民法 第548問
教材: 民法④
司法試験 H20 第25問
論点: 敷金
問題
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公式解答
4
正誤・解説
p1 /
建物賃貸借契約において、当該建物の所有権移転に伴い賃貸人たる地位に承継があった場合には、旧賃貸人に差し入れられた敷金は、未払賃料債務があればこれに当然充当され、残額についてその権利義務関係が新賃貸人に承継される。
判例は、敷金は賃貸借終了時の賃料債務不履行があれば当然にこれに充当され、その限度で敷金返還請求権が消滅し、残額について敷金関係が新賃貸人に承継されるとする。
根拠条文:民法605条の2第4項・e-Govで法令を開く民法608条・e-Govで法令を開く民法622条の2第1項・e-Govで法令を開く
民法605条の2第4項―現行条文本文
第一項又は第二項後段の規定により賃貸人たる地位が譲受人又はその承継人に移転したときは、第六百八条の規定による費用の償還に係る債務及び第六百二十二条の二第一項の規定による同項に規定する敷金の返還に係る債務は、譲受人又はその承継人が承継する。
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民法608条―現行条文本文
第六百八条 (賃借人による費用の償還請求)
賃借人は、賃借物について賃貸人の負担に属する必要費を支出したときは、賃貸人に対し、直ちにその償還を請求することができる。
賃借人が賃借物について有益費を支出したときは、賃貸人は、賃貸借の終了の時に、第百九十六条第二項の規定に従い、その償還をしなければならない。
ただし、裁判所は、賃貸人の請求により、その償還について相当の期限を許与することができる。
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民法622条の2第1項―現行条文本文
賃貸人は、敷金(いかなる名目によるかを問わず、賃料債務その他の賃貸借に基づいて生ずる賃借人の賃貸人に対する金銭の給付を目的とする債務を担保する目的で、賃借人が賃貸人に交付する金銭をいう。以下この条において同じ。)を受け取っている場合において、次に掲げるときは、賃借人に対し、その受け取った敷金の額から賃貸借に基づいて生じた賃借人の賃貸人に対する金銭の給付を目的とする債務の額を控除した残額を返還しなければならない。
一 賃貸借が終了し、かつ、賃貸物の返還を受けたとき。
二 賃借人が適法に賃借権を譲り渡したとき。
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p2 /
建物賃貸借における敷金は、賃貸借終了後建物明渡義務履行までに生ずる賃料相当額の損害金債権その他賃貸借契約により賃借人が賃貸人に対して取得する一切の権債を担保するものであり、敷金返還請求権は、賃貸借終了後建物明渡完了の時においてそれまでに生じた上記の一切の被担保債権を控除しなければ残額がある場合に、その残額につき具体的に発生する。
敷金は、賃貸借から生ずる賃借人の債務を広く担保し、賃貸借終了・明渡し後に被担保債権を控除した残額があって初めて返還請求権が具体化する。
根拠条文:民法622条の2第1項・e-Govで法令を開く民法622条の2第1項第1号・e-Govで法令を開く
民法622条の2第1項―現行条文本文
賃貸人は、敷金(いかなる名目によるかを問わず、賃料債務その他の賃貸借に基づいて生ずる賃借人の賃貸人に対する金銭の給付を目的とする債務を担保する目的で、賃借人が賃貸人に交付する金銭をいう。以下この条において同じ。)を受け取っている場合において、次に掲げるときは、賃借人に対し、その受け取った敷金の額から賃貸借に基づいて生じた賃借人の賃貸人に対する金銭の給付を目的とする債務の額を控除した残額を返還しなければならない。
一 賃貸借が終了し、かつ、賃貸物の返還を受けたとき。
二 賃借人が適法に賃借権を譲り渡したとき。
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民法622条の2第1項第1号―現行条文本文
一 賃貸借が終了し、かつ、賃貸物の返還を受けたとき。
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p3 /
土地賃借権が賃貸人の承諾を得て旧賃借人から新賃借人に移転された場合であっても、敷金に関する敷金交付者の権利義務関係は、敷金交付者において賃借人との間で敷金をもって新賃借人の債務の担保とすることを約し又は新賃借人に対して敷金返還請求権を譲渡するなど特段の事情のない限り、新賃借人に承継されない。
賃借権譲渡があっても、敷金が当然に新賃借人へ承継されるわけではなく、交付者と賃借人間で担保継続や返還請求権譲渡などの特段の事情が必要とされる。
根拠条文:民法622条の2第1項・e-Govで法令を開く民法622条の2第1項第2号・e-Govで法令を開く
民法622条の2第1項―現行条文本文
