっても、Aは、Cに対し、その有益費の償還を請求することはできない。
有益費償還請求権は、賃貸人たる地位の移転に伴いCが承継する。支出時が譲渡前でも、終了時に増価が現存すればAはCに償還請求できる。
根拠条文:民法605条の2第4項・e-Govで法令を開く民法608条第2項・e-Govで法令を開く民法196条第2項・e-Govで法令を開く
民法605条の2第4項―現行条文本文
第一項又は第二項後段の規定により賃貸人たる地位が譲受人又はその承継人に移転したときは、第六百八条の規定による費用の償還に係る債務及び第六百二十二条の二第一項の規定による同項に規定する敷金の返還に係る債務は、譲受人又はその承継人が承継する。
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民法608条第2項―現行条文本文
賃借人が賃借物について有益費を支出したときは、賃貸人は、賃貸借の終了の時に、第百九十六条第二項の規定に従い、その償還をしなければならない。
ただし、裁判所は、賃貸人の請求により、その償還について相当の期限を許与することができる。
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民法196条第2項―現行条文本文
占有者が占有物の改良のために支出した金額その他の有益費については、その価格の増加が現存する場合に限り、回復者の選択に従い、その支出した金額又は増価額を償還させることができる。
ただし、悪意の占有者に対しては、裁判所は、回復者の請求により、その償還について相当の期限を許与することができる。
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p4 /
甲建物の売却が平成33年10月31日に行われた後、平成34年9月30日に期間満了により賃貸借契約が終了した場合、Aは、甲建物をCに明け渡した上で、Cに対し、敷金の返還請求権を行使することができる。
賃借人たる地位がCに移転していれば、敷金返還債務もCが承継し、終了後に明渡しをしたAはCへ返還請求できる。
根拠条文:民法605条の2第4項・e-Govで法令を開く民法622条の2第1項・e-Govで法令を開く
民法605条の2第4項―現行条文本文
第一項又は第二項後段の規定により賃貸人たる地位が譲受人又はその承継人に移転したときは、第六百八条の規定による費用の償還に係る債務及び第六百二十二条の二第一項の規定による同項に規定する敷金の返還に係る債務は、譲受人又はその承継人が承継する。
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民法622条の2第1項―現行条文本文
賃貸人は、敷金(いかなる名目によるかを問わず、賃料債務その他の賃貸借に基づいて生ずる賃借人の賃貸人に対する金銭の給付を目的とする債務を担保する目的で、賃借人が賃貸人に交付する金銭をいう。以下この条において同じ。)を受け取っている場合において、次に掲げるときは、賃借人に対し、その受け取った敷金の額から賃貸借に基づいて生じた賃借人の賃貸人に対する金銭の給付を目的とする債務の額を控除した残額を返還しなければならない。
一 賃貸借が終了し、かつ、賃貸物の返還を受けたとき。
二 賃借人が適法に賃借権を譲り渡したとき。
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p5 /
平成34年9月30日に期間満了により賃貸借契約が終了した後、Aが甲建物を明け渡す前に甲建物が売却された場合、Aは、甲建物をCに明け渡した上で、Cに対し、敷金の返還請求権を行使することができる。
賃貸借終了後に家屋所有権だけが移転した場合は、敷金に関する権利義務まで当然に新所有者へ移るわけではないため、Cに敷金返還請求できない。
根拠条文:民法605条の2第4項・e-Govで法令を開く
民法605条の2第4項―現行条文本文
第一項又は第二項後段の規定により賃貸人たる地位が譲受人又はその承継人に移転したときは、第六百八条の規定による費用の償還に係る債務及び第六百二十二条の二第一項の規定による同項に規定する敷金の返還に係る債務は、譲受人又はその承継人が承継する。
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全体要旨
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