民法 第357問
教材: 民法③
司法試験 H21 第18問(改)
論点: 債権者代位権
問題
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公式解答
2
正誤・解説
1 /
AがBのCに対する債権の譲渡を受けた場合、AはBに代位して債権譲渡の通知をCに対してすることができる。
判例上、債権者代位権で行使できるのは債務者に属する権利に限られ、債権譲渡通知のような譲渡人の対第三者行為は代位行使の対象にならないとされています。
根拠条文:民法423条第1項・e-Govで法令を開く民法467条第1項・e-Govで法令を開く
民法423条第1項―現行条文本文
債権者は、自己の債権を保全するため必要があるときは、債務者に属する権利(以下「被代位権利」という。)を行使することができる。
ただし、債務者の一身に専属する権利及び差押えを禁じられた権利は、この限りでない。
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民法467条第1項―現行条文本文
債権の譲渡(現に発生していない債権の譲渡を含む。)は、譲渡人が債務者に通知をし、又は債務者が承諾をしなければ、債務者その他の第三者に対抗することができない。
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2 /
Cに名誉を侵害されたBがCに対して慰謝料の支払を求めて交渉した後、Cが一定額の慰謝料の支払を約する合意が成立したときは、Bの債権者AがBに代位してCに対して慰謝料の支払を求めることができる。
慰謝料請求権は、具体的金額の合意などで客観的に特定されれば、債務者の一身専属性が弱まり、債権者代位の対象となり得ると判示されています。
根拠条文:民法710条・e-Govで法令を開く
民法710条―現行条文本文
第七百十条 (財産以外の損害の賠償)
他人の身体、自由若しくは名誉を侵害した場合又は他人の財産権を侵害した場合のいずれであるかを問わず、前条の規定により損害賠償の責任を負う者は、財産以外の損害に対しても、その賠償をしなければならない。
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3 /
被相続人の遺言ですべての遺産を相続した法定相続人Cに対して、他の法定相続人Bが遺留分侵害額請求権を行使しないためこれが時効消滅する危険があるときは、Bの債権者Aは遺留分侵害額請求権を代位して行使することができる。
遺留分侵害額請求権は、原則として被相続人の財産処分の調整を目的とする一身専属性の強い権利で、特段の事情がない限り債権者代位の対象にならないとされています。
根拠条文:民法1046条第1項・e-Govで法令を開く民法1031条・e-Govで法令を開く民法1043条・e-Govで法令を開く民法1046条・e-Govで法令を開く民法1049条・e-Govで法令を開く
民法1046条第1項―現行条文本文
遺留分権利者及びその承継人は、受遺者(特定財産承継遺言により財産を承継し又は相続分の指定を受けた相続人を含む。以下この章において同じ。)又は受贈者に対し、遺留分侵害額に相当する金銭の支払を請求することができる。
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民法1031条―現行条文本文
第千三十一条 (配偶者居住権の登記等)
居住建物の所有者は、配偶者(配偶者居住権を取得した配偶者に限る。以下この節において同じ。)に対し、配偶者居住権の設定の登記を備えさせる義務を負う。
第六百五条の規定は配偶者居住権について、第六百五条の四の規定は配偶者居住権の設定の登記を備えた場合について準用する。
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民法1043条―現行条文本文
第千四十三条 (遺留分を算定するための財産の価額)
遺留分を算定するための財産の価額は、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額にその贈与した財産の価額を加えた額から債務の全額を控除した額とする。
条件付きの権利又は存続期間の不確定な権利は、家庭裁判所が選任した鑑定人の評価に従って、その価格を定める。
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民法1046条―現行条文本文
第千四十六条 (遺留分侵害額の請求)
遺留分権利者及びその承継人は、受遺者(特定財産承継遺言により財産を承継し又は相続分の指定を受けた相続人を含む。以下この章において同じ。)又は受贈者に対し、遺留分侵害額に相当する金銭の支払を請求することができる。
遺留分侵害額は、第千四十二条の規定による遺留分から第一号及び第二号に掲げる額を控除し、これに第三号に掲げる額を加算して算定する。
一 遺留分権利者が受けた遺贈又は第九百三条第一項に規定する贈与の価額
二 第九百条から第九百二条まで、第九百三条及び第九百四条の規定により算定した相続分に応じて遺留分権利者が取得すべき遺産の価額
三 被相続人が相続開始の時において有した債務のうち、第八百九十九条の規定により遺留分権利者が承継する債務(次条第三項において「遺留分権利者承継債務」という。)の額