賃貸人は、敷金(いかなる名目によるかを問わず、賃料債務その他の賃貸借に基づいて生ずる賃借人の賃貸人に対する金銭の給付を目的とする債務を担保する目的で、賃借人が賃貸人に交付する金銭をいう。以下この条において同じ。)を受け取っている場合において、次に掲げるときは、賃借人に対し、その受け取った敷金の額から賃貸借に基づいて生じた賃借人の賃貸人に対する金銭の給付を目的とする債務の額を控除した残額を返還しなければならない。
一 賃貸借が終了し、かつ、賃貸物の返還を受けたとき。
二 賃借人が適法に賃借権を譲り渡したとき。
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民法622条の2第1項第2号―現行条文本文
二 賃借人が適法に賃借権を譲り渡したとき。
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p4 /
敷金が授受された賃貸借契約に係る賃料債権につき抵当権者が物上代位権を行使してこれを差し押さえた場合において、当該賃貸借契約が終了し、目的物が明け渡されたとしても、それまでに生じた賃料債権が、敷金の充当により消滅することはない。
判例は、抵当権者が賃料債権を差し押さえた場合でも、敷金はその賃料債権の充当予定額として当然に消滅するので、未払賃料債権は敷金充当の限度で消滅するとする。
根拠条文:民法304条第1項・e-Govで法令を開く民法372条・e-Govで法令を開く民法511条・e-Govで法令を開く
民法304条第1項―現行条文本文
先取特権は、その目的物の売却、賃貸、滅失又は損傷によって債務者が受けるべき金銭その他の物に対しても、行使することができる。
ただし、先取特権者は、その払渡し又は引渡しの前に差押えをしなければならない。
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民法372条―現行条文本文
第三百七十二条 (留置権等の規定の準用)
第二百九十六条、第三百四条及び第三百五十一条の規定は、抵当権について準用する。
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民法511条―現行条文本文
第五百十一条 (差押えを受けた債権を受働債権とする相殺の禁止)
差押えを受けた債権の第三債務者は、差押え後に取得した債権による相殺をもって差押債権者に対抗することはできないが、差押え前に取得した債権による相殺をもって対抗することができる。
前項の規定にかかわらず、差押え後に取得した債権が差押え前の原因に基づいて生じたものであるときは、その第三債務者は、その債権による相殺をもって差押債権者に対抗することができる。
ただし、第三債務者が差押え後に他人の債権を取得したときは、この限りでない。
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p5 /
建物賃貸借終了に伴う賃借人の建物明渡債務と賃借人の敷金返還債務とは、特別の約定のない限り、同時履行の関係に立たず、賃借人は、賃貸人から建物明渡しを受けた後に敷金残額を返還すれば足りる。
敷金返還債務は、明渡し後に被担保債権を控除した残額が生じてから返還すれば足り、明渡債務との当然の同時履行関係はないとされる。
根拠条文:民法533条・e-Govで法令を開く民法622条の2第1項・e-Govで法令を開く民法622条の2第1項第1号・e-Govで法令を開く
民法533条―現行条文本文
第五百三十三条 (同時履行の抗弁)
双務契約の当事者の一方は、相手方がその債務の履行(債務の履行に代わる損害賠償の債務の履行を含む。)を提供するまでは、自己の債務の履行を拒むことができる。
ただし、相手方の債務が弁済期にないときは、この限りでない。
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民法622条の2第1項―現行条文本文
賃貸人は、敷金(いかなる名目によるかを問わず、賃料債務その他の賃貸借に基づいて生ずる賃借人の賃貸人に対する金銭の給付を目的とする債務を担保する目的で、賃借人が賃貸人に交付する金銭をいう。以下この条において同じ。)を受け取っている場合において、次に掲げるときは、賃借人に対し、その受け取った敷金の額から賃貸借に基づいて生じた賃借人の賃貸人に対する金銭の給付を目的とする債務の額を控除した残額を返還しなければならない。
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二 賃借人が適法に賃借権を譲り渡したとき。
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民法622条の2第1項第1号―現行条文本文
一 賃貸借が終了し、かつ、賃貸物の返還を受けたとき。
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