民法 第265問
教材: 民法②
司法試験 R05 第13問
論点: 先取特権の順位及び効力
問題
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公式解答
3. イ エ
正誤・解説
p1 /
Aの不動産賃貸の先取特権の目的である動産甲について、BがAの利益となる保存をしたことにより動産保存の先取特権を取得したときは、Aは、Bに対し、その優先権を行使することができない。
動産保存の先取特権は、不動産賃貸の先取特権より後順位でも、保存者が第一順位の先取特権者のために保存した場合は同順位扱いとなりうる。したがって、AがBに優先権を行使できないとはいえない。
根拠条文:民法330条第1項・e-Govで法令を開く民法330条第2項・e-Govで法令を開く
民法330条第1項―現行条文本文
同一の動産について特別の先取特権が互いに競合する場合には、その優先権の順位は、次に掲げる順序に従う。
この場合において、第二号に掲げる動産の保存の先取特権について数人の保存者があるときは、後の保存者が前の保存者に優先する。
一 不動産の賃貸、旅館の宿泊及び運輸の先取特権
二 動産の保存の先取特権
三 動産の売買、種苗又は肥料の供給、農業の労務及び工業の労務の先取特権
民法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:46)
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民法330条第2項―現行条文本文
前項の場合において、第一順位の先取特権者は、その債権取得の時において第二順位又は第三順位の先取特権者があることを知っていたときは、これらの者に対して優先権を行使することができない。
第一順位の先取特権者のために物を保存した者に対しても、同様とする。
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p2 /
Aが賃貸した土地で収穫された果実がAの不動産賃貸の先取特権の目的である場合において、その果実に対してBが農業労務の先取特権を有するときは、Aは、Bに対し、その優先権を行使することができる。
果実については、農業労務の先取特権が不動産賃貸の先取特権より上位である。したがって、AはBに対して優先権を行使できない。
根拠条文:民法330条第1項第3号・e-Govで法令を開く民法330条第3項・e-Govで法令を開く
民法330条第1項第3号―現行条文本文
三 動産の売買、種苗又は肥料の供給、農業の労務及び工業の労務の先取特権
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民法330条第3項―現行条文本文
果実に関しては、第一の順位は農業の労務に従事する者に、第二の順位は種苗又は肥料の供給者に、第三の順位は土地の賃貸人に属する。
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p3 /
AがBに対してA所有の動産甲を売却して現実の引渡しをした後、BがCに対して甲を売却し、Bが甲を以後Cのために占有する旨の合意がB C間でされたときは、Aは、甲について、動産売買の先取特権を行使することができない。
現実の引渡し後でも、BがCのために占有する旨の合意があると、民法333条の「第三者への引渡し」に占有改定も含まれるため、Aの先取特権は行使できない。
根拠条文:民法321条・e-Govで法令を開く民法333条・e-Govで法令を開く民法183条・e-Govで法令を開く
民法321条―現行条文本文
第三百二十一条 (動産売買の先取特権)
動産の売買の先取特権は、動産の代価及びその利息に関し、その動産について存在する。
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民法333条―現行条文本文
第三百三十三条 (先取特権と第三取得者)
先取特権は、債務者がその目的である動産をその第三取得者に引き渡した後は、その動産について行使することができない。
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民法183条―現行条文本文
第百八十三条 (占有改定)
代理人が自己の占有物を以後本人のために占有する意思を表示したときは、本人は、これによって占有権を取得する。
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p4 /
AがBに対して動産甲を売却したことにより甲につき動産売買の先取特権を有する場合において、Bが甲につきCのために質権を設定したときは、Aは、Cの質権に先立って、その先取特権を行使することができる。
先取特権と動産質権が競合すると、質権者は第一順位の先取特権者と同一の権利を有する。BがCのために質権を設定した場合、Cが先取特権に優先するとはいえないため、記述は誤り。
根拠条文:民法334条・e-Govで法令を開く民法330条第1項第3号・e-Govで法令を開く
民法334条―現行条文本文
第三百三十四条 (先取特権と動産質権との競合)
先取特権と動産質権とが競合する場合には、動産質権者は、第三百三十条の規定による第一順位の先取特権者と同一の権利を有する。
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民法330条第1項第3号―現行条文本文
三 動産の売買、種苗又は肥料の供給、農業の労務及び工業の労務の先取特権
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p5 /
A所有の建物について、Bが登記をした不動産保存の先取特権を有し、Cが登記をした抵当権を有するときは、Bの登記がCの登記に後れたとしても、Bは、Cの抵当権に先立って、その先取特権を行使することができる。
不動産保存の先取特権は登記により対抗力を保つが、登記の先後で抵当権に対する優劣が決まるわけではない。前二条に従う登記済み先取特権は抵当権に先立って行使できる。
根拠条文:民法337条・e-Govで法令を開く民法339条・e-Govで法令を開く
民法337条―現行条文本文
第三百三十七条 (不動産保存の先取特権の登記)
不動産の保存の先取特権の効力を保存するためには、保存行為が完了した後直ちに登記をしなければならない。
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民法339条―現行条文本文
第三百三十九条 (登記をした不動産保存又は不動産工事の先取特権)
前二条の規定に従って登記をした先取特権は、抵当権に先立って行使することができる。
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全体要旨
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