民法 第162問
教材: 民法②
司法試験 R03 第7問
論点: 物権変動
問題
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公式解答
4. イ オ
正誤・解説
A /
Aは、その所有する甲土地上に、Bのために第一順位の抵当権を、Cのために第二順位の抵当権をそれぞれ設定し、その登記がされた。その後、Cが甲土地をAから相続によって取得した場合であっても、第二順位の抵当権は混同により消滅しない。
同一物について所有権と物権が同一人に帰属すると原則として消滅するが、順位関係などにより後順位抵当権が消滅しない場合がある。本肢は、Cが相続で所有権を取得した後の第二順位抵当権は混同で消滅するとする判例趣旨に反する。
根拠条文:民法179条第1項・e-Govで法令を開く
民法179条第1項―現行条文本文
同一物について所有権及び他の物権が同一人に帰属したときは、当該他の物権は、消滅する。
ただし、その物又は当該他の物権が第三者の権利の目的であるときは、この限りでない。
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B /
Aがその所有する甲土地をBに売却した後、Bが甲土地をCに転売し、それぞれの旨の登記がされた。その後、Aは詐欺を理由としてBとの売買契約を取り消した。Cは、Aの売買の意思表示が詐欺によることを過失なく知らなかった場合、甲土地の所有権の取得を妨げられない。
詐欺による意思表示の取消しは、善意でかつ過失のない第三者に対抗できない。転得者Cは第三者に当たり、Aの詐欺を知らず過失もないなら、所有権取得は妨げられない。
根拠条文:民法96条第1項・e-Govで法令を開く民法96条第3項・e-Govで法令を開く
民法96条第1項―現行条文本文
詐欺又は強迫による意思表示は、取り消すことができる。
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民法96条第3項―現行条文本文
前二項の規定による詐欺による意思表示の取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない。
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C /
AとBが、甲建物及びその敷地である乙土地を共有していたところ、乙土地のAの共有持分に抵当権が設定された。その後、その抵当権が実行され、Cがそれを買い受けた場合、甲建物のために乙土地上に地上権は成立する。
建物と敷地が共有に属する場合、敷地共有持分への抵当権実行で第三者が持分を取得しても、当然に建物のための地上権は成立しないとする判例が示されている。本肢はこれに反する。
根拠条文:民法388条・e-Govで法令を開く
民法388条―現行条文本文
第三百八十八条 (法定地上権)
土地及びその上に存する建物が同一の所有者に属する場合において、その土地又は建物につき抵当権が設定され、その実行により所有者を異にするに至ったときは、その建物について、地上権が設定されたものとみなす。
この場合において、地代は、当事者の請求により、裁判所が定める。
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D /
Aがその所有する甲土地をBに売却した後、Bが甲土地をCに転売し、それぞれの旨の登記がされた。その後、AとBとの間の売買契約は、Aが成年被後見人であることを理由として取り消された。Cが、Aが成年被後見人であったことを過失なく知らなかった場合、Aは、Cに対し、甲土地の所有権が自己にあることを主張することができない。
成年被後見人の法律行為の取消しには、詐欺の場合のような第三者保護規定がない。したがって、転得者Cが善意無過失でも、Aは自己の所有権をCに対して主張できる。
根拠条文:民法9条・e-Govで法令を開く民法121条・e-Govで法令を開く
民法9条―現行条文本文
第九条 (成年被後見人の法律行為)
成年被後見人の法律行為は、取り消すことができる。
ただし、日用品の購入その他日常生活に関する行為については、この限りでない。
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民法121条―現行条文本文
第百二十一条 (取消しの効果)
取り消された行為は、初めから無効であったものとみなす。
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E /
地役権の要役地の所有権を単独で相続した者は、地役権設定行為に別段の定めがないときは、その土地の地役権も相続する。
地役権は要役地の所有権に従うものとされ、特段の定めがない限り要役地の所有権移転に伴って移転する。本肢はその原則を述べる。
根拠条文:民法281条第1項・e-Govで法令を開く
民法281条第1項―現行条文本文
地役権は、要役地(地役権者の土地であって、他人の土地から便益を受けるものをいう。以下同じ。)の所有権に従たるものとして、その所有権とともに移転し、又は要役地について存する他の権利の目的となるものとする。
ただし、設定行為に別段の定めがあるときは、この限りでない。
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全体要旨
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