民法 第87問
教材: 民法①
司法試験 H27 第4問
論点: 表見法理
問題
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表見法理に関する次の1から4までの各記述のうち、判例の趣旨に照らし誤っているものはどれか。
公式解答
3
正誤・解説
1 /
AがBに対しA所有の甲土地を売却する代理権を与えていないのに、その代理権を与えた旨をCに表示し、BがAの代理人としてCとの間で甲土地の売買契約を締結した場合、Aは、CがBに代理権がないことを知っていたこと、又は過失により知らなかったことを立証しなければ、甲土地の引渡債務を免れることができない。
判例は、代理権授与表示者は、相手方の悪意・有過失を主張立証できれば同条所定の責任を免れるとしている。したがって、Cが無権代理を知っていたか過失で知らなかったかをAが立証する趣旨の本記述は、判例の趣旨に合う。
根拠条文:民法109条第1項・e-Govで法令を開く
民法109条第1項―現行条文本文
第三者に対して他人に代理権を与えた旨を表示した者は、その代理権の範囲内においてその他人が第三者との間でした行為について、その責任を負う。
ただし、第三者が、その他人が代理権を与えられていないことを知り、又は過失によって知らなかったときは、この限りでない。
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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2 /
AがBと通謀してA所有の甲土地につきAB間で売買予約がされた旨仮装し、Bへの所有権移転登記請求権保全の仮登記をした後、Bが偽造書類を用いて仮登記を本登記にした上で、善意無過失のCに甲土地を売却し、Cへの所有権移転登記をした場合、Cは、Aに対し、甲土地の所有権をCが有することを主張することができる。
判例は、売買予約の仮装と仮登記を利用した外観でも、真の権利者が作出に関与し、又は放置した事情があれば、善意無過失の第三者に対して所有権を主張できないとする。本記述はその趣旨に合う。
根拠条文:民法94条第2項・e-Govで法令を開く民法110条・e-Govで法令を開く
民法94条第2項―現行条文本文
前項の規定による意思表示の無効は、善意の第三者に対抗することができない。
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民法110条―現行条文本文
第百十条 (権限外の行為の表見代理)
前条第一項本文の規定は、代理人がその権限外の行為をした場合において、第三者が代理人の権限があると信ずべき正当な理由があるときについて準用する。
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3 /
AがBと通謀してA所有の甲土地につき売買契約がされた旨仮装し、Bへの所有権移転登記をした後、Bが甲土地をCに売却した場合、Aは、CがAB間の売買契約が虚偽表示であることを知っていたことを立証しなければ、Cに対し、甲土地の所有権をAが有することを主張することができない。
虚偽表示の無効は善意の第三者に対抗できないが、相手方の悪意は要件ではない。判例上、虚偽表示の保護を受けるには第三者自身が善意であることを示せば足り、AがCの悪意を立証する必要はない。
根拠条文:民法94条第1項・e-Govで法令を開く民法94条第2項・e-Govで法令を開く
民法94条第1項―現行条文本文
相手方と通じてした虚偽の意思表示は、無効とする。
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民法94条第2項―現行条文本文
前項の規定による意思表示の無効は、善意の第三者に対抗することができない。
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4 /
AがBに対しA所有の甲土地を売却する代理権を与えていないのに、Bが甲土地につきAからBへの所有権移転登記をした上で、その事情について善意無過失のCに甲土地を売却した場合、Aが甲土地の登記済証及びAの印鑑登録証明書をBに預けたままにし、Aの面前でBがAの実印を登記申請書に押捺するのを漫然と見ていたなど、Aの帰責性の程度が自ら外観の作出に積極的に関与した場合やこれを知りながらあえて放置した場合と同視し得るほど重いときは、Cは、Aに対し、甲土地の所有権をCが有することを主張することができる。
判例は、真の権利者に自ら外観作出に積極的に関与した場合等と同視できる重い帰責性があるときは、民法94条2項や110条類推により善意無過失の第三者に対抗できないとする。本記述はその内容に沿う。
根拠条文:民法94条第2項・e-Govで法令を開く民法110条・e-Govで法令を開く民法94条第1項・e-Govで法令を開く
民法94条第2項―現行条文本文
前項の規定による意思表示の無効は、善意の第三者に対抗することができない。
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民法110条―現行条文本文
第百十条 (権限外の行為の表見代理)
前条第一項本文の規定は、代理人がその権限外の行為をした場合において、第三者が代理人の権限があると信ずべき正当な理由があるときについて準用する。
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民法94条第1項―現行条文本文
相手方と通じてした虚偽の意思表示は、無効とする。
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全体要旨
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