民法 第353問
教材: 民法③
司法試験 R06 第18問
論点: 債務不履行による損害賠償
問題
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公式解答
5. エ オ
正誤・解説
p1 /
安全配慮義務違反を理由とする債務不履行による損害賠償債務は、債務者が債権者から履行の請求を受けた時から履行遅滞に陥る。
民法412条3項は、履行期を定めないときは履行請求を受けた時から遅滞に陥るとしており、判例もこれに沿う。したがって「安全配慮義務違反だから当然に請求時から」という限定なく、記述は判例趣旨に合わない。
根拠条文:民法412条第3項・e-Govで法令を開く民法709条・e-Govで法令を開く
民法412条第3項―現行条文本文
債務の履行について期限を定めなかったときは、債務者は、履行の請求を受けた時から遅滞の責任を負う。
民法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:46)
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民法709条―現行条文本文
第七百九条 (不法行為による損害賠償)
故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
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p2 /
絵画甲の売主がその債務について遅滞の責任を負っている間に、売主及び買主の責めに帰することができない事由により甲が滅失したときは、買主は、売主に対し、その債務の履行に代わる損害賠償を請求することができる。
民法415条1項・2項の関係から、債務不履行中に当事者双方の責めに帰することができない事由で履行不能となれば、履行に代わる損害賠償を請求し得る。判例趣旨に沿う。
根拠条文:民法415条第1項・e-Govで法令を開く民法415条第2項第1号・e-Govで法令を開く
民法415条第1項―現行条文本文
債務者がその債務の本旨に従った履行をしないとき又は債務の履行が不能であるときは、債権者は、これによって生じた損害の賠償を請求することができる。
ただし、その債務の不履行が契約その他の債務の発生原因及び取引上の社会通念に照らして債務者の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない。
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民法415条第2項第1号―現行条文本文
一 債務の履行が不能であるとき。
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p3 /
債務者が、その債務の履行が不能となったのと同一の原因により債務の目的物の代償である利益を取得したときは、債権者は、その受けた損害の額の限度において、債務者に対し、その利益の償還を請求することができる。
民法422条2項は、履行不能と同一原因で代償利益を得た場合、債権者は損害額の限度で権利移転や償還を請求できるとする。記述は条文趣旨に合致する。
根拠条文:民法422条第2項・e-Govで法令を開く
民法422条第2項―現行条文本文
第四百二十二条 (損害賠償による代位)
債権者が、損害賠償として、その債権の目的である物又は権利の価額の全部の支払を受けたときは、債務者は、その物又は権利について当然に債権者に代位する。
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p4 /
乙土地の売買において、売主がその所有権移転義務を履行不能とした場合には、売主が履行不能時に乙土地が騰貴しつつあることを知っていたとしても、買主が転売目的を有していなければ、買主は、売主に対し、乙土地の騰貴した現在の価格を基準としてその債務の履行に代わる賠償請求をすることができない。
判例は、目的物を不法処分して履行不能とした場合、騰貴継続など特別事情を知っていた等の事情があれば、転売目的がなくても現在価格基準で損害算定し得るとする。したがって転売目的の有無を要件とする本記述は誤り。
p5 /
契約の一方当事者Aが、契約締結に先立ち、信義則上の説明義務に違反して、当該契約を締結するか否かに関する判断に影響を及ぼすべき情報を他方当事者Bに提供しなかったときは、Aは、Bに対し、Bが当該契約を締結したことにより受けた損害につき、当該契約上の債務不履行による賠償責任を負う。
説明義務違反に基づく責任は、通常は契約締結上の過失や不法行為として問題となる。後に成立した契約の「契約上の債務不履行」とまではいえないとする判例趣旨に反する。
全体要旨
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