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民法1049条―現行条文本文
第千四十九条 (遺留分の放棄)
相続の開始前における遺留分の放棄は、家庭裁判所の許可を受けたときに限り、その効力を生ずる。
共同相続人の一人のした遺留分の放棄は、他の各共同相続人の遺留分に影響を及ぼさない。
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4 /
AのBに対する債権がBの所有地の賃借権である場合、Aは、Bが無資力でなければ、その土地の不法占拠者Cに対する物権的請求権を代位行使することができない。
賃借権のような被保全債権でも、債権保全の必要があれば債権者代位は可能で、無資力は常に必要ではありません。判例も土地賃借人による土地妨害排除請求の代位行使を認めています。
根拠条文:民法423条・e-Govで法令を開く民法605条の4・e-Govで法令を開く民法605条の2第1項・e-Govで法令を開く民法605条の2第2号・e-Govで法令を開く
民法423条―現行条文本文
第四百二十三条 (債権者代位権の要件)
債権者は、自己の債権を保全するため必要があるときは、債務者に属する権利(以下「被代位権利」という。)を行使することができる。
ただし、債務者の一身に専属する権利及び差押えを禁じられた権利は、この限りでない。
債権者は、その債権の期限が到来しない間は、被代位権利を行使することができない。
ただし、保存行為は、この限りでない。
債権者は、その債権が強制執行により実現することのできないものであるときは、被代位権利を行使することができない。
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民法605条の4―現行条文本文
第六百五条の四 (不動産の賃借人による妨害の停止の請求等)
不動産の賃借人は、第六百五条の二第一項に規定する対抗要件を備えた場合において、次の各号に掲げるときは、それぞれ当該各号に定める請求をすることができる。
一 その不動産の占有を第三者が妨害しているとき
その第三者に対する妨害の停止の請求
二 その不動産を第三者が占有しているとき
その第三者に対する返還の請求
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民法605条の2第1項―現行条文本文
前条、借地借家法(平成三年法律第九十号)第十条又は第三十一条その他の法令の規定による賃貸借の対抗要件を備えた場合において、その不動産が譲渡されたときは、その不動産の賃貸人たる地位は、その譲受人に移転する。
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民法605条の2第2号―現行条文本文
第六百五条の二 (不動産の賃貸人たる地位の移転)
前条、借地借家法(平成三年法律第九十号)第十条又は第三十一条その他の法令の規定による賃貸借の対抗要件を備えた場合において、その不動産が譲渡されたときは、その不動産の賃貸人たる地位は、その譲受人に移転する。
前項の規定にかかわらず、不動産の譲渡人及び譲受人が、賃貸人たる地位を譲渡人に留保する旨及びその不動産を譲受人が譲渡人に賃貸する旨の合意をしたときは、賃貸人たる地位は、譲受人に移転しない。
この場合において、譲渡人と譲受人又はその承継人との間の賃貸借が終了したときは、譲渡人に留保されていた賃貸人たる地位は、譲受人又はその承継人に移転する。
第一項又は前項後段の規定による賃貸人たる地位の移転は、賃貸物である不動産について所有権の移転の登記をしなければ、賃借人に対抗することができない。
第一項又は第二項後段の規定により賃貸人たる地位が譲受人又はその承継人に移転したときは、第六百八条の規定による費用の償還に係る債務及び第六百二十二条の二第一項の規定による同項に規定する敷金の返還に係る債務は、譲受人又はその承継人が承継する。
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5 /
BがCを認知した場合、Bの推定相続人であるAは、Bに代位してその認知を取り消すことができる。
認知は、被認知者に対する父の身分関係を生じさせる行為で、推定相続人が自らの期待権を守るために債権者代位で取り消すことはできないとされています。
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民法423条―現行条文本文
第四百二十三条 (債権者代位権の要件)
債権者は、自己の債権を保全するため必要があるときは、債務者に属する権利(以下「被代位権利」という。)を行使することができる。
ただし、債務者の一身に専属する権利及び差押えを禁じられた権利は、この限りでない。
債権者は、その債権の期限が到来しない間は、被代位権利を行使することができない。
ただし、保存行為は、この限りでない。
債権者は、その債権が強制執行により実現することのできないものであるときは、被代位権利を行使することができない。
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