民法 第154問
教材: 民法②
司法試験 H23 第7問
論点: 不動産登記
問題
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公式解答
2
正誤・解説
1 /
Aは、Bから袋地(他人の土地に囲まれて公道に通じない土地)を購入したが、当該袋地についての所有権移転登記を経ないうちは、囲繞地(袋地を囲んでいる土地)を所有しているCに対し、公道に至るため、その囲繞地の通行権を主張することができない。
判例は、袋地所有者が所有権移転登記を経ていなくても、囲繞地所有者に対して通行権を主張できるとしている。登記の有無だけで否定するのは誤り。
根拠条文:民法213条第1項・e-Govで法令を開く民法213条第2項・e-Govで法令を開く民法209条・e-Govで法令を開く民法238条・e-Govで法令を開く
民法213条第1項―現行条文本文
分割によって公道に通じない土地が生じたときは、その土地の所有者は、公道に至るため、他の分割者の所有地のみを通行することができる。
この場合においては、償金を支払うことを要しない。
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民法213条第2項―現行条文本文
前項の規定は、土地の所有者がその土地の一部を譲り渡した場合について準用する。
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民法209条―現行条文本文
第二百九条 (隣地の使用)
土地の所有者は、次に掲げる目的のため必要な範囲内で、隣地を使用することができる。
ただし、住家については、その居住者の承諾がなければ、立ち入ることはできない。
一 境界又はその付近における障壁、建物その他の工作物の築造、収去又は修繕
二 境界標の調査又は境界に関する測量
三 第二百三十三条第三項の規定による枝の切取り
前項の場合には、使用の日時、場所及び方法は、隣地の所有者及び隣地を現に使用している者(以下この条において「隣地使用者」という。)のために損害が最も少ないものを選ばなければならない。
第一項の規定により隣地を使用する者は、あらかじめ、その目的、日時、場所及び方法を隣地の所有者及び隣地使用者に通知しなければならない。
ただし、あらかじめ通知することが困難なときは、使用を開始した後、遅滞なく、通知することをもって足りる。
第一項の場合において、隣地の所有者又は隣地使用者が損害を受けたときは、その償金を請求することができる。
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民法238条―現行条文本文
第二百三十八条 (境界線付近の掘削に関する注意義務)
境界線の付近において前条の工事をするときは、土砂の崩壊又は水若しくは汚液の漏出を防ぐため必要な注意をしなければならない。
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2 /
Aは、占有権原なく土地上に建物を建築して自己名義で所有権保存登記をした後、これをBに売り渡したが、所有権移転登記がされる前に、土地所有者であるCから建物収去土地明渡の請求を受けた。その場合において、Aは、Bに所有権移転登記をしていない以上は、その請求を拒むことができない。
無権原で建物を建て自己名義保存登記をしても、第三者との関係では実質的所有者として直ちに対抗できるとはいえない。売主Aは、Bへ移転登記前ならCの請求を拒めない。
3 /
Aが平穏かつ公然と所有の意思をもってB所有の不動産を占有し始めてから5年が経過した時点で、Bがその不動産をCに譲渡してその旨の所有権移転登記がされた場合、Aは、その後もその不動産について占有を続けて当初の占有の開始時から22年が経過したときでも、所有権移転登記を有しているCに対して、当該不動産について時効取得をしたことを主張することができない。
時効が完成した後に第三者名義の登記がされても、その第三者に対し時効取得を主張できる。登記の存在だけで否定するのは誤り。
4 /
AがBに不動産を譲渡したが、所有権移転登記をしないままに死亡して唯一の相続人であるCが相続した場合において、Bは、Cに対し、所有権移転登記をしていない以上は、所有権を主張することができない。
相続人は被相続人の登記義務を承継するため、譲受人Bは、相続人Cに対して登記がなくても所有権を主張できる。
5 /
A所有の土地について、その妻B及び子Cが相続を原因として所有権移転登記をしていたが、遺産分割によりBが単独で所有するとの遺産分割協議が成立した後、子Cが不動産登記簿上、自己名義の所有権移転登記があることを奇貨として、遺産分割前の法定相続分をDに売却した場合において、遺産分割が相続時に遡って効力を生じるから、Bは、遺産分割によって取得した持分について登記なくしてDに主張することができる。
遺産分割は相続開始時にさかのぼって効力を生じるが、登記なくして第三者Dに対抗できるわけではない。法定相続分を売却された場合でも、Bは登記がなければDに主張できない。
根拠条文:民法909条・e-Govで法令を開く民法899条の2第1項・e-Govで法令を開く民法901条・e-Govで法令を開く
民法909条―現行条文本文
第九百九条 (遺産の分割の効力)
遺産の分割は、相続開始の時にさかのぼってその効力を生ずる。
ただし、第三者の権利を害することはできない。
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民法899条の2第1項―現行条文本文
相続による権利の承継は、遺産の分割によるものかどうかにかかわらず、次条及び第九百一条の規定により算定した相続分を超える部分については、登記、登録その他の対抗要件を備えなければ、第三者に対抗することができない。
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民法901条―現行条文本文
第九百一条 (代襲相続人の相続分)
第八百八十七条第二項又は第三項の規定により相続人となる直系卑属の相続分は、その直系尊属が受けるべきであったものと同じとする。
ただし、直系卑属が数人あるときは、その各自の直系尊属が受けるべきであった部分について、前条の規定に従ってその相続分を定める。
前項の規定は、第八百八十九条第二項の規定により兄弟姉妹の子が相続人となる場合について準用する。
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全体要旨
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