民事訴訟法 第99問
教材: 民事訴訟法①
司法試験 H19 第70問
論点: 弁論主義
問題
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Xは、「甲建物は、かつてAが所有していたが、同人が死亡し、同人の子で唯一の相続人であるXが相続した。ところが、Yは何らの権原もなく、同建物を占有している。」と主張し、同建物の所有権に基づいて、Yに対し、同建物の明渡しを求める訴えを提起した。この事案に関する次の1から4までの各記述のうち、正しいものを2個選べ。
公式解答
1 / 2
正誤・解説
1 /
Yは、「Xが甲建物を所有していることは否認する。元所有者のAは、生前Yに甲建物を売却した。」と主張した。裁判所は、証拠調べの結果、AはYではなく、Bに同建物を売却したと認めた場合でも、Bへの売買がされているのでXは同建物を所有していないとの理由で、Xの請求を棄却することはできない。
所有権に基づく返還請求では、原告は自己の所有を基礎づける事実を主張立証し、被告の抗弁事実として売買等が主張される。裁判所が認めた売買相手がYでなくBでも、Bへの売買という別の未主張事実をもって直ちにX不所有を理由に棄却できない。
2 /
Yは、「元所有者のAは、生前Yに甲建物を賃貸し、同建物を引き渡した。」と主張した。Xは、このYの主張を否認し、「AはYに、甲建物を、期間の定めなくYの居住のため無償で利用させる旨約束して、これを引き渡したが、Yの居住の目的に従った使用収益をするのに足りる期間は経過した。」と主張した。Yは、このXの主張を全部否認した。裁判所は、証拠調べの結果、A Y間において使用貸借契約が成立したが、Xの主張する期間の経過は認められないと判断した場合、Yの使用借権の存在を理由として、Xの請求を棄却することができる。
Yの賃借権抗弁に対し、Xが使用貸借であって期間経過により終了したと再抗弁したのに、その期間経過が認められないなら、Y側の使用借権が残る。したがって、Yの占有権原を理由に明渡請求は棄却できる。
根拠条文:民法598条第2項・e-Govで法令を開く
民法598条第2項―現行条文本文
当事者が使用貸借の期間並びに使用及び収益の目的を定めなかったときは、貸主は、いつでも契約の解除をすることができる。
民法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:46)
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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3 /
Yは、「Xが甲建物を所有していることは認めるが、Xは、元所有者のCから買い受けたものである。Xは、Yに同建物を賃貸し、引き渡した。」と主張した。裁判所は、証拠調べの結果、Xは、同建物を元所有者のCから買い受けたものであり、Aから相続したものではないと認めた場合には、XY間の建物賃貸借が認められないと判断したときでも、Xの請求を認容することはできない。
Xが所有者であること自体は争いがなく、問題となるのはYの占有権原(賃借権)の有無である。裁判所がXの所有取得原因の違いを認めても、それだけでYの賃貸借抗弁を否定できるわけではなく、請求認容を妨げない。
4 /
Yは、「XがAから甲建物を相続したことは認めるが、Xは、Dに対して同建物を売却し、YはDから同建物を買い受けた。」と主張した。裁判所は、証拠調べの結果、XがDに対して同建物を売却したことは認められるが、DからYへの売却については認められないと判断した場合には、Xの請求を棄却することはできない。
Yの抗弁はDからの買受けによる占有権原の主張だが、裁判所が認めたのはX→Dの売却までで、D→Yの売却は認められない。Yの権原が立証されない以上、Xの明渡請求を棄却できない。
全体要旨
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