民法 第454問
教材: 民法③
司法試験 H18 第30問(改)
論点: 相殺の抗弁
問題
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AがBに対し金銭債権甲の支払を求める訴えを提起したところ、Bは、Aに対する別の金銭債権乙をもって対当額で相殺する旨の抗弁を主張した。
公式解答
5
正誤・解説
p1 /
乙が貸金債権である場合、弁済期の合意を消費貸借契約の成立の要件と考える見解に立つと、BがAに対して相殺の抗弁を主張するためには、貸金債権乙の弁済期の合意の存在を主張立証する必要がある。
弁済期の合意を消費貸借の成立要件とみる立場では、弁済期の合意がなければ貸金債権乙自体が成立しないため、相殺抗弁の前提としてその存在の主張立証が必要となる。
根拠条文:民法505条第1項・e-Govで法令を開く
民法505条第1項―現行条文本文
二人が互いに同種の目的を有する債務を負担する場合において、双方の債務が弁済期にあるときは、各債務者は、その対当額について相殺によってその債務を免れることができる。
ただし、債務の性質がこれを許さないときは、この限りでない。
民法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:46)
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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p2 /
Bの相殺の抗弁は、金銭債権甲の元本に対する抗弁となるだけでなく、相殺適状を生じた後の金銭債権甲の利息及び遅延損害金に対する抗弁にもなる。
相殺により対当額で消滅するのは元本だけでなく、相殺適状後に生じる利息・遅延損害金との関係でも抗弁となる。
根拠条文:民法506条第1項・e-Govで法令を開く民法506条第2項・e-Govで法令を開く
民法506条第1項―現行条文本文
相殺は、当事者の一方から相手方に対する意思表示によってする。
この場合において、その意思表示には、条件又は期限を付することができない。
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民法506条第2項―現行条文本文
前項の意思表示は、双方の債務が互いに相殺に適するようになった時にさかのぼってその効力を生ずる。
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p3 /
金銭債権甲が悪意による不法行為に基づく損害賠償請求権である場合には、Bの相殺の抗弁は主張自体失当となる。
悪意の不法行為に基づく損害賠償請求権は相殺禁止の対象であり、その債権に対する相殺は認められない。
根拠条文:民法509条第1号・e-Govで法令を開く
民法509条第1号―現行条文本文
第五百九条 (不法行為等により生じた債権を受働債権とする相殺の禁止)
次に掲げる債務の債務者は、相殺をもって債権者に対抗することができない。
ただし、その債権者がその債務に係る債権を他人から譲り受けたときは、この限りでない。
一 悪意による不法行為に基づく損害賠償の債務
二 人の生命又は身体の侵害による損害賠償の債務(前号に掲げるものを除く。)
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p4 /
Bは、口頭弁論期日において相殺の意思表示をした場合、相殺の意思表示をしたことを立証する必要はない。
口頭弁論期日に当事者が自白した事実や顕著な事実は証明不要とされるため、同期日にした相殺意思表示はその立証を要しない。
根拠条文:民事訴訟法179条・e-Govで法令を開く
民事訴訟法179条―現行条文本文
第百七十九条 (証明することを要しない事実)
裁判所において当事者が自白した事実及び顕著な事実は、証明することを要しない。
民事訴訟法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:15:11)
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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p5 /
Bが相殺の意思表示に条件を付したことをAが再抗弁で主張しても、主張自体失当となる。
相殺の意思表示には条件や期限を付せないので、Bが条件付で相殺をしたならその意思表示は無効となり、Aの再抗弁は失当ではなく主張として成り立つ。
根拠条文:民法506条第1項・e-Govで法令を開く
民法506条第1項―現行条文本文
相殺は、当事者の一方から相手方に対する意思表示によってする。
この場合において、その意思表示には、条件又は期限を付することができない。
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全体要旨
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