民法 第367問
教材: 民法③
司法試験 H19 第19問(改)
論点: 詐害行為取消権
問題
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公式解答
3. イ オ
正誤・解説
p1 /
不動産の引渡請求権者は、債務者が目的不動産を第三者に対して贈与し、所有権移転登記をして無資力になった場合は、当該贈与契約を詐害行為として取り消すことができ、当該第三者に対し、直接自己への所有権移転登記を求めることができる。
判例は、詐害行為取消し後の原状回復として、常に債権者が第三者へ直接移転登記を請求できるとはしていない。特定物債権でも、無資力要件や法的構成との関係から、直ちに自己への移転登記請求は認められない場面がある。
根拠条文:民法424条第1項・e-Govで法令を開く民法424条の6第1項・e-Govで法令を開く
民法424条第1項―現行条文本文
債権者は、債務者が債権者を害することを知ってした行為の取消しを裁判所に請求することができる。
ただし、その行為によって利益を受けた者(以下この款において「受益者」という。)がその行為の時において債権者を害することを知らなかったときは、この限りでない。
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民法424条の6第1項―現行条文本文
債権者は、受益者に対する詐害行為取消請求において、債務者がした行為の取消しとともに、その行為によって受益者に移転した財産の返還を請求することができる。
受益者がその財産の返還をすることが困難であるときは、債権者は、その価額の償還を請求することができる。
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p2 /
共同相続人の間で成立した遺産分割協議は、詐害行為取消権行使の対象となり得る。
遺産分割協議も、その性質上、財産権を目的とする法律行為として詐害行為取消権の対象となり得るとする判例の立場に合致する。
根拠条文:民法424条第2項・e-Govで法令を開く
民法424条第2項―現行条文本文
前項の規定は、財産権を目的としない行為については、適用しない。
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p3 /
債務者と受益者との間の不動産売買契約が債権者の債権の発生原因よりも前にされた場合であっても、その所有権移転登記が債権者の債権の発生原因よりも後になされたときは、当該売買契約は、詐害行為取消権行使の対象となり得る。
判例は、詐害行為として問題になるのは右債権者の債権発生後にされた行為であることを要するとしている。登記が後でも、売買契約自体が債権発生前なら、原則として取消しの対象にはならない。
根拠条文:民法424条第3項・e-Govで法令を開く
民法424条第3項―現行条文本文
債権者は、その債権が第一項に規定する行為の前の原因に基づいて生じたものである場合に限り、同項の規定による請求(以下「詐害行為取消請求」という。)をすることができる。
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p4 /
離婚に伴う財産分与は詐害行為取消権行使の対象となることはないが、離婚に伴う慰謝料支払の合意は詐害行為取消権行使の対象となることがある。
財産分与も、内容や程度によっては詐害行為取消権の対象となり得る。慰謝料の合意も、損害賠償債務の範囲を超えるなど特段の事情があれば、詐害行為として問題となり得る。
根拠条文:民法424条第2項・e-Govで法令を開く民法768条第3項・e-Govで法令を開く
民法424条第2項―現行条文本文
前項の規定は、財産権を目的としない行為については、適用しない。
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民法768条第3項―現行条文本文
前項の場合には、家庭裁判所は、離婚後の当事者間の財産上の衡平を図るため、当事者双方がその婚姻中に取得し、又は維持した財産の額及びその取得又は維持についての各当事者の寄与の程度、婚姻の期間、婚姻中の生活水準、婚姻中の協力及び扶助の状況、各当事者の年齢、心身の状況、職業及び収入その他一切の事情を考慮して、分与をさせるべきかどうか並びに分与の額及び方法を定める。
この場合において、婚姻中の財産の取得又は維持についての各当事者の寄与の程度は、その程度が異なることが明らかでないときは、相等しいものとする。
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p5 /
不動産が債務者から受益者へ、受益者から転得者へと順次譲渡された場合において、債権者が、債務者の一般財産を回復させるため、受益者を被告として、債務者と受益者との間の譲渡行為を詐害行為として取り消すときは、価格賠償を請求しなければならない。
受益者から転得者へ譲渡され、受益者からの原状回復が困難な場合には、民法424条の6第1項により、債権者は価額賠償を請求できる。
根拠条文:民法424条第1項・e-Govで法令を開く民法424条の6第1項・e-Govで法令を開く民法424条第2項・e-Govで法令を開く民法424条第3項・e-Govで法令を開く民法424条の6第9項・e-Govで法令を開く
民法424条第1項―現行条文本文
債権者は、債務者が債権者を害することを知ってした行為の取消しを裁判所に請求することができる。
ただし、その行為によって利益を受けた者(以下この款において「受益者」という。)がその行為の時において債権者を害することを知らなかったときは、この限りでない。
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民法424条の6第1項―現行条文本文
債権者は、受益者に対する詐害行為取消請求において、債務者がした行為の取消しとともに、その行為によって受益者に移転した財産の返還を請求することができる。
受益者がその財産の返還をすることが困難であるときは、債権者は、その価額の償還を請求することができる。
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民法424条第2項―現行条文本文
前項の規定は、財産権を目的としない行為については、適用しない。
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民法424条第3項―現行条文本文
債権者は、その債権が第一項に規定する行為の前の原因に基づいて生じたものである場合に限り、同項の規定による請求(以下「詐害行為取消請求」という。)をすることができる。
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民法424条の6第9項―現行条文本文
第四百二十四条の六 (財産の返還又は価額の償還の請求)
債権者は、受益者に対する詐害行為取消請求において、債務者がした行為の取消しとともに、その行為によって受益者に移転した財産の返還を請求することができる。
受益者がその財産の返還をすることが困難であるときは、債権者は、その価額の償還を請求することができる。
債権者は、転得者に対する詐害行為取消請求において、債務者がした行為の取消しとともに、転得者が転得した財産の返還を請求することができる。
転得者がその財産の返還をすることが困難であるときは、債権者は、その価額の償還を請求することができる。
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全体要旨
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