民法 第510問
教材: 民法④
司法試験 H21 第27問(改)
論点: 他人物売買
問題
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Aが所有する甲不動産について、Bを売主とし、Cを買主とする売買契約が成立した場合
公式解答
2 / 4
正誤・解説
p1 /
B C間の売買契約が成立した当時からAに甲不動産を他に譲渡する意思がなく、したがってBにおいて甲不動産を取得しCに移転することができないような場合であっても、なおその売買契約は有効に成立する。
他人物売買でも、売主が後に権利を取得して買主へ移転することを予定する以上、契約自体は有効に成立しうる。最初から移転できない事情があっても直ちに無効とはならない。
根拠条文:民法561条・e-Govで法令を開く民法542条第1項第1号・e-Govで法令を開く
民法561条―現行条文本文
第五百六十一条 (他人の権利の売買における売主の義務)
他人の権利(権利の一部が他人に属する場合におけるその権利の一部を含む。)を売買の目的としたときは、売主は、その権利を取得して買主に移転する義務を負う。
民法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:46)
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民法542条第1項第1号―現行条文本文
一 債務の全部の履行が不能であるとき。
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p2 /
甲不動産の引渡しと引換えに代金をBに支払ったCが、BがAから甲不動産の所有権を取得することができないことから売買契約を解除した場合において、Cは、Aからの不動産引渡請求に対し留置権を主張し、Bから代金相当額の返還を受けるまで甲不動産を留置することができる。
他人物売買では、売主の所有権取得不能と買主の目的物返還は直結せず、目的物返還請求に対する留置権の成立は否定される。代金返還債務との牽連関係も認められない。
根拠条文:民法295条第1項・e-Govで法令を開く
民法295条第1項―現行条文本文
他人の物の占有者は、その物に関して生じた債権を有するときは、その債権の弁済を受けるまで、その物を留置することができる。
ただし、その債権が弁済期にないときは、この限りでない。
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p3 /
Bが甲不動産をAから取得してこれをCに移転することができたにもかかわらず、C自らAと交渉して甲不動産を直接取得したことから、BがAから甲不動産の所有権を取得することができなくなったときは、Cは、甲不動産の売買契約を解除することができない。
債務不履行が債権者の責めに帰すべき事由による場合、債権者は解除できない。他人物売買でも、買主が自ら第三者と交渉して直接取得したため売主が履行不能となったなら、解除は否定される。
根拠条文:民法543条・e-Govで法令を開く
民法543条―現行条文本文
第五百四十三条 (債権者の責めに帰すべき事由による場合)
債務の不履行が債権者の責めに帰すべき事由によるものであるときは、債権者は、前二条の規定による契約の解除をすることができない。
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p4 /
甲不動産の所有権は売買契約成立時にBからCに移転するが、BがAから所有権を取得することができないため売買契約が解除された場合は、甲不動産の所有権はCからAに直接復帰する。
他人物売買では、契約成立時に当然に目的物の所有権が買主へ移るわけではない。したがって、解除時にAへ直接復帰するという説明は判例の趣旨に反する。
根拠条文:民法561条・e-Govで法令を開く民法560条・e-Govで法令を開く
民法561条―現行条文本文
第五百六十一条 (他人の権利の売買における売主の義務)
他人の権利(権利の一部が他人に属する場合におけるその権利の一部を含む。)を売買の目的としたときは、売主は、その権利を取得して買主に移転する義務を負う。
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民法560条―現行条文本文
第五百六十条 (権利移転の対抗要件に係る売主の義務)
売主は、買主に対し、登記、登録その他の売買の目的である権利の移転についての対抗要件を備えさせる義務を負う。
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p5 /
法改正(平29法44)により削除
削除肢のため判断対象外。
根拠条文:民法95条・e-Govで法令を開く
民法95条―現行条文本文
第九十五条 (錯誤)
意思表示は、次に掲げる錯誤に基づくものであって、その錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものであるときは、取り消すことができる。
一 意思表示に対応する意思を欠く錯誤
二 表意者が法律行為の基礎とした事情についてのその認識が真実に反する錯誤
前項第二号の規定による意思表示の取消しは、その事情が法律行為の基礎とされていることが表示されていたときに限り、することができる。
錯誤が表意者の重大な過失によるものであった場合には、次に掲げる場合を除き、第一項の規定による意思表示の取消しをすることができない。
一 相手方が表意者に錯誤があることを知り、又は重大な過失によって知らなかったとき。
二 相手方が表意者と同一の錯誤に陥っていたとき。
第一項の規定による意思表示の取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない。
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全体要旨
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