民法 第511問
教材: 民法④
司法試験 R02 第24問
論点: 他人の権利の売買
問題
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他人の権利の売買
公式解答
1. ア ウ
正誤・解説
p1 /
売主が他人の権利を取得して買主に移転することができない場合、買主は、契約時にその権利が売主に属しないことを知っていたとしても、それにより損害賠償の請求を妨げられない。
561条により、他人の権利の売買でも売主は権利取得・移転義務を負う。買主が契約時に他人権利と知っていても、当然に損害賠償請求が否定されるわけではない。
根拠条文:民法561条・e-Govで法令を開く民法415条第1項・e-Govで法令を開く
民法561条―現行条文本文
第五百六十一条 (他人の権利の売買における売主の義務)
他人の権利(権利の一部が他人に属する場合におけるその権利の一部を含む。)を売買の目的としたときは、売主は、その権利を取得して買主に移転する義務を負う。
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民法415条第1項―現行条文本文
債務者がその債務の本旨に従った履行をしないとき又は債務の履行が不能であるときは、債権者は、これによって生じた損害の賠償を請求することができる。
ただし、その債務の不履行が契約その他の債務の発生原因及び取引上の社会通念に照らして債務者の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない。
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p2 /
売主が他人の権利を取得して買主に移転することができない場合、そのことについて売主の責めに帰すべき事由が存在しないときであっても、買主は売主に対して損害賠償請求をすることができる。
民法415条1項ただし書により、債務不履行が売主の責めに帰すべき事由によるものでないときは損害賠償請求はできない。
根拠条文:民法415条第1項・e-Govで法令を開く
民法415条第1項―現行条文本文
債務者がその債務の本旨に従った履行をしないとき又は債務の履行が不能であるときは、債権者は、これによって生じた損害の賠償を請求することができる。
ただし、その債務の不履行が契約その他の債務の発生原因及び取引上の社会通念に照らして債務者の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない。
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p3 /
売買の目的である権利の一部が他人に属することにより、その権利の一部が買主に移転されず、履行の追完が不可能である場合、そのことについて買主の責めに帰すべき事由が存在しないときは、買主は、催告をすることなく、直ちに代金の減額を請求することができる。
561条、563条2項・3項の関係から、権利の一部が他人に属して履行追完不能なら、催告なく代金減額請求ができる。
根拠条文:民法561条・e-Govで法令を開く民法563条第2項・e-Govで法令を開く民法563条第3項・e-Govで法令を開く
民法561条―現行条文本文
第五百六十一条 (他人の権利の売買における売主の義務)
他人の権利(権利の一部が他人に属する場合におけるその権利の一部を含む。)を売買の目的としたときは、売主は、その権利を取得して買主に移転する義務を負う。
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民法563条第2項―現行条文本文
前項の規定にかかわらず、次に掲げる場合には、買主は、同項の催告をすることなく、直ちに代金の減額を請求することができる。
一 履行の追完が不能であるとき。
二 売主が履行の追完を拒絶する意思を明確に表示したとき。
三 契約の性質又は当事者の意思表示により、特定の日時又は一定の期間内に履行をしなければ契約をした目的を達することができない場合において、売主が履行の追完をしないでその時期を経過したとき。
四 前三号に掲げる場合のほか、買主が前項の催告をしても履行の追完を受ける見込みがないことが明らかであるとき。
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民法563条第3項―現行条文本文
第一項の不適合が買主の責めに帰すべき事由によるものであるときは、買主は、前二項の規定による代金の減額の請求をすることができない。
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p4 /
売主が他人の権利を取得して買主に移転することができない場合、買主は、契約時にその権利が売主に属しないことを知っていたときは、契約を解除することができない。
民法542条1項1号・543条は、解除の可否を債務不履行等で判断するもので、知っていたことだけで当然に解除不可とはならない。
根拠条文:民法542条第1項・e-Govで法令を開く民法542条第1項第1号・e-Govで法令を開く民法543条・e-Govで法令を開く
民法542条第1項―現行条文本文
次に掲げる場合には、債権者は、前条の催告をすることなく、直ちに契約の解除をすることができる。
一 債務の全部の履行が不能であるとき。
二 債務者がその債務の全部の履行を拒絶する意思を明確に表示したとき。
三 債務の一部の履行が不能である場合又は債務者がその債務の一部の履行を拒絶する意思を明確に表示した場合において、残存する部分のみでは契約をした目的を達することができないとき。
四 契約の性質又は当事者の意思表示により、特定の日時又は一定の期間内に履行をしなければ契約をした目的を達することができない場合において、債務者が履行をしないでその時期を経過したとき。
五 前各号に掲げる場合のほか、債務者がその債務の履行をせず、債権者が前条の催告をしても契約をした目的を達するのに足りる履行がされる見込みがないことが明らかであるとき。
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民法542条第1項第1号―現行条文本文
一 債務の全部の履行が不能であるとき。
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民法543条―現行条文本文
第五百四十三条 (債権者の責めに帰すべき事由による場合)
債務の不履行が債権者の責めに帰すべき事由によるものであるときは、債権者は、前二条の規定による契約の解除をすることができない。
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p5 /
売主が他人の権利を取得して買主に移転することができない場合、買主は、善意の売主に対しては、当該権利が他人の権利であることを知った時から1年以内にその旨を通知しなければ、損害賠償の請求をすることができない。
1年以内の通知が問題となるのは民法566条本文の趣旨で、他人権利売買一般にそのまま当てはまるわけではない。
根拠条文:民法566条・e-Govで法令を開く
民法566条―現行条文本文
第五百六十六条 (目的物の種類又は品質に関する担保責任の期間の制限)
売主が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない目的物を買主に引き渡した場合において、買主がその不適合を知った時から一年以内にその旨を売主に通知しないときは、買主は、その不適合を理由として、履行の追完の請求、代金の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない。
ただし、売主が引渡しの時にその不適合を知り、又は重大な過失によって知らなかったときは、この限りでない。
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