民法 第455問
教材: 民法③
司法試験 H26 第21問 / 予備試験 H26 第9問(改)
論点: 弁済及び相殺
問題
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公式解答
3. イ オ
正誤・解説
p1 /
A名義のB銀行に対する預金に係る通帳と印鑑を窃取したCが、Aの代理人と称して、B銀行から預金の払戻しを受けた場合、Cは、自らのためにする意思ではなく、取引上の社会通念に照らして受領権者としての外観を有する者には当たらないので、B銀行の過失の有無にかかわらず、弁済の効力は生じない。
判例は、受領権者としての外観を有する者への弁済に関する民法478条の適用を認めている。通帳・印鑑を窃取した者でも、外観を備えた場合は銀行の過失の有無だけで直ちに無効とはならない。
根拠条文:民法478条・e-Govで法令を開く
民法478条―現行条文本文
第四百七十八条 (受領権者としての外観を有する者に対する弁済)
受領権者(債権者及び法令の規定又は当事者の意思表示によって弁済を受領する権限を付与された第三者をいう。以下同じ。)以外の者であって取引上の社会通念に照らして受領権者としての外観を有するものに対してした弁済は、その弁済をした者が善意であり、かつ、過失がなかったときに限り、その効力を有する。
民法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:46)
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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p2 /
AがB銀行に対する定期預金債権を有していたところ、Cが、Aと称して、B銀行に対し、その定期預金債権を担保とした貸付けの申込みをし、B銀行は、CをAと誤信したため貸付けに応じた。その後、貸付金債権の履行期に弁済がなかったため、B銀行がその貸付金債権を自働債権としてその定期預金債権と相殺をした場合において、貸付の際に、金融機関として負担すべき相当の注意義務を尽くしていたときは、B銀行は、その相殺をもってAに対抗することができる。
判例は、金融機関が相当の注意義務を尽くして第三者を真正名義人と誤信した場合、その第三者に対する貸付と預金債権との相殺を真正名義人に対抗できるとしている。
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民法478条―現行条文本文
第四百七十八条 (受領権者としての外観を有する者に対する弁済)
受領権者(債権者及び法令の規定又は当事者の意思表示によって弁済を受領する権限を付与された第三者をいう。以下同じ。)以外の者であって取引上の社会通念に照らして受領権者としての外観を有するものに対してした弁済は、その弁済をした者が善意であり、かつ、過失がなかったときに限り、その効力を有する。
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p3 /
債務者の弁済が、取引上の社会通念に照らして受領権者としての外観を有する者に対する弁済として有効となる場合においては、真の債権者は、弁済を受けた者に対し、不当利得返還請求をすることができない。
民法478条により弁済が有効でも、真の債権者が受領者に対して不当利得返還請求をする余地は否定されないとする判例がある。したがって一律に請求できないとはいえない。
根拠条文:民法478条・e-Govで法令を開く
民法478条―現行条文本文
第四百七十八条 (受領権者としての外観を有する者に対する弁済)
受領権者(債権者及び法令の規定又は当事者の意思表示によって弁済を受領する権限を付与された第三者をいう。以下同じ。)以外の者であって取引上の社会通念に照らして受領権者としての外観を有するものに対してした弁済は、その弁済をした者が善意であり、かつ、過失がなかったときに限り、その効力を有する。
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p4 /
AがBに対して取立債務を負っている場合において、その履行期にBが取立てをしなかったとしても、Aが口頭の提供をしていないときは、Aは債務不履行責任を免れない。
判例・条文解釈上、弁済の提供としては口頭の提供が要件になる場合があり、単に相手方が取立てをしなかっただけで直ちに債務不履行責任を負うとはいえない。
根拠条文:民法493条・e-Govで法令を開く
民法493条―現行条文本文
第四百九十三条 (弁済の提供の方法)
弁済の提供は、債務の本旨に従って現実にしなければならない。
ただし、債権者があらかじめその受領を拒み、又は債務の履行について債権者の行為を要するときは、弁済の準備をしたことを通知してその受領の催告をすれば足りる。
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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p5 /
Aは、Bに対する債権をC及びDに二重に譲渡し、それぞれの譲渡についてBに対して確定日付のある証書で通知をしたが、その到達はCへの譲渡についてのものが先であった場合において、BがDに対してした弁済が効力を生ずるためには、Dを真の債権者であると信ずるにつき相当な理由があることを要する。
二重譲渡では、対抗要件の先後で帰趨が決まり、後順位の譲受人への弁済が有効となるには、債務者がその者を真の債権者と信ずるにつき相当な理由が必要とされる。
根拠条文:民法467条・e-Govで法令を開く民法478条・e-Govで法令を開く
民法467条―現行条文本文
第四百六十七条 (債権の譲渡の対抗要件)
債権の譲渡(現に発生していない債権の譲渡を含む。)は、譲渡人が債務者に通知をし、又は債務者が承諾をしなければ、債務者その他の第三者に対抗することができない。
前項の通知又は承諾は、確定日付のある証書によってしなければ、債務者以外の第三者に対抗することができない。
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民法478条―現行条文本文
第四百七十八条 (受領権者としての外観を有する者に対する弁済)
受領権者(債権者及び法令の規定又は当事者の意思表示によって弁済を受領する権限を付与された第三者をいう。以下同じ。)以外の者であって取引上の社会通念に照らして受領権者としての外観を有するものに対してした弁済は、その弁済をした者が善意であり、かつ、過失がなかったときに限り、その効力を有する。
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全体要旨
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