民法 第248問
教材: 民法②
司法試験 H23 第12問 / 予備試験 H23 第5問
論点: 留置権と同時履行の抗弁権
問題
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ア、イ、ウ、エ、オの各記述について誤っているものの組合せを選ぶ。
公式解答
5. エ オ
正誤・解説
p1 /
留置権によって拒絶できる給付の内容は、物の引渡しであるが、同時履行の抗弁権によって拒絶することができる給付の内容は、物の引渡しに限られない。
留置権は他人の物の占有を前提とし、物の引渡しとの関係で機能する。他方、同時履行の抗弁権は双務契約上の一方当事者の地位から認められ、給付内容は引渡しに限られない。
根拠条文:民法295条第1項・e-Govで法令を開く民法533条・e-Govで法令を開く
民法295条第1項―現行条文本文
他人の物の占有者は、その物に関して生じた債権を有するときは、その債権の弁済を受けるまで、その物を留置することができる。
ただし、その債権が弁済期にないときは、この限りでない。
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民法533条―現行条文本文
第五百三十三条 (同時履行の抗弁)
双務契約の当事者の一方は、相手方がその債務の履行(債務の履行に代わる損害賠償の債務の履行を含む。)を提供するまでは、自己の債務の履行を拒むことができる。
ただし、相手方の債務が弁済期にないときは、この限りでない。
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p2 /
特定動産の売買契約の売主が目的物の占有を失った場合には、買主からの当該目的物の引渡請求に対し、もはや留置権を行使することはできないが、代金支払との同時履行を主張することはできる。
留置権は占有喪失で消滅するため、目的物の占有を失えば行使できない。他方、同時履行の抗弁権は双務契約当事者間の抗弁なので、代金支払との関係で主張し得る。
根拠条文:民法302条・e-Govで法令を開く民法533条・e-Govで法令を開く
民法302条―現行条文本文
第三百二条 (占有の喪失による留置権の消滅)
留置権は、留置権者が留置物の占有を失うことによって、消滅する。
ただし、第二百九十八条第二項の規定により留置物を賃貸し、又は質権の目的としたときは、この限りでない。
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民法533条―現行条文本文
第五百三十三条 (同時履行の抗弁)
双務契約の当事者の一方は、相手方がその債務の履行(債務の履行に代わる損害賠償の債務の履行を含む。)を提供するまでは、自己の債務の履行を拒むことができる。
ただし、相手方の債務が弁済期にないときは、この限りでない。
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p3 /
留置権を行使されている者は、相当の担保を供してその消滅を請求することができるが、同時履行の抗弁権を行使されている者は、相当の担保を供してその消滅を請求することができない。
301条は債務者が相当の担保を供して留置権の消滅を請求できると定めるが、同時履行の抗弁権について同様の規定はない。したがって、この記述は正しい。
根拠条文:民法301条・e-Govで法令を開く民法533条・e-Govで法令を開く
民法301条―現行条文本文
第三百一条 (担保の供与による留置権の消滅)
債務者は、相当の担保を供して、留置権の消滅を請求することができる。
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民法533条―現行条文本文
第五百三十三条 (同時履行の抗弁)
双務契約の当事者の一方は、相手方がその債務の履行(債務の履行に代わる損害賠償の債務の履行を含む。)を提供するまでは、自己の債務の履行を拒むことができる。
ただし、相手方の債務が弁済期にないときは、この限りでない。
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p4 /
物の引渡しを請求する訴訟において被告の同時履行の抗弁が認められた場合は、被告に対して、原告の負う債務の履行との引換給付判決がされることになり、被告の留置権の抗弁が認められた場合は、請求棄却の判決がされる。
同時履行の抗弁が認められたときは、引換給付判決となるのが原則である。他方、留置権の抗弁が認められても常に請求棄却になるのではなく、留置的効果を前提に引換給付判決となる場合があるため、この記述は誤り。
根拠条文:民法533条・e-Govで法令を開く
民法533条―現行条文本文
第五百三十三条 (同時履行の抗弁)
双務契約の当事者の一方は、相手方がその債務の履行(債務の履行に代わる損害賠償の債務の履行を含む。)を提供するまでは、自己の債務の履行を拒むことができる。
ただし、相手方の債務が弁済期にないときは、この限りでない。
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p5 /
双務契約の当事者の一方が、相手方に対して同時履行の抗弁権を行使することができるときでも、その相手方の債権について債権者代位権を行使する者に対しては、同時履行の抗弁権を行使することができない。
債権者代位権を行使する者には、被代位者が有する抗弁を対抗できる。したがって、相手方が原債権者に対して同時履行の抗弁権を主張できるときは、代位債権者にも主張でき、この記述は誤り。
根拠条文:民法423条の4・e-Govで法令を開く
民法423条の4―現行条文本文
第四百二十三条の四 (相手方の抗弁)
債権者が被代位権利を行使したときは、相手方は、債務者に対して主張することができる抗弁をもって、債権者に対抗することができる。
民法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:46)
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全体要旨
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