民法 第89問
教材: 民法①
司法試験 H24 第5問
論点: 無権代理
問題
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公式解答
5
正誤・解説
1 /
Aは、見知らぬ他人であるB宅に侵入し、Bの印章と登記関係の書類を盗み出し、それを用いて、BがAにB所有の甲不動産を売却する代理権を与えた旨の委任状を偽造し、Bの代理人として、Cに対して甲不動産を売却する契約を締結した。この場合において、CがAに代理権がないことについて善意無過失であっても、表見代理は成立しない。
他人が印章等を盗用して委任状を偽造しただけでは、「代理権を与えた旨の表示」があるとはいえず、表見代理は成立しないとされた。相手方が善意無過失でも結論は変わらない。
根拠条文:民法109条第1項・e-Govで法令を開く
民法109条第1項―現行条文本文
第三者に対して他人に代理権を与えた旨を表示した者は、その代理権の範囲内においてその他人が第三者との間でした行為について、その責任を負う。
ただし、第三者が、その他人が代理権を与えられていないことを知り、又は過失によって知らなかったときは、この限りでない。
民法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:46)
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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2 /
判例によれば、Aの親権者Bは、Cから金銭を借り入れるに当たり、Aを代理してA所有の不動産にCのBに対する債権を担保するために抵当権を設定することはできないし、その設定行為を追認することもできない。
親権者による行為でも、子の財産を用いて親自身の債務を担保するのは利益相反行為となり、子に対して無効とされる。したがって、設定も追認もできない。
根拠条文:民法826条第1項・e-Govで法令を開く
民法826条第1項―現行条文本文
親権を行う父又は母とその子との利益が相反する行為については、親権を行う者は、その子のために特別代理人を選任することを家庭裁判所に請求しなければならない。
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3 /
代理権を有しない者が代理行為として契約をした場合、その契約の時に代理権のないことを知っていた相手方は、本人が追認をする以前でもこれを取り消すことができない。
無権代理の相手方でも、契約時に代理権がないことを知っていた者は、本人の追認前でも当然に取消しができるわけではない。条文上も、この場合は取消権が認められない。
根拠条文:民法115条・e-Govで法令を開く
民法115条―現行条文本文
第百十五条 (無権代理の相手方の取消権)
代理権を有しない者がした契約は、本人が追認をしない間は、相手方が取り消すことができる。
ただし、契約の時において代理権を有しないことを相手方が知っていたときは、この限りでない。
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4 /
無権代理人が本人の追認を得ることができなかったときは、代理権の不存在につき善意無過失の相手方は、無権代理人に損害賠償を請求することができる。
無権代理人は、自己の代理権を証明できない限り、相手方に対する履行又は損害賠償責任を負う。もっとも、条文上の例外はあるが、本肢のように善意無過失の相手方からの請求は認められる。
根拠条文:民法117条第1項・e-Govで法令を開く民法117条第2項・e-Govで法令を開く
民法117条第1項―現行条文本文
他人の代理人として契約をした者は、自己の代理権を証明したとき、又は本人の追認を得たときを除き、相手方の選択に従い、相手方に対して履行又は損害賠償の責任を負う。
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民法117条第2項―現行条文本文
前項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。
一 他人の代理人として契約をした者が代理権を有しないことを相手方が知っていたとき。
二 他人の代理人として契約をした者が代理権を有しないことを相手方が過失によって知らなかったとき。
ただし、他人の代理人として契約をした者が自己に代理権がないことを知っていたときは、この限りでない。
三 他人の代理人として契約をした者が行為能力の制限を受けていたとき。
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5 /
判例によれば、AがBに代理権を与えないまま「A」という名称の使用を許し、BがAの取引であるように見える外形を作り出して取引をした場合、この取引の効果がAに帰属することはない。
名称使用の許諾などにより、他人が自己の取引であるかのような外形を作った場合、判例はその外形を信頼した第三者への帰責を認める。したがって、効果がAに帰属しないとはいえない。
根拠条文:民法109条第1項・e-Govで法令を開く商法23条・e-Govで法令を開く民法14条・e-Govで法令を開く
民法109条第1項―現行条文本文
第三者に対して他人に代理権を与えた旨を表示した者は、その代理権の範囲内においてその他人が第三者との間でした行為について、その責任を負う。
ただし、第三者が、その他人が代理権を与えられていないことを知り、又は過失によって知らなかったときは、この限りでない。
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商法23条―現行条文本文
第二十三条 (支配人の競業の禁止)
支配人は、商人の許可を受けなければ、次に掲げる行為をしてはならない。
一 自ら営業を行うこと。
二 自己又は第三者のためにその商人の営業の部類に属する取引をすること。
三 他の商人又は会社若しくは外国会社の使用人となること。
四 会社の取締役、執行役又は業務を執行する社員となること。
支配人が前項の規定に違反して同項第二号に掲げる行為をしたときは、当該行為によって支配人又は第三者が得た利益の額は、商人に生じた損害の額と推定する。
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民法14条―現行条文本文
第十四条 (保佐開始の審判等の取消し)
第十一条本文に規定する原因が消滅したときは、家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族、未成年後見人、未成年後見監督人、保佐人、保佐監督人又は検察官の請求により、保佐開始の審判を取り消さなければならない。
家庭裁判所は、前項に規定する者の請求により、前条第二項の審判の全部又は一部を取り消すことができる。
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