民事訴訟法 第23問
教材: 民事訴訟法①
司法試験 H19 第62問
論点: 訴訟能力
問題
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ア.訴訟能力を欠く者がした訴訟行為は、これを有するに至った当事者又は法定代理人の追認により、行為の時にさかのぼってその効力を生ずる。
イ.訴状を送達したところ被告に訴訟能力が欠けていることが明らかになったときは、裁判所は、期間を定めてその補正を命じなければならない。
ウ.原告に訴訟能力が欠けていることを理由とする訴え却下判決に対して原告が控訴した場合において、控訴裁判所が訴訟能力が欠けているとの判断に達したときは、訴訟能力を欠く者のした控訴であるから、同裁判所は、控訴を不適法なものとして却下しなければならない。
エ.原告に訴訟能力が欠けていることを理由とする訴え却下判決に対して原告が控訴した場合において、控訴裁判所が訴訟能力があるとの判断に達したときは、同裁判所は、第一審判決を取り消して、自ら本案について判決をしなければならない。
オ.第一審において、被告に訴訟能力が欠けていることを看過して請求棄却判決が言い渡された場合には、勝訴している被告の法定代理人は、本人に訴訟能力がないことを理由として控訴することはできない。
公式解答
4. ウ エ
正誤・解説
ア /
訴訟能力を欠く者がした訴訟行為は、これを有するに至った当事者又は法定代理人の追認により、行為の時にさかのぼってその効力を生ずる。
34条2項は、訴訟能力・法定代理権・訴訟行為をするのに必要な授権を欠く者がした訴訟行為について、これらを有するに至った当事者又は法定代理人の追認により、行為時に遡って効力を生ずるとしている。
根拠条文:民事訴訟法34条第2項・e-Govで法令を開く民事訴訟法34条第1項・e-Govで法令を開く
民事訴訟法34条第2項―現行条文本文
訴訟能力、法定代理権又は訴訟行為をするのに必要な授権を欠く者がした訴訟行為は、これらを有するに至った当事者又は法定代理人の追認により、行為の時にさかのぼってその効力を生ずる。
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民事訴訟法34条第1項―現行条文本文
訴訟能力、法定代理権又は訴訟行為をするのに必要な授権を欠くときは、裁判所は、期間を定めて、その補正を命じなければならない。
この場合において、遅滞のため損害を生ずるおそれがあるときは、裁判所は、一時訴訟行為をさせることができる。
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イ /
訴状を送達したところ被告に訴訟能力が欠けていることが明らかになったときは、裁判所は、期間を定めてその補正を命じなければならない。
34条1項前段は、訴訟能力等を欠くときは裁判所が期間を定めて補正を命じなければならないとする。被告について訴状送達後に発覚した場合も同様である。
根拠条文:民事訴訟法34条第2項・e-Govで法令を開く民事訴訟法34条第1項・e-Govで法令を開く
民事訴訟法34条第2項―現行条文本文
訴訟能力、法定代理権又は訴訟行為をするのに必要な授権を欠く者がした訴訟行為は、これらを有するに至った当事者又は法定代理人の追認により、行為の時にさかのぼってその効力を生ずる。
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民事訴訟法34条第1項―現行条文本文
訴訟能力、法定代理権又は訴訟行為をするのに必要な授権を欠くときは、裁判所は、期間を定めて、その補正を命じなければならない。
この場合において、遅滞のため損害を生ずるおそれがあるときは、裁判所は、一時訴訟行為をさせることができる。
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ウ /
原告に訴訟能力が欠けていることを理由とする訴え却下判決に対して原告が控訴した場合において、控訴裁判所が訴訟能力が欠けているとの判断に達したときは、訴訟能力を欠く者のした控訴であるから、同裁判所は、控訴を不適法なものとして却下しなければならない。
誤り。控訴審では、原告に訴訟能力がないと判断しても、控訴自体は訴訟能力の有無を争う機会を与えるため直ちに却下せず、控訴を棄却するのが結論となる。
根拠条文:民事訴訟法302条第1項・e-Govで法令を開く
民事訴訟法302条第1項―現行条文本文
控訴裁判所は、第一審判決を相当とするときは、控訴を棄却しなければならない。
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エ /
原告に訴訟能力が欠けていることを理由とする訴え却下判決に対して原告が控訴した場合において、控訴裁判所が訴訟能力があるとの判断に達したときは、同裁判所は、第一審判決を取り消して、自ら本案について判決をしなければならない。
誤り。307条本文は、控訴裁判所が訴えを不適法として却下した第一審判決を取り消す場合、原則として事件を第一審裁判所に差し戻すとする。
根拠条文:民事訴訟法307条・e-Govで法令を開く
民事訴訟法307条―現行条文本文
第三百七条 (事件の差戻し)
控訴裁判所は、訴えを不適法として却下した第一審判決を取り消す場合には、事件を第一審裁判所に差し戻さなければならない。
ただし、事件につき更に弁論をする必要がないときは、この限りでない。
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オ /
第一審において、被告に訴訟能力が欠けていることを看過して請求棄却判決が言い渡された場合には、勝訴している被告の法定代理人は、本人に訴訟能力がないことを理由として控訴することはできない。
百選判例の考え方では、請求棄却判決を得て勝訴した被告には控訴の利益がなく、本人に訴訟能力がないことを理由とする控訴はできないとされる。
全体要旨
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