民法 第128問
教材: 民法①
司法試験 H24 第7問(改)
論点: 消滅時効
問題
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公式解答
2
正誤・解説
1 /
単独で金銭債務を負う債務者が死亡し、複数の相続人がいる場合、遺産分割によってその金銭債務を負う者が決定するまでの間は、その債務について消滅時効は、完成しない。
相続財産に関する時効は、相続人が確定した時点で進行・完成し得る。遺産分割で負担者が決まるまで完成しない、とはいえない。
根拠条文:民法160条・e-Govで法令を開く
民法160条―現行条文本文
第百六十条 (相続財産に関する時効の完成猶予)
相続財産に関しては、相続人が確定した時、管理人が選任された時又は破産手続開始の決定があった時から六箇月を経過するまでの間は、時効は、完成しない。
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2 /
AのBに対する金銭債権を担保するためC所有の不動産に抵当権が設定された場合、その抵当権に基づく担保不動産競売の開始決定がされ、その決定正本が裁判所からBに送達されたときは、AのBに対する債権の消滅時効は、その事由が終了するまでの間は、完成しない。
担保権実行としての競売では、債務者への通知等との関係で時効中断(完成猶予)の効力が問題となる。設問のような送達がある場合、判例はその事由終了まで完成しないとする。
根拠条文:民法148条第1項・e-Govで法令を開く民法148条第3号・e-Govで法令を開く民法149条・e-Govで法令を開く民法154条・e-Govで法令を開く民法155条・e-Govで法令を開く民法148条・e-Govで法令を開く
民法148条第1項―現行条文本文
次に掲げる事由がある場合には、その事由が終了する(申立ての取下げ又は法律の規定に従わないことによる取消しによってその事由が終了した場合にあっては、その終了の時から六箇月を経過する)までの間は、時効は、完成しない。
一 強制執行
二 担保権の実行
三 民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第百九十五条に規定する担保権の実行としての競売の例による競売
四 民事執行法第百九十六条に規定する財産開示手続又は同法第二百四条に規定する第三者からの情報取得手続
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民法148条第3号―現行条文本文
第百四十八条 (強制執行等による時効の完成猶予及び更新)
次に掲げる事由がある場合には、その事由が終了する(申立ての取下げ又は法律の規定に従わないことによる取消しによってその事由が終了した場合にあっては、その終了の時から六箇月を経過する)までの間は、時効は、完成しない。
一 強制執行
二 担保権の実行
三 民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第百九十五条に規定する担保権の実行としての競売の例による競売
四 民事執行法第百九十六条に規定する財産開示手続又は同法第二百四条に規定する第三者からの情報取得手続
前項の場合には、時効は、同項各号に掲げる事由が終了した時から新たにその進行を始める。
ただし、申立ての取下げ又は法律の規定に従わないことによる取消しによってその事由が終了した場合は、この限りでない。
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民法149条―現行条文本文
第百四十九条 (仮差押え等による時効の完成猶予)
次に掲げる事由がある場合には、その事由が終了した時から六箇月を経過するまでの間は、時効は、完成しない。
一 仮差押え
二 仮処分
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民法154条―現行条文本文
第百五十四条
第百四十八条第一項各号又は第百四十九条各号に掲げる事由に係る手続は、時効の利益を受ける者に対してしないときは、その者に通知をした後でなければ、第百四十八条又は第百四十九条の規定による時効の完成猶予又は更新の効力を生じない。
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民法148条―現行条文本文
第百四十八条 (強制執行等による時効の完成猶予及び更新)
次に掲げる事由がある場合には、その事由が終了する(申立ての取下げ又は法律の規定に従わないことによる取消しによってその事由が終了した場合にあっては、その終了の時から六箇月を経過する)までの間は、時効は、完成しない。
一 強制執行
二 担保権の実行
三 民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第百九十五条に規定する担保権の実行としての競売の例による競売
四 民事執行法第百九十六条に規定する財産開示手続又は同法第二百四条に規定する第三者からの情報取得手続
前項の場合には、時効は、同項各号に掲げる事由が終了した時から新たにその進行を始める。
ただし、申立ての取下げ又は法律の規定に従わないことによる取消しによってその事由が終了した場合は、この限りでない。
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3 /
主たる債務の消滅時効期間が10年である場合、連帯保証人が主たる債務の履行期から7年を経過した日に保証債務の履行として弁済をしても、主たる債務の履行期から10年が経過したときは、主たる債務が時効により消滅するので、弁済をした連帯保証人は、主たる債務者に対して求償権を行使することができない。
保証人が自己財産で弁済しても、求償権はその時点で発生し進行する。主債務の時効完成後でも、直ちに求償権が失われるわけではない。
根拠条文:民法459条第1項・e-Govで法令を開く民法460条・e-Govで法令を開く民法461条・e-Govで法令を開く
民法459条第1項―現行条文本文
保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において、主たる債務者に代わって弁済その他自己の財産をもって債務を消滅させる行為(以下「債務の消滅行為」という。)をしたときは、その保証人は、主たる債務者に対し、そのために支出した財産の額(その財産の額がその債務の消滅行為によって消滅した主たる債務の額を超える場合にあっては、その消滅した額)の求償権を有する。
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民法460条―現行条文本文
第四百六十条 (委託を受けた保証人の事前の求償権)
保証人は、主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において、次に掲げるときは、主たる債務者に対して、あらかじめ、求償権を行使することができる。
