民法 第322問
教材: 民法②
司法試験 H29 第14問(改)
論点: 質権又は譲渡担保権
問題
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公式解答
2
正誤・解説
1 /
同一の動産について複数の質権を設定することはできないが、同一の動産について複数の譲渡担保権を設定することはできる。
判例は、質権についても重複設定を認める趣旨を示しており、同一動産への複数の質権設定は否定されない。また、譲渡担保も同一動産に複数設定し得る前提で順位が問題となる。
根拠条文:民法344条・e-Govで法令を開く民法184条・e-Govで法令を開く民法355条・e-Govで法令を開く
民法344条―現行条文本文
第三百四十四条 (質権の設定)
質権の設定は、債権者にその目的物を引き渡すことによって、その効力を生ずる。
民法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:46)
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民法184条―現行条文本文
第百八十四条 (指図による占有移転)
代理人によって占有をする場合において、本人がその代理人に対して以後第三者のためにその物を占有することを命じ、その第三者がこれを承諾したときは、その第三者は、占有権を取得する。
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民法355条―現行条文本文
第三百五十五条 (動産質権の順位)
同一の動産について数個の質権が設定されたときは、その質権の順位は、設定の前後による。
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2 /
動産を目的とする質権は占有改定の方法によるその動産の引渡しによっては効力を生じないが、動産を目的とする譲渡担保権は、その設定契約によって設定され、占有改定の方法によるその動産の引渡しがあれば、譲渡担保権者は第三者に譲渡担保権を対抗することができる。
動産質権は引渡しが成立要件であり、占有改定では足りない。他方、動産譲渡担保は設定契約で成立し、占有改定による引渡しがあれば第三者対抗要件を満たすと説明されている。
根拠条文:民法345条・e-Govで法令を開く民法183条・e-Govで法令を開く
民法345条―現行条文本文
第三百四十五条 (質権設定者による代理占有の禁止)
質権者は、質権設定者に、自己に代わって質物の占有をさせることができない。
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民法183条―現行条文本文
第百八十三条 (占有改定)
代理人が自己の占有物を以後本人のために占有する意思を表示したときは、本人は、これによって占有権を取得する。
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3 /
債権質の目的である債権の弁済期が到来した場合には、被担保債権の弁済期が到来していないときであっても、質権者は、債権質の目的である債権を直接に取り立てることができる。
債権質では、目的債権の弁済期到来だけでは直ちに取り立てできず、被担保債権の弁済期との関係が問題となる。説明文では、被担保債権の弁済期が未到来なら第三債務者への供託等を求めるにとどまるとされる。
根拠条文:民法366条第2項・e-Govで法令を開く民法366条第3項・e-Govで法令を開く
民法366条第2項―現行条文本文
債権の目的物が金銭であるときは、質権者は、自己の債権額に対応する部分に限り、これを取り立てることができる。
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民法366条第3項―現行条文本文
前項の債権の弁済期が質権者の債権の弁済期前に到来したときは、質権者は、第三債務者にその弁済をすべき金額を供託させることができる。
この場合において、質権は、その供託金について存在する。
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4 /
法改正(平29法44)により削除
設問本文では「法改正(平29法44)により削除」と明示されているため、判断対象ではない。
5 /
動産を目的とする譲渡担保権が設定されている場合、その設定者は、正当な権原なくその動産を占有する者に対し、その動産の返還を請求することができない。
判例は、譲渡担保の趣旨から、担保目的物を正当な権原なく占有する者に対しては、設定者が返還請求できる場合があるとしている。したがって、全面的に請求できないとする本肢は誤り。
全体要旨
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