民法 第449問
教材: 民法③
司法試験 H23 第23問 / 予備試験 H23 第9問(改)
論点: 相殺
問題
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公式解答
3. イ エ
正誤・解説
p1 /
消滅時効期間の経過した債権が、その期間経過以前に債務者の有する反対債権と相殺適状にあった場合には、消滅時効の経過した債権を有する債権者は、債務者による消滅時効の援用の前後を問わず、相殺をすることができる。
508条の趣旨として、時効完成前に相殺適状にあった自働債権は、時効完成後でも相殺できるとされる。判例も、相殺の期待を保護する観点から同旨を示す。
根拠条文:民法508条・e-Govで法令を開く
民法508条―現行条文本文
第五百八条 (時効により消滅した債権を自働債権とする相殺)
時効によって消滅した債権がその消滅以前に相殺に適するようになっていた場合には、その債権者は、相殺をすることができる。
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p2 /
債務者が受働債権の譲受人に対し相殺をもって対抗することができる場合には、その相殺の意思表示は、受働債権の譲渡人にすれば足りる。
相殺の意思表示の相手方は受働債権の譲受人である。譲渡人に対する意思表示で足りるとはいえない。
根拠条文:民法506条第1項・e-Govで法令を開く民法468条第2項・e-Govで法令を開く
民法506条第1項―現行条文本文
相殺は、当事者の一方から相手方に対する意思表示によってする。
この場合において、その意思表示には、条件又は期限を付することができない。
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民法468条第2項―現行条文本文
第四百六十六条第四項の場合における前項の規定の適用については、同項中「対抗要件具備時」とあるのは、「第四百六十六条第四項の相当の期間を経過した時」とし、第四百六十六条の三の場合における同項の規定の適用については、同項中「対抗要件具備時」とあるのは、「第四百六十六条の三の規定により同条の譲受人から供託の請求を受けた時」とする。
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p3 /
悪意による不法行為に基づく損害賠償債権を自働債権とする相殺は、許される。
民法509条は一定の相殺を禁止するが、判例は、悪意の不法行為による損害賠償債権を受働債権とする相殺まで広く禁止する趣旨ではないとしている。
根拠条文:民法509条第1項第1号・e-Govで法令を開く
民法509条第1項第1号―現行条文本文
一 悪意による不法行為に基づく損害賠償の債務
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p4 /
請負人の注文者に対する請負代金債権と、注文者の請負人に対する目的物の修補に代わる損害賠償請求権とは、同時履行の関係にあるため、注文者及び請負人は、原則として共に相殺することができないが、双方の債権額が等しい場合には例外として相殺をすることができる。
請負代金債権と修補に代わる損害賠償請求権は対価関係にある同時履行債務とみるが、同時履行だから当然に相殺不可というわけではない。むしろ同額なら相殺を認め得るとする判例である。
根拠条文:民法634条第2項・e-Govで法令を開く民法533条・e-Govで法令を開く
民法634条第2項―現行条文本文
第六百三十四条 (注文者が受ける利益の割合に応じた報酬)
次に掲げる場合において、請負人が既にした仕事の結果のうち可分な部分の給付によって注文者が利益を受けるときは、その部分を仕事の完成とみなす。
この場合において、請負人は、注文者が受ける利益の割合に応じて報酬を請求することができる。
一 注文者の責めに帰することができない事由によって仕事を完成することができなくなったとき。
二 請負が仕事の完成前に解除されたとき。
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民法533条―現行条文本文
第五百三十三条 (同時履行の抗弁)
双務契約の当事者の一方は、相手方がその債務の履行(債務の履行に代わる損害賠償の債務の履行を含む。)を提供するまでは、自己の債務の履行を拒むことができる。
ただし、相手方の債務が弁済期にないときは、この限りでない。
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p5 /
有価証券に表章された金銭債権の債務者は、その債権者に対して有する弁済期にある自己の金銭債権を自働債権とし、有価証券に表章された金銭債権を受働債権として相殺する場合であっても、有価証券の占有を取得する必要はない。
有価証券に表章された金銭債権との相殺では、相殺により証券所持人を保護する必要があるが、判例は、債務者が証券の占有取得まで要しないとする。
全体要旨
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