一 主たる債務者が破産手続開始の決定を受け、かつ、債権者がその破産財団の配当に加入しないとき。
二 債務が弁済期にあるとき。
ただし、保証契約の後に債権者が主たる債務者に許与した期限は、保証人に対抗することができない。
三 保証人が過失なく債権者に弁済をすべき旨の裁判の言渡しを受けたとき。
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民法461条―現行条文本文
第四百六十一条 (主たる債務者が保証人に対して償還をする場合)
前条の規定により主たる債務者が保証人に対して償還をする場合において、債権者が全部の弁済を受けない間は、主たる債務者は、保証人に担保を供させ、又は保証人に対して自己に免責を得させることを請求することができる。
前項に規定する場合において、主たる債務者は、供託をし、担保を供し、又は保証人に免責を得させて、その償還の義務を免れることができる。
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4 /
AとBが連帯債務を負う場合において、Aが全部の負担部分を有するときは、Bが債権者に対して債務を承認しても、Aの債務について消滅時効は更新せず、その消滅時効が完成すれば、Bも債務を免れる。
連帯債務では、各債務者について生じた事由の効力が他の連帯債務者に及ぶかは別途規律がある。Bの承認がAに当然に及ばないので、設問は誤り。
根拠条文:民法152条第1項・e-Govで法令を開く民法441条・e-Govで法令を開く民法438条・e-Govで法令を開く民法439条第1項・e-Govで法令を開く
民法152条第1項―現行条文本文
時効は、権利の承認があったときは、その時から新たにその進行を始める。
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民法441条―現行条文本文
第四百四十一条 (相対的効力の原則)
第四百三十八条、第四百三十九条第一項及び前条に規定する場合を除き、連帯債務者の一人について生じた事由は、他の連帯債務者に対してその効力を生じない。
ただし、債権者及び他の連帯債務者の一人が別段の意思を表示したときは、当該他の連帯債務者に対する効力は、その意思に従う。
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民法438条―現行条文本文
第四百三十八条 (連帯債務者の一人との間の更改)
連帯債務者の一人と債権者との間に更改があったときは、債権は、全ての連帯債務者の利益のために消滅する。
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民法439条第1項―現行条文本文
連帯債務者の一人が債権者に対して債権を有する場合において、その連帯債務者が相殺を援用したときは、債権は、全ての連帯債務者の利益のために消滅する。
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5 /
AとBが夫婦の場合、Aが自己の単独名義でCと日常の家事に関し契約を締結して債務を負ったとき、CのAに対する債権の裁判上の請求により、CのBに対する債権の消滅時効も、その事由が終了するまでの間は、完成しない。
夫婦の日常家事債務では連帯責任が問題になるが、時効完成猶予の効力は当事者・承継人に限られ、他方配偶者に当然には及ばない。
根拠条文:民法147条第1項・e-Govで法令を開く民法147条第1号・e-Govで法令を開く民法153条第1項・e-Govで法令を開く民法761条・e-Govで法令を開く民法441条・e-Govで法令を開く
民法147条第1項―現行条文本文
次に掲げる事由がある場合には、その事由が終了する(確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって権利が確定することなくその事由が終了した場合にあっては、その終了の時から六箇月を経過する)までの間は、時効は、完成しない。
一 裁判上の請求
二 支払督促
三 民事訴訟法第二百七十五条第一項の和解又は民事調停法(昭和二十六年法律第二百二十二号)若しくは家事事件手続法(平成二十三年法律第五十二号)による調停
四 破産手続参加、再生手続参加又は更生手続参加
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民法147条第1号―現行条文本文
第百四十七条 (裁判上の請求等による時効の完成猶予及び更新)
次に掲げる事由がある場合には、その事由が終了する(確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって権利が確定することなくその事由が終了した場合にあっては、その終了の時から六箇月を経過する)までの間は、時効は、完成しない。
一 裁判上の請求
二 支払督促
三 民事訴訟法第二百七十五条第一項の和解又は民事調停法(昭和二十六年法律第二百二十二号)若しくは家事事件手続法(平成二十三年法律第五十二号)による調停
四 破産手続参加、再生手続参加又は更生手続参加
前項の場合において、確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって権利が確定したときは、時効は、同項各号に掲げる事由が終了した時から新たにその進行を始める。
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民法153条第1項―現行条文本文
第百四十七条又は第百四十八条の規定による時効の完成猶予又は更新は、完成猶予又は更新の事由が生じた当事者及びその承継人の間においてのみ、その効力を有する。
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民法761条―現行条文本文
第七百六十一条 (日常の家事に関する債務の連帯責任)
夫婦の一方が日常の家事に関して第三者と法律行為をしたときは、他の一方は、これによって生じた債務について、連帯してその責任を負う。
ただし、第三者に対し責任を負わない旨を予告した場合は、この限りでない。
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民法441条―現行条文本文
第四百四十一条 (相対的効力の原則)
第四百三十八条、第四百三十九条第一項及び前条に規定する場合を除き、連帯債務者の一人について生じた事由は、他の連帯債務者に対してその効力を生じない。
ただし、債権者及び他の連帯債務者の一人が別段の意思を表示したときは、当該他の連帯債務者に対する効力は、その意思に従う。
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