民法 第158問
教材: 民法②
司法試験 R02 第7問
論点: 不動産物権変動
問題
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不動産の物権変動に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
公式解答
4. ウ オ
正誤・解説
p1 /
A所有の甲土地をAがBに売却し,その後Aが甲土地をCに対し売却してその旨の登記がされ,更にCが甲土地をDに対し売却してその旨の登記がされた場合において,CがBに対する関係で背信的悪意者に当たるときは,Bは,Dに対し,甲土地の所有権を登記がなくても主張することができる。
判例は,前主の買戻し等と異なり,背信的悪意者であっても,その後に登記を得た第三者との関係では当然に対抗できるとはしない。DもBに対する関係で第三者として保護されるかを別途みる必要がある。
根拠条文:民法177条・e-Govで法令を開く
民法177条―現行条文本文
第百七十七条 (不動産に関する物権の変動の対抗要件)
不動産に関する物権の得喪及び変更は、不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)その他の登記に関する法律の定めるところに従いその登記をしなければ、第三者に対抗することができない。
民法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:46)
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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p2 /
A所有の甲土地をAがBに売却し,その旨の登記がされたが,AがBの詐欺を理由としてAB間の売買契約を取り消した後,この取消しについて善意無過失のCに対しBが甲土地を売却し,その旨の登記がされた場合,Aは,Cに対し,甲土地の所有権を登記がなくても主張することができる。
詐欺取消しの第三者保護は民法96条3項の問題で,取消し前に利害関係を持つ第三者が対象となる。記述のように,取消し後に権利取得したCとの関係でAが当然に登記なしで対抗できるとはいえない。
根拠条文:民法96条第1項・e-Govで法令を開く民法96条第3項・e-Govで法令を開く
民法96条第1項―現行条文本文
詐欺又は強迫による意思表示は、取り消すことができる。
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民法96条第3項―現行条文本文
前二項の規定による詐欺による意思表示の取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない。
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p3 /
A所有の甲土地をAがBに売却し,更にBがCに売却し,それぞれその旨の登記がされた場合において,その後,AがAB間の売買契約をBの甲土地の代金不払を理由に解除したときは,Aは,Bの代金不払の事実を知らないCに対し,甲土地の所有権を主張することができない。
解除の遡及効があっても,第三者の権利を害することはできない。Cが代金不払を知らない以上,AはCに対して所有権を主張できないとするのが判例の趣旨。
根拠条文:民法545条第1項・e-Govで法令を開く
民法545条第1項―現行条文本文
当事者の一方がその解除権を行使したときは、各当事者は、その相手方を原状に復させる義務を負う。
ただし、第三者の権利を害することはできない。
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p4 /
A所有の甲土地をAがBに売却し,その旨の登記がされた場合において,その後,これより前から所有の意思をもって甲土地を占有していたCについて取得時効が完成したときは,Cは,Bに対し,甲土地の所有権を主張することができない。
取得時効は,完成時に第三者との関係も考慮される。登記がなくても,Cが完成後に登記を経た第三者に対し主張し得る場合があるため,常に主張できないという記述は誤り。
p5 /
甲土地を所有していたAが遺言を残さずに死亡し,BとCがAを共同相続し,Cが甲土地をBCの共有とする共同相続登記をしてCの持分にDのために抵当権を設定し,その旨の登記がされた場合において,その後,BCの遺産分割協議により甲土地がBの単独所有とされたときは,Bは,Dに対し,抵当権設定登記の抹消を請求することができない。
遺産分割の効力は相続開始時にさかのぼるが,第三者の権利を害することはできない。共同相続登記後に設定されたDの抵当権は第三者として保護され,Bは抹消請求できない。
根拠条文:民法909条・e-Govで法令を開く民法177条・e-Govで法令を開く
民法909条―現行条文本文
第九百九条 (遺産の分割の効力)
遺産の分割は、相続開始の時にさかのぼってその効力を生ずる。
ただし、第三者の権利を害することはできない。
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民法177条―現行条文本文
第百七十七条 (不動産に関する物権の変動の対抗要件)
不動産に関する物権の得喪及び変更は、不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)その他の登記に関する法律の定めるところに従いその登記をしなければ、第三者に対抗することができない。
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全体要旨
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