民事訴訟法 第293問
教材: 民事訴訟法②
予備試験 H23 第32問
論点: 複数当事者訴訟
問題
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複数当事者訴訟に関する次のアからオまでの各記述のうち、誤っているものを組み合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。
公式解答
4. ウ オ
正誤・解説
p1 /
XがYに対して貸金の返還を求める訴えを提起したところ、審理中にYが死亡したため、Yの共同相続人であるZ1及びZ2が訴訟を受継した場合、Z1が死亡しても、Z2との関係では訴訟手続は中断しない。なお、Y、Z1及びZ2に訴訟代理人はいないものとし、また、Z2はZ1の相続人ではないものとする。
共同相続人が訴訟を受継した場合は通常共同訴訟となり、共同訴訟人の一人について生じた事由は他方に影響しない(民訴法39条)。したがって、Z1死亡によってZ2との関係で訴訟手続は中断しない。
根拠条文:民事訴訟法124条第1項・e-Govで法令を開く民事訴訟法39条・e-Govで法令を開く
民事訴訟法124条第1項―現行条文本文
次の各号に掲げる事由があるときは、訴訟手続は、中断する。
この場合においては、それぞれ当該各号に定める者は、訴訟手続を受け継がなければならない。
一 当事者の死亡
相続人、相続財産の管理人、相続財産の清算人その他法令により訴訟を続行すべき者
二 当事者である法人の合併による消滅
合併によって設立された法人又は合併後存続する法人
三 当事者の訴訟能力の喪失又は法定代理人の死亡若しくは代理権の消滅
法定代理人又は訴訟能力を有するに至った当事者
四 次のイからハまでに掲げる者の信託に関する任務の終了
当該イからハまでに定める者
五 一定の資格を有する者で自己の名で他人のために訴訟の当事者となるものの死亡その他の事由による資格の喪失
同一の資格を有する者
六 選定当事者の全員の死亡その他の事由による資格の喪失
選定者の全員又は新たな選定当事者
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民事訴訟法39条―現行条文本文
第三十九条 (共同訴訟人の地位)
共同訴訟人の一人の訴訟行為、共同訴訟人の一人に対する相手方の訴訟行為及び共同訴訟人の一人について生じた事項は、他の共同訴訟人に影響を及ぼさない。
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p2 /
XがY及びZに対してYとZの婚姻の取消しを求める訴えを提起した場合、当該訴訟において、裁判所は、弁論を分離することができない。
婚姻取消しの訴えは、特別の定めがある場合を除き、当該身分関係の当事者双方を被告とする必要的共同訴訟となる。必要的共同訴訟では弁論分離はできない。
根拠条文:民事訴訟法12条第2項・e-Govで法令を開く
民事訴訟法12条第2項―現行条文本文
第十二条 (応訴管轄)
被告が第一審裁判所において管轄違いの抗弁を提出しないで本案について弁論をし、又は弁論準備手続において申述をしたときは、その裁判所は、管轄権を有する。
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p3 /
Xが、Yの代理人Zとの間でYが所有する甲土地を買い受ける契約を締結したと主張して、Yに対する売買契約に基づく甲土地の所有権移転登記手続請求と、Zに対する無権代理人の責任に基づく損害賠償請求とを併合して訴えを提起し、第一審の審理中に、弁論及び裁判を分離しないでよい旨の申出をした場合、Zだけが請求を認諾してもその効力を生じない。
同時審判申出共同訴訟では、民訴法41条は必要的共同訴訟の審判の原則(40条)を準用しない。したがって通常共同訴訟であり、共同訴訟人独立の原則が妥当するため、Zのみの請求認諾も有効となり得る。
根拠条文:民事訴訟法41条・e-Govで法令を開く民事訴訟法40条・e-Govで法令を開く民事訴訟法40条第2項・e-Govで法令を開く
民事訴訟法41条―現行条文本文
第四十一条 (同時審判の申出がある共同訴訟)
共同被告の一方に対する訴訟の目的である権利と共同被告の他方に対する訴訟の目的である権利とが法律上併存し得ない関係にある場合において、原告の申出があったときは、弁論及び裁判は、分離しないでしなければならない。
前項の申出は、控訴審の口頭弁論の終結の時までにしなければならない。
第一項の場合において、各共同被告に係る控訴事件が同一の控訴裁判所に各別に係属するときは、弁論及び裁判は、併合してしなければならない。
