民法 第118問
教材: 民法①
司法試験 R06 第6問 / 予備試験 R06 第2問
論点: 時効取得
問題
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ア. 土地の占有者が所有者からの明渡請求を拒否して占有を継続してきたときは、取得時効の要件である平穏な占有がないとされる。
イ. 所有権の取得時効期間の計算においては、占有の開始の時が午前零時でなかったときでも、占有開始の日が算入される。
ウ. 土地の賃借権の取得時効が成立するためには、土地の継続的用途が賃借の意思に基づくことが客観的に表現されていることが必要である。
エ. 所有権の取得時効は、占有者が他人によって物の占有を奪われたときであっても、占有回収の訴えにより現実にその物の占有を回復したときは、中断しない。
オ. 所有権以外の財産権を、自己のためにする意思をもって、平穏に、かつ、公然と行使する者は、法定の期間を経過した後、その権利を時効によって取得する。
公式解答
1. ア イ
正誤・解説
A /
土地の占有者が所有者からの明渡請求を拒否して占有を継続してきたときは、取得時効の要件である平穏な占有がないとされる。
判例は、暴行・強迫などの違法な外形を伴わない限り、所有者から異議や返還請求を受けても、そのことだけで平穏性を失うものではないとする。
根拠条文:民法162条第2項・e-Govで法令を開く
民法162条第2項―現行条文本文
十年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その占有の開始の時に、善意であり、かつ、過失がなかったときは、その所有権を取得する。
民法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:46)
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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B /
所有権の取得時効期間の計算においては、占有の開始の時が午前零時でなかったときでも、占有開始の日が算入される。
民法140条ただし書により、期間の初日を算入しないのが原則で、占有開始時が午前零時でないときに占有開始日を算入するとはいえない。
根拠条文:民法140条・e-Govで法令を開く
民法140条―現行条文本文
第百四十条
日、週、月又は年によって期間を定めたときは、期間の初日は、算入しない。
ただし、その期間が午前零時から始まるときは、この限りでない。
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C /
土地の賃借権の取得時効が成立するためには、土地の継続的用途が賃借の意思に基づくことが客観的に表現されていることが必要である。
判例は、賃借権の時効取得には、継続的用途という外形的事実があり、それが賃借意思に基づくことが客観的に表現されている必要があるとする。
根拠条文:民法163条・e-Govで法令を開く
民法163条―現行条文本文
第百六十三条 (所有権以外の財産権の取得時効)
所有権以外の財産権を、自己のためにする意思をもって、平穏に、かつ、公然と行使する者は、前条の区別に従い二十年又は十年を経過した後、その権利を取得する。
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D /
所有権の取得時効は、占有者が他人によって物の占有を奪われたときであっても、占有回収の訴えにより現実にその物の占有を回復したときは、中断しない。
占有が奪われても、占有回収の訴えを提起して勝訴し、現実に占有を回復した場合は、占有が継続していたものと擬制され、取得時効は中断しない。
根拠条文:民法164条・e-Govで法令を開く民法203条・e-Govで法令を開く
民法164条―現行条文本文
第百六十四条 (占有の中止等による取得時効の中断)
第百六十二条の規定による時効は、占有者が任意にその占有を中止し、又は他人によってその占有を奪われたときは、中断する。
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民法203条―現行条文本文
第二百三条 (占有権の消滅事由)
占有権は、占有者が占有の意思を放棄し、又は占有物の所持を失うことによって消滅する。
ただし、占有者が占有回収の訴えを提起したときは、この限りでない。
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E /
所有権以外の財産権を、自己のためにする意思をもって、平穏に、かつ、公然と行使する者は、法定の期間を経過した後、その権利を時効によって取得する。
民法163条は、所有権以外の財産権について、自己のためにする意思をもって平穏・公然に行使した者が、期間経過後にその権利を取得すると定める。
根拠条文:民法163条・e-Govで法令を開く
民法163条―現行条文本文
第百六十三条 (所有権以外の財産権の取得時効)
所有権以外の財産権を、自己のためにする意思をもって、平穏に、かつ、公然と行使する者は、前条の区別に従い二十年又は十年を経過した後、その権利を取得する。
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全体要旨
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