民事訴訟法 第149問
教材: 民事訴訟法①
予備試験 R03 第39問
論点: 裁判上の自白
問題
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1. 所有権に基づく土地の所有権移転登記手続請求訴訟の口頭弁論の期日において、被告は、10年の取得時効の請求原因に対して、原告がその土地の占有の開始時においてその土地の所有権を有していないことを知っていたとの主張をした。これに対し、原告は、その期日において、被告が主張をしたこの事実を認めるとの陳述をした。この原告の陳述について、裁判上の自白が成立する。
2. 消費貸借契約に基づく貸金返還請求訴訟の口頭弁論の期日において、原告は、被告に対し100万円を貸し付けたとの主張をした。これに対し、被告は、当事者尋問において、原告から100万円を借り受けたことを認めるとの陳述をした。この被告の陳述について、裁判上の自白が成立する。
3. 所有権に基づく建物の明渡請求訴訟の口頭弁論の期日において、原告は、被告の占有の権原に関し、被告との間で当該建物の賃貸借契約を締結したとの陳述をした。これに対し、被告は、その期日において、当該建物は被告が所有するものであるとして、これを援用しなかった。この原告の陳述について、裁判上の自白が成立する。
4. 原告の被告に対する所有権に基づく土地の明渡請求訴訟とその反訴である被告の原告に対する時効取得を理由とする当該土地の所有権確認請求訴訟の口頭弁論の期日において、原告は、被告との間で当該土地の賃貸借契約を締結し、被告がこの賃貸借契約に基づいて当該土地を占有しているとの主張をした。これに対し、被告は、その期日において、原告から当該土地を賃借したことを認めるとの陳述をした。この被告の陳述について、裁判上の自白が成立する。
5. 売買契約に基づく売買代金支払請求訴訟の口頭弁論の期日において、原告は、売買契約書を提出し書証の申出をし、被告がその売買契約書を作成したとの主張をした。これに対し、被告は、その期日において、その売買契約書が真正に成立したことを認めるとの陳述をした。この被告の陳述について、裁判上の自白が成立する。
公式解答
1 / 4
正誤・解説
1 /
所有権に基づく土地の所有権移転登記手続請求訴訟の口頭弁論の期日において、被告は、10年の取得時効の請求原因に対して、原告がその土地の占有の開始時においてその土地の所有権を有していないことを知っていたとの主張をした。これに対し、原告は、その期日において、被告が主張をしたこの事実を認めるとの陳述をした。この原告の陳述について、裁判上の自白が成立する。
裁判上の自白は、相手方の主張と一致し、自己に不利益な事実を弁論または弁論準備手続期日に認める陳述で成立する。取得時効の「善意・無過失」は証明責任が転換され、原告に不利益な事実の認容となるため、自白が成立する。
根拠条文:民法162条第2項・e-Govで法令を開く民法186条第1項・e-Govで法令を開く
民法162条第2項―現行条文本文
十年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その占有の開始の時に、善意であり、かつ、過失がなかったときは、その所有権を取得する。
民法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:46)
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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民法186条第1項―現行条文本文
占有者は、所有の意思をもって、善意で、平穏に、かつ、公然と占有をするものと推定する。
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2 /
消費貸借契約に基づく貸金返還請求訴訟の口頭弁論の期日において、原告は、被告に対し100万円を貸し付けたとの主張をした。これに対し、被告は、当事者尋問において、原告から100万円を借り受けたことを認めるとの陳述をした。この被告の陳述について、裁判上の自白が成立する。
裁判上の自白は弁論又は弁論準備手続期日における陳述で成立する。事実の認め方が当事者尋問中の供述であれば足りず、ここでは「当事者尋問」における陳述なので自白とはいえない。
3 /
所有権に基づく建物の明渡請求訴訟の口頭弁論の期日において、原告は、被告の占有の権原に関し、被告との間で当該建物の賃貸借契約を締結したとの陳述をした。これに対し、被告は、その期日において、当該建物は被告が所有するものであるとして、これを援用しなかった。この原告の陳述について、裁判上の自白が成立する。
裁判上の自白は相手方の主張と一致する自己に不利益な事実の認容が必要である。被告が自己所有を主張してこれを援用しない以上、原告の賃貸借締結の陳述は相手方主張と一致せず、自白は成立しない。
4 /
原告の被告に対する所有権に基づく土地の明渡請求訴訟とその反訴である被告の原告に対する時効取得を理由とする当該土地の所有権確認請求訴訟の口頭弁論の期日において、原告は、被告との間で当該土地の賃貸借契約を締結し、被告がこの賃貸借契約に基づいて当該土地を占有しているとの主張をした。これに対し、被告は、その期日において、原告から当該土地を賃借したことを認めるとの陳述をした。この被告の陳述について、裁判上の自白が成立する。
原告の主張は賃貸借に基づく占有であり、反訴の時効取得では所有の意思の有無が問題となる。被告が原告から賃借したことを認める陳述は、被告側に不利益で相手方主張とも一致するため、自白が成立する。
5 /
売買契約に基づく売買代金支払請求訴訟の口頭弁論の期日において、原告は、売買契約書を提出し書証の申出をし、被告がその売買契約書を作成したとの主張をした。これに対し、被告は、その期日において、その売買契約書が真正に成立したことを認めるとの陳述をした。この被告の陳述について、裁判上の自白が成立する。
書証の「真正に成立したこと」を認める陳述は、文書の成立の真否に関するもので、訴訟上の主要事実についての弁論上の陳述とはいえない。したがって裁判上の自白は成立しない。
全体要旨
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