民法 第476問
教材: 民法③
司法試験 H23 第24問
論点: 危険負担
問題
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公式解答
2
正誤・解説
p1 /
Aは、Bから「自分の肖像画を描いてほしい。完成した肖像画と引換えに報酬100万円を払う。」と頼まれて請け負い、その後、Bの肖像画を完成させ、A宅に保管していたところ、引渡期日前に、この肖像画は隣人の失火によって焼失した。この場合、Bは、Aに対して、報酬100万円を支払わなければならない。
債務者の責めに帰することができない事由による履行不能の場合、反対給付の履行拒絶が問題となる。設問の失火は「当事者双方の責めに帰することができない事由」に当たり、当然にBが報酬100万円を支払うとはいえない。
根拠条文:民法536条第1項・e-Govで法令を開く
民法536条第1項―現行条文本文
当事者双方の責めに帰することができない事由によって債務を履行することができなくなったときは、債権者は、反対給付の履行を拒むことができる。
民法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:46)
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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p2 /
Aは、Bに対して、A所有の中古住宅を代金3000万円で売却し、Bへの所有権移転登記と同時に代金全額を受け取るとの約束でBにこの住宅を引き渡したが、Bに引き渡した2日後に、この住宅は隣人の失火によって全焼した。この場合、Bは、Aに対して、代金3000万円を支払わなければならない。
売買の目的物を買主に引き渡した後に、その目的物が当事者双方の責めに帰することができない事由で滅失・損傷したときは、買主は代金支払を拒めない。設問は住宅引渡し後の全焼であり、Bは代金支払義務を免れない。
根拠条文:民法567条第1項・e-Govで法令を開く
民法567条第1項―現行条文本文
売主が買主に目的物(売買の目的として特定したものに限る。以下この条において同じ。)を引き渡した場合において、その引渡しがあった時以後にその目的物が当事者双方の責めに帰することができない事由によって滅失し、又は損傷したときは、買主は、その滅失又は損傷を理由として、履行の追完の請求、代金の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない。
この場合において、買主は、代金の支払を拒むことができない。
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p3 /
Aは、Bとの間で、「Bが大学を卒業した際には、Aは、A所有の特定の自動車を10万円でBに売り渡す。」との契約をしたが、A宅敷地内の車庫に保管されていたこの自動車は、隣人の失火によって焼失し、その後、Bは、大学を卒業した。この場合、Bは、Aに対して、代金10万円を支払わなければならない。
567条1項は、売主が買主に目的物を引き渡した場合を前提とする。設問の自動車はA宅敷地内の車庫に保管されたままで、Bへの引渡しがないため、同条による代金支払義務は生じない。
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民法567条第1項―現行条文本文
売主が買主に目的物(売買の目的として特定したものに限る。以下この条において同じ。)を引き渡した場合において、その引渡しがあった時以後にその目的物が当事者双方の責めに帰することができない事由によって滅失し、又は損傷したときは、買主は、その滅失又は損傷を理由として、履行の追完の請求、代金の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない。
この場合において、買主は、代金の支払を拒むことができない。
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p4 /
Aは、Bとの間で、「Bが大学を卒業した際には、Aは、A所有の特定の自動車を10万円でBに売り渡す。」との契約をしたが、Aの失火によってこの自動車は焼失し、その後、Bは、大学を卒業した。この場合、Bは、この売買契約を解除することはできない。
542条1項は、債務の全部履行不能の場合に前条の催告なく解除できるとし、543条は債務者の責めに帰すべき事由による不履行でなければ解除できないとする。設問ではAの失火による焼失であり、解除可否を否定する結論は誤り。
根拠条文:民法542条第1項・e-Govで法令を開く民法543条・e-Govで法令を開く
民法542条第1項―現行条文本文
次に掲げる場合には、債権者は、前条の催告をすることなく、直ちに契約の解除をすることができる。
一 債務の全部の履行が不能であるとき。
二 債務者がその債務の全部の履行を拒絶する意思を明確に表示したとき。
三 債務の一部の履行が不能である場合又は債務者がその債務の一部の履行を拒絶する意思を明確に表示した場合において、残存する部分のみでは契約をした目的を達することができないとき。
四 契約の性質又は当事者の意思表示により、特定の日時又は一定の期間内に履行をしなければ契約をした目的を達することができない場合において、債務者が履行をしないでその時期を経過したとき。
五 前各号に掲げる場合のほか、債務者がその債務の履行をせず、債権者が前条の催告をしても契約をした目的を達するのに足りる履行がされる見込みがないことが明らかであるとき。
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民法543条―現行条文本文
第五百四十三条 (債権者の責めに帰すべき事由による場合)
債務の不履行が債権者の責めに帰すべき事由によるものであるときは、債権者は、前二条の規定による契約の解除をすることができない。
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全体要旨
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