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民事訴訟法40条―現行条文本文
第四十条 (必要的共同訴訟)
訴訟の目的が共同訴訟人の全員について合一にのみ確定すべき場合には、その一人の訴訟行為は、全員の利益においてのみその効力を生ずる。
前項に規定する場合には、共同訴訟人の一人に対する相手方の訴訟行為は、全員に対してその効力を生ずる。
第一項に規定する場合において、共同訴訟人の一人について訴訟手続の中断又は中止の原因があるときは、その中断又は中止は、全員についてその効力を生ずる。
第三十二条第一項の規定は、第一項に規定する場合において、共同訴訟人の一人が提起した上訴について他の共同訴訟人である被保佐人若しくは被補助人又は他の共同訴訟人の後見人その他の法定代理人のすべき訴訟行為について準用する。
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民事訴訟法40条第2項―現行条文本文
前項に規定する場合には、共同訴訟人の一人に対する相手方の訴訟行為は、全員に対してその効力を生ずる。
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p4 /
甲土地の所有者であるXが、Yが甲土地を無断で占有しているとして、Yに対して、所有権に基づき甲土地の明渡しを求める訴えを提起したところ、当該訴訟の第一審係属中に、Zが、甲土地をXから譲り受けたと主張して、Yに対して甲土地の明渡しを求めて当該訴訟に参加した場合、Yが、Zとの関係で、Yが甲土地を占有していることを認めると、Xとの関係でも同じ事実を認めたものとして扱われる。
訴訟承継人が訴訟の目的たる権利全部を譲り受けたと主張して参加した場合は、民訴法49条1項の訴訟係属中の訴訟参加に当たる。さらに40条2項により、共同訴訟人の一人に対する相手方の訴訟行為は全員に効力を生ずる。
根拠条文:民事訴訟法40条・e-Govで法令を開く民事訴訟法49条第1項・e-Govで法令を開く民事訴訟法47条第1項・e-Govで法令を開く民事訴訟法40条第2項・e-Govで法令を開く
民事訴訟法40条―現行条文本文
第四十条 (必要的共同訴訟)
訴訟の目的が共同訴訟人の全員について合一にのみ確定すべき場合には、その一人の訴訟行為は、全員の利益においてのみその効力を生ずる。
前項に規定する場合には、共同訴訟人の一人に対する相手方の訴訟行為は、全員に対してその効力を生ずる。
第一項に規定する場合において、共同訴訟人の一人について訴訟手続の中断又は中止の原因があるときは、その中断又は中止は、全員についてその効力を生ずる。
第三十二条第一項の規定は、第一項に規定する場合において、共同訴訟人の一人が提起した上訴について他の共同訴訟人である被保佐人若しくは被補助人又は他の共同訴訟人の後見人その他の法定代理人のすべき訴訟行為について準用する。
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民事訴訟法49条第1項―現行条文本文
訴訟の係属中その訴訟の目的である権利の全部又は一部を譲り受けたことを主張する者が第四十七条第一項の規定により訴訟参加をしたときは、時効の完成猶予に関しては、当該訴訟の係属の初めに、裁判上の請求があったものとみなす。
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民事訴訟法47条第1項―現行条文本文
訴訟の結果によって権利が害されることを主張する第三者又は訴訟の目的の全部若しくは一部が自己の権利であることを主張する第三者は、その訴訟の当事者の双方又は一方を相手方として、当事者としてその訴訟に参加することができる。
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前項に規定する場合には、共同訴訟人の一人に対する相手方の訴訟行為は、全員に対してその効力を生ずる。
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p5 /
一つの交通事故の被害者であるXが、Y1とY2とを共同被告として、共同不法行為に基づく損害賠償請求の訴えを提起し、第一審においてY1及びY2のいずれに対する請求も認容する判決がされた場合、Y1が控訴をすれば、当該訴訟は全体として移審し、第一審判決中のY2に対する請求を認容した部分も確定が遮断される。
共同不法行為に基づく損害賠償請求の通常共同訴訟では、共同訴訟人独立の原則が妥当する。したがって、Y1の控訴によってY2部分まで当然に移審・確定遮断されるわけではない。
全体要旨
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