民事訴訟法 第339問
教材: 民事訴訟法②
司法試験 H23 第74問
論点: 薬害訴訟
問題
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Xは、薬剤製造販売業者Yが販売した医薬品を摂取したため、健康被害が生じたと主張しているが、Yは、医薬品と健康被害との間の因果関係を争っている。そこで、Xは全国の同様の被害を主張している者に呼び掛けて被害者の会を設立したところ、その会員数は1000名を超えた。Xは、全国の会員らと共にYを被告として損害賠償を求める訴えを提起することにしている。この事例に関する次の1から4までの各記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものを2個選びなさい。
公式解答
正解 / 1 / 3
正誤・解説
1 /
Xらは、Yの住所地にかかわらず、Xらの住所地を管轄する各地方裁判所に訴えを提起することができるが、裁判所は、訴訟の著しい遅滞を避け、又は当事者間の衡平を図るため必要があると認めるときは、申立てにより又は職権で、訴訟の全部又は一部を他の管轄裁判所に移送することができる。
5条9号の不法行為に関する訴えでは、不法行為地には損害発生地も含まれるので、被害者側の住所地を管轄する裁判所に提起できる。さらに17条により、必要があれば移送も可能。
根拠条文:民事訴訟法484条第1項・e-Govで法令を開く民事訴訟法5条第9号・e-Govで法令を開く民事訴訟法17条・e-Govで法令を開く
民事訴訟法5条第9号―現行条文本文
第五条 (財産権上の訴え等についての管轄)
次の各号に掲げる訴えは、それぞれ当該各号に定める地を管轄する裁判所に提起することができる。
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民事訴訟法17条―現行条文本文
第十七条 (遅滞を避ける等のための移送)
第一審裁判所は、訴訟がその管轄に属する場合においても、当事者及び尋問を受けるべき証人の住所、使用すべき検証物の所在地その他の事情を考慮して、訴訟の著しい遅滞を避け、又は当事者間の衡平を図るため必要があると認めるときは、申立てにより又は職権で、訴訟の全部又は一部を他の管轄裁判所に移送することができる。
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2 /
Xらの中には弁護士費用を支払う資力のない者もいる。しかし、弁護士費用は損害としてYに請求できるから、裁判所は、訴え提起の手数料や送達費用、鑑定費用等について訴訟上の救助を認めるか否かの判断において、弁護士費用を支払う資力がないことを考慮することはできない。
民訴法82条の訴訟上の救助の要件である「訴訟の準備及び追行に必要な費用」には弁護士費用も含まれる。したがって、弁護士費用負担能力は考慮できる。
根拠条文:民事訴訟法82条第1項・e-Govで法令を開く
民事訴訟法82条第1項―現行条文本文
訴訟の準備及び追行に必要な費用を支払う資力がない者又はその支払により生活に著しい支障を生ずる者に対しては、裁判所は、申立てにより、訴訟上の救助の決定をすることができる。
ただし、勝訴の見込みがないとはいえないときに限る。
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3 /
Xらは、Yが販売した医薬品によって健康被害が生じたことを、個々の原告ごとに立証しなければならないが、訴訟上の因果関係の立証は、一点の疑義も許されない自然科学的証明ではなく、経験則に照らして全証拠を総合検討し、特定の事実が特定の結果発生を招来した関係を認識し得る高度の蓋然性を証明するものであり、その判定は、通常人が疑を差し挟まない程度に真実性の確信を持ち得るものであることを必要とし、かつ、それで足りるものである。
因果関係の立証は自然科学的な完全証明ではなく、高度の蓋然性が必要とされる、という判例の定式を示すもの。
4 /
Xに損害が生じたことは認められても、その損害額の立証が極めて困難であるときは、裁判所は、口頭弁論の全趣旨及び証拠調べの結果に基づき、相当な損害額を認定することができるが、損害額の立証が不十分であるとして請求を棄却することもできる。
民訴法248条は、損害が生じたことが認められる場合に、損害額の立証が困難でも相当額を認定できるとする。立証不十分を理由に棄却する趣旨ではない。
根拠条文:民事訴訟法248条・e-Govで法令を開く
民事訴訟法248条―現行条文本文
第二百四十八条 (損害額の認定)
損害が生じたことが認められる場合において、損害の性質上その額を立証することが極めて困難であるときは、裁判所は、口頭弁論の全趣旨及び証拠調べの結果に基づき、相当な損害額を認定することができる。
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全体要旨
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