民法 第508問
教材: 民法④
司法試験 R01 第24問(改)
論点: 売買契約
問題
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AとBは、令和2年4月1日、A所有の中古自動車(以下「甲」という。)を、同月10日引渡し、同月20日代金支払の約定でBに売却する旨の売買契約を締結した。
公式解答
5. ウ オ
正誤・解説
p1 /
甲は、令和2年4月8日、Bの責めに帰すべき事由により滅失した。この場合において、AがBに対して同月20日に代金の支払を請求したときは、Bは、この請求を拒むことができない。
債権者Bの責めに帰すべき事由で目的物が滅失した場合、債権者は反対給付の履行を拒めない(民法536条2項前段)。
根拠条文:民法536条第2項・e-Govで法令を開く
民法536条第2項―現行条文本文
債権者の責めに帰すべき事由によって債務を履行することができなくなったときは、債権者は、反対給付の履行を拒むことができない。
この場合において、債務者は、自己の債務を免れたことによって利益を得たときは、これを債権者に償還しなければならない。
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p2 /
Aは、Bに対し、令和2年4月10日、甲を引き渡したが、甲には売買契約の締結前から種類又は品質に関する契約不適合があった。この場合において、Bは、売買契約を解除することができる。
契約不適合がある場合、買主は追完請求等ができ、一定の場合には契約解除もできる(民法562条1項、563条1項)。
根拠条文:民法562条第1項・e-Govで法令を開く民法563条第1項・e-Govで法令を開く民法564条・e-Govで法令を開く民法415条・e-Govで法令を開く民法541条・e-Govで法令を開く民法542条・e-Govで法令を開く
民法562条第1項―現行条文本文
引き渡された目的物が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しないものであるときは、買主は、売主に対し、目的物の修補、代替物の引渡し又は不足分の引渡しによる履行の追完を請求することができる。
ただし、売主は、買主に不相当な負担を課するものでないときは、買主が請求した方法と異なる方法による履行の追完をすることができる。
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民法563条第1項―現行条文本文
前条第一項本文に規定する場合において、買主が相当の期間を定めて履行の追完の催告をし、その期間内に履行の追完がないときは、買主は、その不適合の程度に応じて代金の減額を請求することができる。
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民法564条―現行条文本文
第五百六十四条 (買主の損害賠償請求及び解除権の行使)
前二条の規定は、第四百十五条の規定による損害賠償の請求並びに第五百四十一条及び第五百四十二条の規定による解除権の行使を妨げない。
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民法415条―現行条文本文
第四百十五条 (債務不履行による損害賠償)
債務者がその債務の本旨に従った履行をしないとき又は債務の履行が不能であるときは、債権者は、これによって生じた損害の賠償を請求することができる。
ただし、その債務の不履行が契約その他の債務の発生原因及び取引上の社会通念に照らして債務者の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない。
前項の規定により損害賠償の請求をすることができる場合において、債権者は、次に掲げるときは、債務の履行に代わる損害賠償の請求をすることができる。
一 債務の履行が不能であるとき。
二 債務者がその債務の履行を拒絶する意思を明確に表示したとき。
三 債務が契約によって生じたものである場合において、その契約が解除され、又は債務の不履行による契約の解除権が発生したとき。
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民法541条―現行条文本文
第五百四十一条 (催告による解除)
当事者の一方がその債務を履行しない場合において、相手方が相当の期間を定めてその履行の催告をし、その期間内に履行がないときは、相手方は、契約の解除をすることができる。
ただし、その期間を経過した時における債務の不履行がその契約及び取引上の社会通念に照らして軽微であるときは、この限りでない。
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民法542条―現行条文本文
第五百四十二条 (催告によらない解除)
次に掲げる場合には、債権者は、前条の催告をすることなく、直ちに契約の解除をすることができる。
一 債務の全部の履行が不能であるとき。
二 債務者がその債務の全部の履行を拒絶する意思を明確に表示したとき。
三 債務の一部の履行が不能である場合又は債務者がその債務の一部の履行を拒絶する意思を明確に表示した場合において、残存する部分のみでは契約をした目的を達することができないとき。
四 契約の性質又は当事者の意思表示により、特定の日時又は一定の期間内に履行をしなければ契約をした目的を達することができない場合において、債務者が履行をしないでその時期を経過したとき。
五 前各号に掲げる場合のほか、債務者がその債務の履行をせず、債権者が前条の催告をしても契約をした目的を達するのに足りる履行がされる見込みがないことが明らかであるとき。
次に掲げる場合には、債権者は、前条の催告をすることなく、直ちに契約の一部の解除をすることができる。
一 債務の一部の履行が不能であるとき。
二 債務者がその債務の一部の履行を拒絶する意思を明確に表示したとき。
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p3 /
Aは、Bに対し、令和2年4月10日、甲を引き渡したが、Bは、同月20日を経過しても代金を支払わず、同月21日、事情を知らないCに甲を売却し、引き渡した。この場合において、Aが相当の期間を定めて催告してもBが代金を支払わないときは、Aは、Bとの間の売買契約を解除し、Cに対し、甲の返還を求めることができる。
解除の効果は原則として第三者の権利を害せず、またCは引渡しを受けているため対抗要件の問題もある。AはCに返還請求できない。
根拠条文:民法545条第1項・e-Govで法令を開く民法177条・e-Govで法令を開く民法178条・e-Govで法令を開く
民法545条第1項―現行条文本文
当事者の一方がその解除権を行使したときは、各当事者は、その相手方を原状に復させる義務を負う。
ただし、第三者の権利を害することはできない。
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民法177条―現行条文本文
第百七十七条 (不動産に関する物権の変動の対抗要件)
不動産に関する物権の得喪及び変更は、不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)その他の登記に関する法律の定めるところに従いその登記をしなければ、第三者に対抗することができない。
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民法178条―現行条文本文
第百七十八条 (動産に関する物権の譲渡の対抗要件)
動産に関する物権の譲渡は、その動産の引渡しがなければ、第三者に対抗することができない。
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p4 /
AがBに約定どおり甲を引き渡さなかったことから、Bは、Aに対し、令和2年4月21日、代金につき弁済の提供をしないまま、甲の引渡しを求めた。この場合、Aは、Bに対し、同時履行の抗弁権を主張して、Bからの引渡請求を拒むことができる。
双務契約では、相手方が反対債務の履行提供をするまで自己の債務履行を拒める。相手方の債務が弁済期にない場合はその限りでないが、本件では履行遅滞に基づく主張が可能。
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民法533条―現行条文本文
第五百三十三条 (同時履行の抗弁)
双務契約の当事者の一方は、相手方がその債務の履行(債務の履行に代わる損害賠償の債務の履行を含む。)を提供するまでは、自己の債務の履行を拒むことができる。
ただし、相手方の債務が弁済期にないときは、この限りでない。
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p5 /
Aは、Bに対し、令和2年4月25日、甲を引き渡したが、Bは、Aに対し、その後も代金を支払っていない。この場合、Aは、Bに対し、甲の代金及び同月21日からの利息の支払を求めることができる。
買主の代金支払義務は引渡しの日から負うが、利息は原則として支払期限到来後に発生する。4月21日から直ちに利息を求めることはできない。
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民法575条第2項―現行条文本文
買主は、引渡しの日から、代金の利息を支払う義務を負う。
ただし、代金の支払について期限があるときは、その期限が到来するまでは、利息を支払うことを要しない。
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全体要旨
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