憲法 第424問
教材: 憲法③
司法試験 H30 第19問
論点: 地方公共団体の意義
問題
問題画像


抽出問題文を表示
「憲法が特に一章を設けて地方自治を保障するにいたったのは、新憲法の基調とする政治民主化の一環として、住民の日常生活に密接な関連をもつ公共的事務は、その地方の住民の手でその住民の団体が主体となって処理する政治形態を保障しようとする趣旨からである。この趣旨に徹するときは、憲法第93条第2項にいう地方公共団体といい得るためには、単に法律で地方公共団体として取り扱われているということだけでは足らず、事実上住民が経済的文化的に密接な共同生活を営み、共同体意識をもっているという社会的基盤が存在し、沿革的にみても、また現実の行政の上においても、相当程度の自主立法権、自主行政権、自主財政権等地方自治の基本的権能を付与された地域団体であることを必要とするものというべきである。"
公式解答
3. ア エ
正誤・解説
ア /
この判決は、憲法によって保障された地方自治がどのような性質を有するかという問題について、個人が国家に対して固有かつ不可侵の権利を有するのと同様に、地方公共団体もまた固有の前国家的な基本権を有するという立場に立つものである。
解説では、地方公共団体が個人のような前国家的基本権を有する立場ではないと明言されている。判決は、地方公共団体としての要件を示したにとどまり、固有の基本権主体論は採っていない。
根拠条文:日本国憲法93条第2項・e-Govで法令を開く
日本国憲法93条第2項―現行条文本文
地方公共団体の長、その議会の議員及び法律の定めるその他の吏員は、その地方公共団体の住民が、直接これを選挙する。
日本国憲法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:52)
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
イ /
この判決は、「事実上住民が経済的文化的に密接な共同生活を営み、共同体意識をもっているという社会的基盤」の存在を地方公共団体の要件として挙げるが、「共同体意識」というのは測定不能で漠然とした概念ではないかとの批判がある。
解説に、共同体意識という要件は「測定不能で漠然とした概念ではないか」との批判があると示されている。判決は社会的基盤を要件として挙げており、この記述は正しい。
ウ /
この判決のように、沿革上及び行政上の実態を基準に、憲法上の地方公共団体に当たるか否かを判断することは、憲法の下位規範である地方自治法によって憲法の解釈を行うこととなるとの指摘がある。
解説では、沿革・行政上の実態を基準に憲法上の地方公共団体性を判断することは、地方自治法により憲法の解釈を行うことになるとの指摘があるとしている。記述は解説に合致する。
エ /
この判決には、憲法第92条にいう「地方自治の本旨」が、第93条で具体化されている住民自治と第94条で具体化されている団体自治によって構成されていると解する余地がなくなるという問題点がある。
解説では、判決が地方自治の本旨を住民自治と団体自治により構成されていると解する余地をなくすものではないとされている。したがって、問題点があると断定するこの記述は誤り。
根拠条文:日本国憲法92条・e-Govで法令を開く日本国憲法93条・e-Govで法令を開く日本国憲法94条・e-Govで法令を開く
日本国憲法92条―現行条文本文
第九十二条
地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基いて、法律でこれを定める。
日本国憲法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:52)
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
日本国憲法93条―現行条文本文
第九十三条
地方公共団体には、法律の定めるところにより、その議事機関として議会を設置する。
地方公共団体の長、その議会の議員及び法律の定めるその他の吏員は、その地方公共団体の住民が、直接これを選挙する。
日本国憲法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:52)
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
日本国憲法94条―現行条文本文
第九十四条
地方公共団体は、その財産を管理し、事務を処理し、及び行政を執行する権能を有し、法律の範囲内で条例を制定することができる。
日本国憲法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:52)
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
全体要旨
解説画像


自己評価
問題時間・解説時間は、 別ページへ移動した時点で確定します。
学習メモ
入力中の内容はこの端末へ自動的に下書き保存されます。 「メモを保存」を押すと改訂履歴へ追加し、 ログイン中はSupabaseへ同期します。
メモの保存履歴
過去版を編集欄へ復元しただけでは下書きです。 「メモを保存」を押すと新しい版として保存されます。