民法 第78問
教材: 民法①
司法試験 R06 第4問
論点: 代理
問題
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公式解答
1. ア ウ
正誤・解説
p1 /
AがBに対しCに代理権を与えた旨を表示した場合に、代理権授与の表示による表見代理が成立するためには、Cに代理権が与えられていると信じ、かつ、そのように信じたことについて過失がないことをBが主張立証しなければならない。
代理権授与表示による表見代理では、相手方が代理人に代理権があると信じ、かつその信頼に過失がないことまでは要するが、その立証責任を負うのは通常はその表見代理の成立を争う側ではない。
根拠条文:民法109条・e-Govで法令を開く
民法109条―現行条文本文
第百九条 (代理権授与の表示による表見代理等)
第三者に対して他人に代理権を与えた旨を表示した者は、その代理権の範囲内においてその他人が第三者との間でした行為について、その責任を負う。
ただし、第三者が、その他人が代理権を与えられていないことを知り、又は過失によって知らなかったときは、この限りでない。
第三者に対して他人に代理権を与えた旨を表示した者は、その代理権の範囲内においてその他人が第三者との間で行為をしたとすれば前項の規定によりその責任を負うべき場合において、その他人が第三者との間でその代理権の範囲外の行為をしたときは、第三者がその行為についてその他人の代理権があると信ずべき正当な理由があるときに限り、その行為についての責任を負う。
民法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:46)
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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p2 /
AがA所有の土地をBに売却し、その所有権移転登記手続をCに委任し、その代理権を与えた場合において、CがDとの間で権限外の行為をした。Cに当該行為についての権限があるとDが信ずべき正当な理由があるときは、Aは、Dに対して当該行為についての責任を負う。
登記申請手続を委任された者についても、その権限が基本代理権になり得るとされる。本件では110条が適用され、相手方Dに正当理由があれば本人Aが責任を負う。
根拠条文:民法110条・e-Govで法令を開く
民法110条―現行条文本文
第百十条 (権限外の行為の表見代理)
前条第一項本文の規定は、代理人がその権限外の行為をした場合において、第三者が代理人の権限があると信ずべき正当な理由があるときについて準用する。
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p3 /
AからA所有の甲土地に抵当権を設定する代理権を与えられていたBが、Aに無断で、Aの代理人としてCに甲土地を売却し、Cは、甲土地を更にDに売却した。Bに甲土地の売却についての権限があったとDが信ずべき正当な理由があるときは、CがBにその権限がないことを知っていたときであっても、Aは、Dに対して当該行為についての責任を負う。
110条の「第三者」は直接の相手方を指し、転得者まで当然に含まれない。したがって、Cが善意無過失でも、Bの権限を信じたDに対して直ちに本人Aが責任を負うとはいえない。
根拠条文:民法110条・e-Govで法令を開く
民法110条―現行条文本文
第百十条 (権限外の行為の表見代理)
前条第一項本文の規定は、代理人がその権限外の行為をした場合において、第三者が代理人の権限があると信ずべき正当な理由があるときについて準用する。
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p4 /
無権代理人の責任の要件と表見代理の要件が共に存在する場合において、相手方が無権代理人に対し履行又は損害賠償を求めたときは、無権代理人は、表見代理が成立することを主張して無権代理人の責任を免れることができない。
無権代理人責任と表見代理は別制度で、相手方が表見代理を主張しない限り、無権代理人が自ら表見代理成立を理由に責任を免れることはできないとされる。
根拠条文:民法117条第1項・e-Govで法令を開く
民法117条第1項―現行条文本文
他人の代理人として契約をした者は、自己の代理権を証明したとき、又は本人の追認を得たときを除き、相手方の選択に従い、相手方に対して履行又は損害賠償の責任を負う。
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p5 /
代理人が第三者の利益を図る目的で代理権の範囲内の行為をした場合において、相手方がその目的を知ることができたときは、その行為は、代理権を有しない者がした行為とみなされる。
107条は、代理人が自己又は第三者の利益を図る目的で権限内行為をした場合に、相手方がその目的を知り又は知ることができたときは無権代理として扱うとする。
根拠条文:民法107条・e-Govで法令を開く
民法107条―現行条文本文
第百七条 (代理権の濫用)
代理人が自己又は第三者の利益を図る目的で代理権の範囲内の行為をした場合において、相手方がその目的を知り、又は知ることができたときは、その行為は、代理権を有しない者がした行為とみなす。
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全体要旨
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