民法 第210問
教材: 民法②
司法試験 H28 第10問
論点: 相隣関係及び地役権
問題
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公式解答
4. イ オ
正誤・解説
p1 /
共有物の分割によって袋地(他人の土地に囲まれて公道に通じない土地)が生じた場合、当該袋地の所有者は、囲繞地(袋地を囲んでいる土地)のうち、他の分割者の所有地についてのみ無償の通行権を有するが、その通行権は、他の分割者の所有地について売買がされた場合には消滅する。
判例は、共有物分割で生じた袋地について、通行権は「他の分割者の所有地」だけでなく、売買で第三者に移っても消滅しないとしている。よって、本肢の「売買で消滅する」は誤り。
根拠条文:民法213条・e-Govで法令を開く
民法213条―現行条文本文
第二百十三条
分割によって公道に通じない土地が生じたときは、その土地の所有者は、公道に至るため、他の分割者の所有地のみを通行することができる。
この場合においては、償金を支払うことを要しない。
前項の規定は、土地の所有者がその土地の一部を譲り渡した場合について準用する。
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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p2 /
袋地の所有権を取得した者は、所有権取得登記を経由していなくても、囲繞地の所有者及び囲繞地につき利用権を有する者に対して、公道に至るため囲繞地を通行する権利を主張することができる。
判例は、袋地所有者が所有権取得登記を経ていなくても、囲繞地通行権を主張できるとしている。公示制度の問題ではなく、相隣関係としての通行受忍義務の調整だからである。
根拠条文:民法210条・e-Govで法令を開く民法177条・e-Govで法令を開く
民法210条―現行条文本文
第二百十条 (公道に至るための他の土地の通行権)
他の土地に囲まれて公道に通じない土地の所有者は、公道に至るため、その土地を囲んでいる他の土地を通行することができる。
池沼、河川、水路若しくは海を通らなければ公道に至ることができないとき、又は崖がけがあって土地と公道とに著しい高低差があるときも、前項と同様とする。
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民法177条―現行条文本文
第百七十七条 (不動産に関する物権の変動の対抗要件)
不動産に関する物権の得喪及び変更は、不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)その他の登記に関する法律の定めるところに従いその登記をしなければ、第三者に対抗することができない。
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p3 /
甲土地を所有するAは、甲土地の賃借人であるBがC所有の乙土地の上に通路を開設した場合でも、Aがその通路の利用を20年間継続していたときには、甲土地を要役地、乙土地を承役地とする通行地役権の時効取得を主張することができる。
通行地役権の時効取得には、判例上、継続・外形的認識に加え、要役地たるべき他人所有地上への通路開設が必要で、それは要役地所有者によってされる必要がある。本肢は賃借人Bによる開設なので不可。
根拠条文:民法283条・e-Govで法令を開く
民法283条―現行条文本文
第二百八十三条 (地役権の時効取得)
地役権は、継続的に行使され、かつ、外形上認識することができるものに限り、時効によって取得することができる。
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p4 /
甲土地を所有するAと、乙土地を所有するBとの間で、甲土地を要役地、乙土地を承役地とする通行地役権設定の合意がされたが、通行地役権の設定登記がない場合、その後、Aから甲土地を譲り受けたCは、甲土地の所有権移転の登記を経由しても、Bに対し、通行地役権を主張することはできない。
判例は、地役権は承役地所有者に対しても主張し得るとし、地役権設定合意があれば、譲受人は所有権移転登記後であってもその負担を承継する。本肢は「主張できない」とするので誤り。
根拠条文:民法280条・e-Govで法令を開く民法177条・e-Govで法令を開く
民法280条―現行条文本文
第二百八十条 (地役権の内容)
地役権者は、設定行為で定めた目的に従い、他人の土地を自己の土地の便益に供する権利を有する。
ただし、第三章第一節(所有権の限界)の規定(公の秩序に関するものに限る。)に違反しないものでなければならない。
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民法177条―現行条文本文
第百七十七条 (不動産に関する物権の変動の対抗要件)
不動産に関する物権の得喪及び変更は、不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)その他の登記に関する法律の定めるところに従いその登記をしなければ、第三者に対抗することができない。
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p5 /
甲土地をAとBが共有する場合において、Bが、甲土地を要役地、C所有の乙土地を承役地とする通行地役権を時効により取得したときは、Aも、甲土地を要役地、乙土地を承役地とする通行地役権を取得する。
共有者の一人が地役権を時効取得すると、他の共有者もこれを取得するとするのが民法284条1項。したがって、Bが時効取得した場合にAも取得する。
根拠条文:民法284条第1項・e-Govで法令を開く
民法284条第1項―現行条文本文
土地の共有者の一人が時効によって地役権を取得したときは、他の共有者も、これを取得する。
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全体要旨
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