民法 第478問
教材: 民法③
司法試験 R06 第25問 / 予備試験 R06 第10問
論点: 危険負担
問題
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特定物甲の売主Aが買主Bから代金の支払を受けるまでに、甲は、A Bいずれの責めにも帰することができない事由によって滅失又は損傷した。
公式解答
4. ウ エ
正誤・解説
p1 /
甲の滅失がBへの引渡し前に生じた場合において、AがBに対し代金の支払を求めて訴えを提起したときは、Bの危険負担の抗弁は、BがAに対し代金の支払を拒絶することを主張して行使しなければならない。
536条1項は、当事者双方の責めに帰すことができない事由で債務履行が不能になったとき、債権者は反対給付の履行を拒めるとする。危険負担の抗弁は権利抗弁として、その効果を主張する側で行使する。
根拠条文:民法536条第1項・e-Govで法令を開く
民法536条第1項―現行条文本文
当事者双方の責めに帰することができない事由によって債務を履行することができなくなったときは、債権者は、反対給付の履行を拒むことができる。
民法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:46)
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p2 /
甲の滅失がBへの引渡し前に生じた場合において、AがBに対し代金の支払を求めて訴えを提起し、Bの危険負担の抗弁の主張が認められるときは、請求棄却判決がなされる。
危険負担の抗弁が認められれば、買主は代金支払を拒めるため、売主の請求は認められず請求棄却となる。
根拠条文:民法536条第1項・e-Govで法令を開く
民法536条第1項―現行条文本文
当事者双方の責めに帰することができない事由によって債務を履行することができなくなったときは、債権者は、反対給付の履行を拒むことができる。
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p3 /
甲の損傷がBへの引渡し前に生じた場合には、過分の費用を要することなく甲を契約の内容に適合した状態に修復して引き渡すことができるときであっても、Bは、危険負担の抗弁を主張して、代金の一部の支払を拒むことができる。
本件では過分の費用を要せず修補して契約適合状態にできる場合、536条1項は適用されないとされる。したがって、危険負担の抗弁で代金の一部支払を拒むことはできない。
根拠条文:民法536条第1項・e-Govで法令を開く民法412条の2第1項・e-Govで法令を開く
民法536条第1項―現行条文本文
当事者双方の責めに帰することができない事由によって債務を履行することができなくなったときは、債権者は、反対給付の履行を拒むことができる。
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民法412条の2第1項―現行条文本文
債務の履行が契約その他の債務の発生原因及び取引上の社会通念に照らして不能であるときは、債権者は、その債務の履行を請求することができない。
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p4 /
A B間の売買契約に甲の所有権は代金完済時に移転する旨の特約が付されていた場合において、甲の滅失がBへの引渡し後であったときは、Bは、危険負担の抗弁を主張して代金の支払を拒むことができる。
売買目的物が買主に引き渡された後に滅失・損傷したときは、567条1項1段により買主は危険負担を理由に履行追完等の請求や代金減額等はできず、代金支払も拒めない。
根拠条文:民法567条第1項・e-Govで法令を開く売主が買主に目的物(売買の目的として特定したものに限る。以下この条において同じ。)を引き渡した場合において、その引渡しがあった時以後にその目的物が当事者双方の責めに帰することができない事由によって滅失し、又は損傷したときは、買主は、その滅失又は損傷を理由として、履行の追完の請求、代金の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない。この場合において、買主は、代金の支払を拒むことができない。・e-Govを開く民法567条第2項・e-Govで法令を開く
民法567条第1項―現行条文本文
売主が買主に目的物(売買の目的として特定したものに限る。以下この条において同じ。)を引き渡した場合において、その引渡しがあった時以後にその目的物が当事者双方の責めに帰することができない事由によって滅失し、又は損傷したときは、買主は、その滅失又は損傷を理由として、履行の追完の請求、代金の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない。
この場合において、買主は、代金の支払を拒むことができない。
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民法567条第2項―現行条文本文
売主が契約の内容に適合する目的物をもって、その引渡しの債務の履行を提供したにもかかわらず、買主がその履行を受けることを拒み、又は受けることができない場合において、その履行の提供があった時以後に当事者双方の責めに帰することができない事由によってその目的物が滅失し、又は損傷したときも、前項と同様とする。
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p5 /
AがBに甲を引き渡そうとしたところ、その品質が契約の内容に適合しないものであったためにBがその受領を拒んだときは、その後に甲の滅失が生じたとしても、Bは、危険負担の抗弁を主張して代金の支払を拒むことができる。
受領拒絶後に適合しない目的物が滅失した場合は567条2項の場面であり、買主はなお代金支払を拒める。
根拠条文:民法567条第1項・e-Govで法令を開く民法567条第2項・e-Govで法令を開く
民法567条第1項―現行条文本文
売主が買主に目的物(売買の目的として特定したものに限る。以下この条において同じ。)を引き渡した場合において、その引渡しがあった時以後にその目的物が当事者双方の責めに帰することができない事由によって滅失し、又は損傷したときは、買主は、その滅失又は損傷を理由として、履行の追完の請求、代金の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない。
この場合において、買主は、代金の支払を拒むことができない。
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民法567条第2項―現行条文本文
売主が契約の内容に適合する目的物をもって、その引渡しの債務の履行を提供したにもかかわらず、買主がその履行を受けることを拒み、又は受けることができない場合において、その履行の提供があった時以後に当事者双方の責めに帰することができない事由によってその目的物が滅失し、又は損傷したときも、前項と同様とする。
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全体要旨
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