民法 第200問
教材: 民法②
司法試験 R03 第8問
論点: 占有権
問題
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公式解答
1
正誤・解説
proposition_1 /
Aが自己所有の甲土地につき宅地造成工事を開始したために、隣接する乙土地に危険が生じている場合、乙土地に居住するBは、工事開始時から1年が経過したときであっても、工事が完成する前であれば、Aに対して占有保全の訴えを提起することができる。
占有保持の訴えは、妨害の存する間又は消滅後1年以内に提起できるが、工事により占有物に損害を生じるおそれがある場合は、工事着手後1年経過又は工事完成時には提起できない。
根拠条文:民法201条第2項・e-Govで法令を開く
民法201条第2項―現行条文本文
占有保全の訴えは、妨害の危険の存する間は、提起することができる。
この場合において、工事により占有物に損害を生ずるおそれがあるときは、前項ただし書の規定を準用する。
民法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:46)
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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proposition_2 /
Aが占有していた動産甲をBが奪取した場合において、Bが甲の所有者であることが明らかになったときは、Aによる占有回収の訴えは認められない。
占有回収の訴えは、相手方の所有権の有無とは別に、原則として占有侵害の回復を求めるもの。所有者であることが明らかでも、防御方法として所有権を主張することは許されないとされる。
根拠条文:民法202条第2項・e-Govで法令を開く
民法202条第2項―現行条文本文
占有の訴えについては、本権に関する理由に基づいて裁判をすることができない。
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proposition_3 /
AがB所有の動産甲を無断でCに賃貸した後、Cの責めに帰すべき事由によって甲が損傷した場合、Bから甲の返還を求められたCは、甲の所有者がAであると過失なく信じていたとしても、その損害の全部の賠償をしなければならない。
占有物が占有者の責めに帰すべき事由で損傷した場合、悪意の占有者は全部賠償、善意の占有者も原則として現に利益を受ける限度の賠償だが、所有の意思のない占有者には全部賠償が問題となる。
根拠条文:民法191条・e-Govで法令を開く
民法191条―現行条文本文
第百九十一条 (占有者による損害賠償)
占有物が占有者の責めに帰すべき事由によって滅失し、又は損傷したときは、その回復者に対し、悪意の占有者はその損害の全部の賠償をする義務を負い、善意の占有者はその滅失又は損傷によって現に利益を受けている限度において賠償をする義務を負う。
ただし、所有の意思のない占有者は、善意であるときであっても、全部の賠償をしなければならない。
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proposition_4 /
Aが、自己が占有する動産甲をBに売却し、甲を以後Bのために占有する旨の意思を表示したときは、Bは、甲の占有権を取得する。
代理占有に関する183条により、自己の占有物を以後本人のために占有する意思表示をすれば、本人は占有権を取得する。売買後にBのために占有する意思表示をしたなら、Bに占有権が移る。
根拠条文:民法183条・e-Govで法令を開く
民法183条―現行条文本文
第百八十三条 (占有改定)
代理人が自己の占有物を以後本人のために占有する意思を表示したときは、本人は、これによって占有権を取得する。
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proposition_5 /
動産甲をその所有者Aから賃借して占有していたBが、Aとの間で、Aから甲を買い受けてAの占有権を譲り受ける旨の合意をしたときは、Bの占有は、自己占有となる。
権原の性質上自己占有といえない場合でも、占有者が所有意思を示し、または新たな権原により所有意思をもって占有を始めれば占有の性質は変わる。賃借人Bが買受け合意により所有意思を持てば自己占有となる。
根拠条文:民法185条・e-Govで法令を開く
民法185条―現行条文本文
第百八十五条 (占有の性質の変更)
権原の性質上占有者に所有の意思がないものとされる場合には、その占有者が、自己に占有をさせた者に対して所有の意思があることを表示し、又は新たな権原により更に所有の意思をもって占有を始めるのでなければ、占有の性質は、変わらない。
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全体要旨
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